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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

無邪気な殺人衝動

作者: Raja&Y

仲田裕也、それが僕の名前。

年齢は今年で十七歳となる。

性別は男で、性欲盛んな普通の思春期を送っているんだけど、僕は人より少し飛びぬけている事があるんだよね。

飽くまで自分の周りと比べてだから世界の中には僕以上の人が居るかも知れ無いけど、――僕はね、人より数倍知識欲が盛んなんだ。


それはもう思春期の性欲を越えるぐらいにね。


それだけ言われてもパッとしないと思う。そうだね例を言えば……、花があったとしようか。そう普通の道路の隅とかに生えている一輪の花だ。

只の人から見れば……、ああこれは友人と比較してなんだけど――そう、只の一般的な人から見ればそれは一瞬視界に入った背景でしか無いのだけど、僕からすれば、既存で知識が無かった場合に限りそれは最高級の宝石以上の物となるんだ。

どうして? って思う人や先ほどの既存で知識が無かった場合という言葉で察する人が居ると思うんだけど、どうしてかと言われれば知識の塊だからなんだ

花の生態、形、構造、細胞、花粉の出来方や繁殖の仕方。そして、何かに対しどういう反応を示すかまで。

僕はあらゆる角度からその花を見て、それを知識にする事で欲求を満たすんだ。


と言っても花は例で合って別段と花が好きと言うわけでは無いんだけど、それでも自分の知らない花で合ったら何でも僕は調べるし、花で無くとも鳥や猫などの生き物から、無機質の石まで。僕の視界に入る分からないは全部どんな方法を使ってでも調べ上げる。


これが僕の性格。

友人からは狂ってるとか、可笑しいとかよく言われるけど、僕はそんな事はどうだって良いんだ。

言われたからってこの欲求を止めれるわけでも無いし、僕もこれがコンプレックスと言うわけでも無いしね。


両親からは別段とこの事で非難されてはいないし、逆に感謝される事の方が多い。

知識って合ったら合っただけ便利だしね。


まぁ、そんな僕なんだけど、ある日ふっと思ったんだよね。

『人間を調べて見たい』って。


いや、まぁ昔に調べた事は在るんだけど、それは本に書いてある体の構造とか医術書に書いてある人間に対しての極少数の薬の効力だけなんだ。

でもね、僕ももう十七歳になるし、前は調べて理解できなかった部分も今は理解できるかもしれないし。

そうなったらまたその分の知識が大幅に広がって僕の欲求も満たされると思うんだ。


だからね、まずは一番身近な人間である自分の事から調べ始めたんだ。

それはもう体の隅々まで全てだよ?

皮膚を少しだけ切って細胞を見て見たり、血を取ってその内容を見て見たり。あとは内臓の動きや脳の動きとか全部。


ただ一番辛かったのは左目の眼球を一個くりぬいたことかな。


昔読んだ本に人によってその色彩は異なるって書いて合ったからさ、見て見たんだ自分の色彩を事細かく。

だって自分自身の事を知りたいんだから、別に完全に失明するわけでも無いし、しかも眼球の奥の方まで調べられるようになるんだから、一石二鳥だよね。

でもまぁ流石に両目失うわけにもいかないから右目は断念したけど、今でも左目は新鮮のまま取って在るよ。経過の過程も見て見たいしね。


そして体を包帯だらけにして、極力生きるのに差し支えない程度に自分調べ結果、今まで味わった事の無い知識が見たされる快感がもう堪らなかったんだ。

で、もう一つ思い浮かんだ事があるんだけど、『人が一番世の中で、……僕の知る中で不思議』だと言うことなんだ。


もうね、それだけで僕は勝手に解釈したね、今まで培った知識は人間を知るために在るんだって事をね。


そこからはもう知識の塊にしか見えなくなったよ、他人は。

友人も、家族も、好意を抱いていた人も、教師も道端を歩く人も、コンビニの店員とかも全員ね。

そうなったら僕は思うがままに調べ尽くしたいと、思ってしまう事は分かりきっている事なんだ。

だから調べたよ、語弊なく全部ね。


まず初めに調べたのは一番身近に居た両親からだったよ。


やった事は家での行動分析に会話内容の記録、情事に関しての事や仕事での成績や待遇とか。最後の中身チェックはそれはもう凄い知識量だった。

年齢が違うだけであれだけ違いが出るなんて、本当に人は不思議だね。


まぁ、当然のごとく両親は僕の手によって殺されたものなんだから警察は僕を追い回すだろうねぇ。

だけどそれも知識の一つに値するものなんだ。

どれだけ警察ができるか、とか。色々な場所で隠れて何時までに見つかるとかも、全部知りたいからね。

ただ僕の培った知識を全力で注がせてもらうからね、多分早々に見つからないんじゃないかな。



もちろん逃げている間も人を調べるのをやめないよ? 唯一の生きがいを見つけられたんだから。

両親の次にやったのは一番の親友だった人の本人を含め家族だったね。

彼の怒った時の行動に恐怖に溺れた時の感想や行動、体の震え方も全部調べて記録したよ。その家族全員分もきっちりね。

いやぁ、本当にすごい。同年代で同じ体型だったとしても、細かい骨の形も全部違うんだからさ、これは本当に知識に飢える事は無い。


それからの数年は本当に極楽のような毎日だった。

ある条件の他人に会えばすかさず捕まえて自分の使っている住処で調べ上げるのを続けていたからね、本当に有意義で快楽に溺れる毎日だったね。


でもね、いい加減人も飽きてきたし、また別の事を調べようとしても思いつかないんだよね。

だってさ、今までの知識の中で今自分に出来る範囲での調べれることは全部してしまったんだから。

人間を調べる事はやめないけど、次に面白い物を探せるまでだろうね。


そう思い初めた頃に僕は警察に捕まったんだ。

別にやることもなくなったし、普通に抵抗無く警察の言いなりになって、自分の罪を聞いたら凄かったよ、五年間掛けて殺した人数は約三千人だったんだ。

僕の頭の中には三千人分の知識が入っている事になるんだ。凄いよ。本当に凄い。


僕はそれを聞いて満足したね、ああもういいかって。十分楽しませてもらったなって。

後は死刑を待つだけの身になって、牢屋の中で生活する他人と自分を調べて、そして僕は死刑を行われて死んだ。


それが最後だったんだ。

僕の最後。後悔なんてしていないし、別に罪悪感もないよ? だってそうでしょ? 僕は結局ただ知識欲が人より数倍あるだけの人間なんだからさ。罪悪感もまた知識だってことだよ。


「……、ふふ、あはは、あ~あぁ。面白いなぁ。だってそうでしょ? 僕はね、死んだ事になってるんだから」


死んだ、うん死んだよ。ただ、死んだのは仲田裕也って言う名前の、『仲田翔太』、僕の双子の弟なんだからさぁ? 

警察の誤認逮捕。うん、そうだね、誤認逮捕だ。

え? 僕に弟が居るって何時言ったかって? でも居ないとも言っていないでしょ?

うん、僕は『仲田裕也』であり『仲田翔太』なんだよ。

わけがわからない、って方に簡単に説明すると、僕と翔太は双子で顔の特徴も骨格も考えも声色も指紋も全部が全部同じの双子なんだ。

ありえないって? ……ふふ、面白い事を言うね、ありえないってことがありえないんだよ。全ての現象にね、100%と0%は無いんだよ。


だって実際僕の代わりに翔太が捕まってありもしない……、ううん、翔太も僕の手伝いをしていたけど、でも翔太が捕まって過剰な罪を着せられて死んだんだからさ。


でもさ、翔太はありもしない罪による死刑で死ぬ前にこういったんだよ「僕は死んで無い」って。


面白いよねぇ? だってさぁ。


「僕の知識欲が殺人快楽になってることに気付いてたんだからさぁ?」


僕は一度も言った事の無いんだけど、翔太は気付いていたんだよね。まぁ、翔太と僕の考えが同じだから翔太も殺人快楽者になってて、それで気付いたのかもしれないけどさ。


まぁ、翔太がくれたこんな機会をみすみす見逃すわけないしね。これからは『仲田翔太』として人を調べさせて貰うことにするよ。


え? さっきはもう調べられる事は調べたって? それに人が飽きたって言ったって? うう~ん、意味が伝わって無いかぁ。それじゃもう一回、次は分かりやすく言うね。


「いい加減、周りの人も飽きてきたし、次はいろいろな場所を周って調べるよ」


うんうん、ただの説明不足だし、ただの付けたしだねぇ。でもねぇ、僕が人を調べる事を止めない事を察してたでしょぉ?


*****************


うんうん、今はね、ある一人暮らしの女性が居る一軒家に来てるんだけど。


「いやああああ!」

「あははは、あは、あはははっ! いい、いいねぇ!!」


うんうん、その悲鳴もいいね。良い、素晴らしいね。本当に僕の知識に無い悲鳴だねぇ、いい素晴らしい。

うんうん、この肌を切る音も始めて聞く音だねぇ、この肌を抉る音も初めて響く音だねぇ。

うんうん、この感触も初めて感じるものだねぇ、この刺激するような光景も初めて見る光景だねぇ。


うんうん、これだから人を調べるのはやめられないんだ。


「ああ、持って帰らないとねぇ。だって調べるんだから」


あ~あ、いい。本当にいい。こんな極楽な世の中に産まれて実に良い人生だねぇ。

でもねぇ、最近悩みが在るんだ。


「独り言がねぇ、治らなくなったんだよねぇ」


******************


ああ、あの持って帰った女性は僕の食料になったよ、ちゃんと調べてからね。うんうん、やっぱり中身は一人一人十人十色なんだねぇ。うんうんこれだから人を調べるのは止められない。

あれ、これさっきも言ったっけ。ああ、うんうん、でもいいか、うんうん。


え? 人を食べるのに抵抗が無いって? 昔はねぇ、あったけどさ。食べないと生きて行けないし。だって、僕さ。日本中で知られてる殺人鬼なんだからさぁ、お店なんかに入ったらすぐにばれるんだよねぇ、あは。


そんなことより、次はねぇ、……ああ、次はここにしよう。

次は夜の病院にするよ。

うん、ここは日本の中でも大手の病院だねぇ。


「だからさぁ、ちょぉおおっと普通の病院じゃ聞けない噂が在るんだよねぇ、あはっ」


うんうん、だってさぁ、こんなに新鮮で健全な内臓が普通の病院に在るわけないんだよねぇ、うんうん。

これをどこかに売ってるんだろうねぇ、うんうん。内臓は高いからねぇ、美味しいし。


いやぁ、うんうん。これも良い知識だ。この内臓の形にこれを売る場所とかルートとかもねぇ、本当に良い、良いぃいい知識だねぇ、うんうん。


「うんうん、貴方が院長? うんうん、典型的な肥満体型だねぇ。油のとりすぎじゃ無いかなぁ、かなぁ? お医者様がそれじゃぁ患者は安心できないねぇ、だよねぇ?」

「な、おまえ、何処から入ってきて」


その焦り方もいい知識だねぇ。うんうん、記録させて頂きますよぉ、あはっ。


う~ん……、でも台詞は何回も聞き飽きてるんだよねぇ。減点だねぇ。でもまぁ、声色はうん、初めて聞くのだねぇ。当たり前だけどねぇ、あは。


「うんうん、何処からって言われてもふつぅううに入らして貰ったよね。ふふ、あ~、時間勿体無いからさぁ、さくっってやらしてねぇ? 大丈夫。痛みは15時間だけ感じるからぁぁさぁあはははは」


うんうん、どうでもいいけど僕は眠たいからあまり声がでてないんだよね。


「ゲフッ!? 痛い、痛い、痛い、止めてくれ、頼む、お願いだ、止めてくれ」

「何てぇ? 聞こえなぁい、あはっ」


唯ナイフを出しただけで排尿しながら腰を抜かして僕から遠ざかるんだよねぇ、面白いねぇ、滑稽だねぇ、たのしいぃねぇえぇ。

ザシュっって音がひびくんだよねぇ、院長室の近くにある、いっっつも鍵が掛けてある個室だからさぁ。本当、面白いよ。うんうん、この響き方も初めてだねぇ、記録しとかないとねぇ。


「あ~あ、……。う~ん、ちょぉおっとだけ、遊んで行こうかなぁ」


綺麗な内臓達を持って僕は個室を出たんだ。


********************


「今日未明、――病院の院長、岩本正志42歳が遺体で発見されました。死因は刃渡り15cmの刃物で体の至る所を刺され、出血を止めずそのまま長時間放置された事によっての出血多量で在ることが発表されており、犯人は未だ捕まって居ません。

警察は今回の事件での犯人は連続殺人犯『仲田翔太』とし、今後も調査を進めるとの事――」


いつもどおりのニュースだねぇ、面白くも無い。


でもねぇ、夜にならないと出歩けないんだよねぇ。うんうん、顔がばれちゃってるからねぇ。

え?顔を変え無いのかって?何処かの漫画みたいに全部が全部変えれるわけないでしょ?絶対に特徴が残るから同じなんだよねぇ、うんうん。


じゃぁ、やることないからちょっと寝ようかなぁ。お休みだねぇ。









「続いてのニュース。アイドル、川城咲ちゃん奇跡の復帰――。癌の発見で病院へ入院していた川城咲ちゃんですが、今日の定期検査で癌が無くなっている事が判明しました。専門家の意見では癌の後も見られない、綺麗で健康的な内臓と発言、又今までの検査の結果は担当医の検査ミスと判断し、――……。川城咲ちゃんからのコメントです「皆さんにご心配を掛けました。――突然治ったと報告されたのはびっくりしました。でもこれでまた皆様に会える事が出来ます。これからも宜しくお願いします」




*********************



「げほ、ごほっ」


うんうん……、そろそろ僕も限界みたいだねぇ。

あ~あ、楽しかったな、人生って。

何が合ったのかって? うんうん、感染症にかかったんだよね。

そりゃ人間とか川の水とか野草とかしか食べなかったしねぇ。掃除とかも何もせずに個室にこもってたらねぇ。

うんうん、今までこうなってなかった事がふしぎだったんだよねぇ。まぁ、でももう僕も満足かなぁ。


う~ん、……、そうだねぇ。後は警察に僕の身柄と今までの記録を渡すことかなぁ?


「げほっ、げほ」


…………、それまで絶対にもってよ?僕の体。


――――――。


「うんうん、僕が仲田翔太だねぇ。どうも警察さん、自主しに来ましたんだよねぇ。あぁ、あとこれがその証拠なんだよねぇ、うんうんっ…… !、僕、もうそろそろ終り、らしいねぇ。じゃあぁねぇ、――げほっごほ、ごほっ」


そうして僕、仲田裕也及び仲田翔太の人生が終ったんだ。うんうん、ふふ楽しかったよ、人生。





「今やっている番組を中断してお伝えします。世間を数年にも渡り恐怖に陥れた連続殺人犯、仲田翔太容疑者の死体が発見されました。場所は――市の――派出所前で、驚くことに仲田翔太容疑者の自首によって派出所の前に現れ、一つのメモリーカードを警察に見せてからそのまま咳き込み倒れたとの事――……、死因は一種の感染症と専門は断定いたしました。仲田翔太容疑者が警察に渡したメモリーの中身は今まで記録した実験の数々の資料、殺害した人物達の資料が入っており、中には真偽が疑わしいものがあり、警察はその調査も今後行う事を発表しました」

どうもRaja&Yでございます。

今回、この小説に目を通して頂、ありがとうございます。

まだまだ、この文章では表現しきれていない場所も多々ございますがこれからも精進していこうと思っております。


 さて、本物語の主人公である仲田裕也の由来についてですが、この仲田裕也の裕也は私Raja&YのYの部分からとっており、私自身の本名から取って付けさせて頂きました。

理由はというと少し単純なもので、私の性格の一部を模範にこの仲田裕也を書いたから、というもの。その他の理由とすれば私の願望も少し織り交ぜているからと言うものもあります。

 後半で「~だねぇ」という口調にさせたのは、あまり理由がなく、「こうすれば少しは狂ってるように見える」という事だけを考えて口調を変えさせて頂きました。

 

 さて、ここまで読んでくださる方々はかなりのごく少数だと思いますが改めて、本文章に目を通していただきありがとうございます。

 これからも私、Raja&Yが書く未熟な小説に目を通していただければと思います。

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― 新着の感想 ―
[良い点] とにかくアイディアが素晴らしいです。 ぞくっとするような美しさを感じました。 また、3ページ目で終わっていたら全く違う作品になっていたと思います。 4ページ以降が蛇足と感じる方もいるかも…
[一言] 一見猟奇的。されど、探究の興奮に生涯を尽くそうとすると、さもありなん。人間の根底にある欲求を見事に穿いていてお見事様でございました。 まったく救いのない話かと思いきや、悪を懲らしめたり、遊…
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