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有明の月

作者: とも猫

あいつと出会ったのは私が幼稚園の時

最初は明るくていいやつだな〜

そんなこと思ってた。

でも話していて分かったのあいつと私

名前の通りほんとなにもかも正反対なの


なんなのあいつほんとイラつく

今日だってあいつが悪いのに…

なんで私がこんな苦しい思いしなきゃ

いけないのほんとバカみたい…




「おはよ〜」

「はよっす」

「ん〜はよ〜」

教室の扉を思いっきり開け駆け込むと

今日も登校したのは私が一番最後みたい

みんな教室で先生が来るまでの間思い思いに過ごす光景が目に映る。

私は教室の後ろの扉から入りクラスメイト達に

挨拶をしながら自分の席に向かい座る

「やばぁ〜ギリセーフ!!死ぬかと思った!!」

と息を整えつつ机に倒れ込むと

後ろからツインテールを揺らしながらピョコっと飛び出してくる影が

「つっき〜… 遅いよぉ〜 みなさびしかったよ〜」

「あ〜美奈 おはよ〜」

「おはよ〜 じゃなーい!!遅い遅すぎるよ!」

「アハハ、ごめんごめん今日はたまたま寝坊しちゃって」

「たまたまぁ〜… 毎日じゃん!もぉ〜美奈友達つっきーくらいしかいないのに!ずっと一人じゃさびしいじゃん!!」

「ごめんてば〜明日気をつけるから〜」

「昨日も言ってた一昨日もてかもうこの一月ずっと言ってるから!そして明日は土曜で休みだからァァァァァァ!!」

美奈がツインテールを振り回しながら私を叩いてくる。

あ〜可愛いな美奈はいかにも女子って感じ私とは大違い。なんで皆それに気づかないのかな?不思議だわ。

と、私が親友の美奈と話してると隣の席からあいつが口出してきた。

「美奈そいつに何言っても無駄だぞ。そいつとは幼稚園から高校までの腐れ縁だけど時間に余裕持ってきたことなんかねぇむしろ遅刻しなかっただけでも奇跡だ。なんてたって月だならな夜にしか行動出来ない哀れなやつだ。」

こいつは、相変わらず一言多い。ほんと余計なことばかり言う。

「あれぇ〜太陽くんおはよ!いつのまに来たの?」

「いつの間にって… 最初からいたよてかむしろ一番最初に来てたわ!」

「へー」

「美奈このおじいちゃんはほんと朝だけは強いのよ朝だけは」

「おい!誰がおじいちゃんだ?誰が?」

「あんたしかいないでしょおじいちゃん」

突っかかってきた太陽に冷たい目を浴びせてあげた。

「おいおい。俺のどこがおじいちゃんなんだよ?」

「朝4時に起きて夜は9時前に寝るとかおじいちゃん以外いないわよ!」

「何言ってやがる普通だろ?睡眠時間はちゃんと7時間はとれって言われるだろ!」

「9時に寝れるのがおかしいわ!」

「寝れるだろ普通!お前の方がおかしいわ!夜中の12時にLINE送ってきて次の日に返したらなんで寝てるのって普通寝てる時間だわ非常識すぎんだろボケ!!」

「おじいちゃんなんだからボケてるのはあんたでしょボケじじい!!」

「ほんと可愛くねぇなお前!!ガキの頃からほんとお前とは考え方合わねぇわ〜ありえね」

「ありえないのはうちの方だからマジなんなんねあんたはなんかあるたびに突っかかってきて!!美奈うちおかしーないよな?12時とか普通に起きてるやんな?」

「当たり前だよ〜つっき〜が正しいよ〜もうむしろつっきーが正義!太陽君謝って!!」

「なんで俺!?てか、ずりぃ2対1とかお前ずるいぞ月那!?」

「なんのこと?」

慌てる太陽に私は平然ととぼけてみせた。

「うわ〜まじ可愛くねぇ!幼稚園の頃とかはいつも俺の後ろ太陽くん太陽くん言うてついてまわったくせにこれだから女は信用できねーんだよ」

「そんな子どもの時の事いつまで言ってんのよ!」

3人で騒いでるとチャイムがなると同時にドアを開けて先生が入ってきた。

「おーいお前ら〜ホームルーム始めんぞぉ席につけ〜」

さっきまで教室のあちこちにいたクラスメイト達ははーいとか適当に返事しながら自分の席に戻り始めた。

そして朝のホームルームが始まる

(はぁ、またいつもと同じ繰り返しだ。てかもう帰って寝たい。)

そんなことを心の中で思いながら隣の席に座ってる幼馴染の姿を見た。

今更だけどこのバカと知り合ってもうなんだかんだ10年以上になるんだな。

私は4歳の時まで大阪の方に住んでた。けど、父親の仕事の都合で東京に引っ越してきてこのバカと出会った。

引っ越したばかりの頃は言葉がさ関西独特のあれ?ほらなんだっけ?方言?ってのあれのせいでさなんか周りの子と上手く話せなくてさ。そんで一人でいること多かったんだけどさ。この男いきなりさ話しかけてきたと思ったらさお前話し方面白いなとかマジなんだよこいつとか思ったわ。

まぁほかに話してくれる人おらんかったからさ

仕方なく話してあげたけどほらもしかしたらそっから友達どんどん増えるかもとか考えてたわけで。

んで話してみたらホントこいつとは全て真逆なんだわ

まず名前な太陽と月から始まり私は外で遊ぶの好きなのにこいつは部屋の中で本ばかり読んでやがる。私は甘いのが好きで薄味がいいのにこいつは辛いのが好きでなんでもかんでも味を濃くすればいいと思う本物の味覚バカ!もう仕方ないからこいつが好きな本の話でもしてあげようって思ってさ苦手だけど頑張って本読んだんよそれでようやく面白いなって思った漫画のバトル物のそしたらそんな野蛮なの見ないとか見るならやっぱりあまい甘い恋愛小説だろとか!甘いの好きなら食べ物も甘いの食べろ!そして恋愛小説とか他人のしかも作り物の恋愛小説とか読んで何が楽しいの?ほんとバカみたい

でもなんかそんな感じなんやけど小学校も中学校も挙句に高校まで同じとなにこれ?

でも、偶然でもさ私は嬉しかったりする。

なんもかんもあわないやつだけど私はこいつが好きだから

あ、もちろん最初から好きだったわけじゃないよ?

むしろ嫌いやったし笑

まぁさっきも言うたけど大阪から来たからさ

どうしても言葉がさおかしいとかでからかわれてたんだよね今はそんなことないけど小学生の頃ってさそういうのあんじゃん?

まぁ私も例外にはならず結構からかわれたりいじめ?それに近いことされてた訳よ

まぁやられっぱなしってのは、しょうに合わないからさ

仕返ししたりしてたんだけどさ!

でもさある時さ小学校の時さクラスの男子数人に

囲まれてさお前調子乗ってんなよ?みたいな

後ろから3人くらいに掴まれて動けなくされて

あ〜これ殴られるなってとこで

あのバカが乱入

お前らなにしてんだ!!って

んでさこいつのこと虐めていいの俺だけとか

わけわかんないこと言ってさ

その虐めてた男子の一人に殴りかかってんの

そしたらさ綺麗にかわされてたわ笑

んで後はもうぼこぼこにやられてたね笑笑

情けなかった笑

一瞬カッコイイって思ったの返せって感じな

まぁでもその乱入のおかげでさ私捕まえてた

奴らの注意がそっちにそれて私抜け出せたんだけど

まぁその後はあれだよね自己規制というか

まぁあれです控えめに言えば

全員ぼこぼこにして2度と逆らえないようにしてやりましたね。はい。

まぁその後なんだけどさ

あのバカ太陽さ私に言ってきたんだわ

危ないとこだったな俺に感謝しろって笑笑

どっちかって言うと助けたの私じゃねってくらいぼこぼこにされた顔で笑

でもまぁ実際助かったしその時は素直に感謝してやった!

まぁその辺からかな地味に意識しちゃって

どんどん好きになってみたいな

でも素直になれなくてまぁあいつもあんな感じで

私のことすぐ余計なこと言うし

中学の頃とかはもう付き合えよとか夫婦みたいな

こと言われてたけどさ

なんかぜんぜんそんな雰囲気とかお互いの間なくて

周りもあ〜あいつらはほんとにもう親友とか

悪友なんだなくらいに映って次第に言われなくなって

余計になんか言いづらいみたいな

中3の時とかもう毎日の様に泣いてたわ

太陽なんか頭いいし絶対都内でも有数の進学校行くと思ってたし対して私はまぁお察し下さい…

まぁ近場の高校にギリギリ合格

これで太陽とも離れ離れかぁ〜まぁ月と太陽が一緒にいるって変だもんね〜

夜と朝違う世界に住むのが普通だよね

とか変な理由で自分納得させて

んで卒業式めっちゃ泣いた

これで太陽とお別れなんだとか急に

思い出してきたらマジで泣いた!

友達とかはそんな卒業したくないんだとかうちらとお別れするの悲しいんだなとか言って勝手に勘違いしてたけどさ

違うっつーのでもその時はそれどころじゃないよ

ほんともうそれどころじゃない…

んで卒業式のあとさ太陽が後輩の女の子に囲まれて第二ボタンとかあげてるの遠くから見てたらまた大泣き

そしたらさあいつ気づいてこっちに走ってくるの

なにかなーって思ったら

あいつ第一声がお前相変わらずブサイクな泣き顔だなって

とりあえず顔面にパンチしてやったよ!

うずくまりながらなんか言ってたけど

それどころじゃないよ!近くに来て話したら余計さ悲しくて苦しかった!

そしたらあいつそんなあいつらと別れるの悲しいなら同じ高校行けばよかったじゃんとか言うしさ

あたしが勉強苦手なの知ってるだろ!

もうほんとデリカシーなくてイライラしてたら

まぁ俺は同じ高校だから高校でもよろしくなークラスはどうなるかわかんねぇけどって笑いながら言うから

ほんとキョトンとしちゃうよね

ついきいちゃったもん。

なんであんな頭悪い高校行くの?って


そしたらあいつ笑いながら家から

一番近いから

ってかお前これから自分が行く高校

馬鹿な高校って自分が馬鹿な自覚あったんだな

偉いじゃんって

一瞬期待した自分が恥ずかしかったけど

とりあえず今度は腹に蹴り入れといたよね


まぁそんな感じで私と太陽の関係は変わらず

なんの進展もないまま今に至ると


そんな事考えてたらいつの間にか

ホームルーム終わってるし

てか

あれ?クラスに誰もいない?

「おい!」

いきなり声掛けられてびくっとして振り返ると太陽がいた。

「なんかボケーっとしてるとおもったらお前なにしてんの?」

「え?」

「次体育だろ?んで女子体育館な。もうみんな移動してるけど?何休むの?」

「あ、やばっ!!」

私は慌てて体操服を持って体育館に行こうとする。そして気づく

「あれ?わざわざ気づいて戻ってきてくれたの?」

「ちげぇよ!忘れ物ほらこれ?」

「あ〜ね」

ちょっとガッカリ…

「てかほら間に合わねぇし行くぞ」

「え?あ、うん」

太陽と二人きりで行ける!ラッキー!!

「なに考えてたの?」

「なんも考えてないわよ!」

「なんで怒ってんの!?」

太陽のこと考えてた時にいきなり

質問されて慌てて否定してしまった。

ほんと私って可愛くない。

「怒ってないし…」

「ほんとかよ〜 まぁいいやはよ行くぞ〜」

そう言って太陽は笑って私に向かって手を差し出して体育館にあるっていく。

体育館につくとじゃあ俺あっちだからって

言って太陽がほかの男子のとこに走っていく。

太陽の姿が見えなくなるまで体育館の入口で立ってると後から

「つっきー?なにしてるの〜?」

「あ、美奈!!なんでもないよ!」

「そうなの?てか、早く着替えないと始まっちゃうよ〜!!」

「あ、うん!そーだね着替えてくる!」



放課後になり

全ての授業が終わったことを告げる

チャイムがなる。

そのチャイムの音を聞いて

クラスメイト達は教室から出ていく。


「つっき〜一緒に帰ろ〜」

「ごめん!今日実は補習があって…」

「え〜!!じゃあ待ってる!」

「いや悪いからいいよ!いつ終わるから分かんないし…」

「一人で帰るのやだァァァァ」

「ごめんごめん!でもやっぱり悪いから明日一緒に帰ろ!」

「んーつっきー… もう分かったよ…今日は一人で帰る… あと明日は休みだから!学校来ちゃダメだよつっきー?」

「ごめんねー!分かった!じゃあ月曜に一緒に帰ろ!」

「うんわかった!また来週ねつっきー!じゃーね」

寂しそうな顔で涙を浮かばせる美奈を見てほんとに可愛いなって思いながらとぼとぼ帰る美奈を見送ると

「さて、私もさっさと課題終わらせて帰りますか」



課題が終わって帰る頃にはもう外が暗くなっていた。

やだなぁこんな暗い中帰るのとか思いながら職員室を出て廊下を歩いていると

まだ明かりのついてる部屋がある

確かあそこは文芸部の部室だったな〜

太陽まだいるんかな?もしかしたら帰り一緒に帰れるかもな〜とか考えてたその部室の前を通った時に中にいる人の会話が聞こえてきた。

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