いい加減な神様
神様に言われた。
君は来週凄い人になると。
僕は喜んだ。
そして、僕は探し始めた。
自分の才能を。
絵を描いてみた。そこそこうまかった。だけど一番ではなかった。そこそこだった。
これは才能じゃない。
かけっこをしてみた。二番だった。結構早いと褒められた。だけど二番だった。これは才能じゃない。
みんなの前で、面白いことを言ってみた。だけど誰も笑わなかった。ボクには笑いの才能はなかった。
そうこうしている間にあっという間に5日が過ぎた。
残り二日、僕はまだ才能を見つけきれない。
諦めた僕はまた絵を描き始めた。才能がないのはわかっていた。でも描きたかった。絵を描くのは楽しかった。結局僕は残りの2日を絵に費やした。そして完成した。
絵はまあまあだった。上手いといえば上手いが、そこそこだった。だけど僕は満足だった。2日もかけて絵を完成させたことがとても嬉しかった。
20年経った。
まだ、僕はすごい人にはなれていない。
画家として、生活はできているがまぁそこそこだ。来週は凄い人になるかもしれない。だから今日も絵を描いている。
100年経った、僕はもういない。
振り返ると、結局凄い人にはなれなかった。
だけど、満足だった。たくさんの友人、家族に見守られながら死ぬことができた。
最後に過去の自分に会いに行ってみた。
そして彼にこういった。
君は来週凄い人になるよ。
泥水をすすっていた戦争孤児の瞳にわずかに光が灯った。
本当に人生とはいい加減なものである。
終わり