2/4
sea of trees ~樹海~
――――――――俺の目を覚ましたのは、生い茂る木々の間から広がる木漏れ日だった。
「ん……ここは……?」
たしか……変な男に銃を突きつけられて……撃たれて……
「……で……ここどこ?」
まるっきり手詰まりだ。
「ここは全部のネットワークを束ねる超巨大電子式汎用計算機。通称「ゼウス」の中だ」
その声に驚き、顔を上げると、
「……!!」
「よぅ」
ひときわ大きい木の、その中で一番大きい枝に、俺の命を奪ったあの男が座っていた。
「てめ……!!!!!」
そこから先は言えなかった。
そいつの後ろには、その枝に匹敵するかのような、馬鹿でかい固定型ライフルが設置してあったのだから。
「ひぃっ!!」
慌てて後ずさる俺。
「あぁ?……あぁ、これか。安心しろ。こいつは対ヒト型データ用じゃねえから」
あっけらかんと言う男。
……というか。
「ヒト型データ用?」
「まぁ、その話は長くなるから後だ。まずは……」
男はそこで言葉を切り、右手を差し出してきた。
「三鷹 総治郎だ。よろしく、皇 九亜」
「……」
いろいろな疑問が頭を駆けめぐったものの、俺はとりあえず、その手をとった。