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start:始まり
「一回死んでくれ」
鈍く金色に光る銃をこめかみに突きつけられながら、
俺こと皇 九亜はその言葉を聞いた。
「・・・何故だ」
人間というものは、急な事態には冷静になる生き物らしい。
「おまえは、神に選ばれたんだ。」
なんだこいつ。頭が沸いてるのか。
「とりあえず、時間がないんだよ。ぱっぱと終わらすぞ。」
カチャ・・・
男が銃を構え直す音が、俺の外耳を通り、鼓膜をふるわせる。
そして――
ダァン!!
――――――倒れる俺の耳に残ったのは、
火薬がはじける音でもなく、
薬莢が地面に落ちる音でもなく、
弾丸が俺の頭をぶち抜く音でもなく―――
『ようこそ』
という、奴の歓迎の言葉だった―――――――――