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第1話:見知らぬ女性でこんにちは

―春。

俺、神凪 翔は高校生になって二度目の穏やかな日差しを浴びて、未だに重い瞼をうっすらと開ける。

カーテンの隙間から差し込む日差しが心地よく朝を報せてくれている。

「…ぅん…」

やはりまだ寝足りないのだろうか?

頭が妙に重い。

それでもなんとか鈍った頭を奮い立たせて、壁にかけられた時計を見上げる。


―6時30分。


時計の針はいつもと変わらず、起床時間を指している。

正直寝る前までは、新学期早々に寝坊して遅刻という事も脳裏を霞めていたのだが。

どうやらそれは杞憂に済みそうだ。

布団の中から体を引っ張り出したものの、少しの間うたた寝。

数分後、まだ収まらない眠気と格闘しつつも、光を遮るカーテンを隅へと追いやる。


「まぶしぃ…」


降り注ぐ朝の光に、思わず顰め面で呟く。

心なしか声色が変だ。

先程から感じる頭の重さとこの声色。

『風邪でもひいたかな…?』

そんな事を考えながら、次は窓を開け放つ。

その瞬間。

香る桜。

二階の窓から見下ろした、目の前にある公園に立つ木々達が、その裸体をピンク色の衣で彩り、街を染めあげている。

しかし心地良かったのは一瞬だった。

感じる妙な視線。その視線を辿った先にいたのは、近所の奥様方。

その視線に居心地の悪さを感じた俺は、愛想笑いなんてものを振り撒いてみる。

すると、即座に始まる井戸端会議。

両親があまり家に居らず、近所付き合いというものが欠落している家庭の愚息とは言え、あの対応はあんまりだと心の中で悪態をつく。

しかし三つ違いの妹であったならあの態度は十中八九ないだろう。

妹―神凪(かんなぎ) 藍璃(あいり)のように腹黒さを包み隠して愛想を振り撒ける程人付き合いが得意ではない俺には、奥様方の笑顔を引き出すのは到底不可能な芸当だ。


「ぁ…そうだ…」


朝から体の体調も悪く、気分まで悪くなってしまったが…。

せめて気分だけでも切り替えようと、つけっ放しだったパソコンの画面に目をやる。

そこには“インストールが終了しました”の文字。

どうやら無事に終えたようだ。

終了のボタンをクイックし、パソコン本体の電源も切ろうとした瞬間。


「お兄ちゃん〜?いい加減起きないと遅刻しちゃうよ〜」


無遠慮な藍璃のノック。

その音に慌てて電源を落とし、時計を見上げる。

時刻を確認して、一気に目が覚めた。

あろうことか時刻は7時を回っているではないか。

高校に遅刻しないで到着するには、ここから徒歩10分程度の所にある駅の7時15分の電車に乗らないと間に合わない…っ!


「お兄ちゃん?」

「ちょ、ちょっと待って…!!」


藍璃に生返事を返すと、慌ててかけてあった制服に手に取り着替えに掛かる。

完全に眠気は吹き飛んでいる。

しかし…そこで幾つかの疑問点が浮上する。


1.パジャマのボタンを外そうと手を掛けたのはいいが、視線の先…つまりは胸なのだが。なぜか妙な膨らみが二つある。

2.視線を…つまりは重い頭を無理やり動かした事により、本来短髪であったはずの髪が、なぜか流れるように視線に入った。

3.心なしか、体全体が丸みを帯びており、いつも以上に華奢になっている。


「………」

突然の有り得ない変貌に動きが止まる。


「お兄ちゃん?なんか声が変じゃな―…」


そして異変に気づいた藍璃が、ドアノブを回し、部屋のドアを開け放ち…静止する。

視線の先には、間違いなく俺がいるのであろう。

俺は頭だけ右向け右をして、視線を藍璃から部屋の壁に立て掛けてある鏡に移す。

そこにいるのは…やはりというか見知らぬ女性。

試しに手を振ってみる。

するとやはり鏡に映る女性は、その美しい容姿とは不釣合いな笑みを浮かべ、手を振り返してくれた。

……俺とまったく同じ動作で。


「えっと……」


緯線を固まって動かない藍璃に戻す。

すると藍璃は冷静を装いつつ、俺を指差す。

釣られて俺も自分を指差す。

そして―



「「―……誰?」」



俺は藍璃に。

藍璃は俺へ。

まるで示し合わせたかのような、これほどまでにシンクロした事はないぐらいに声を合わせて疑問を投げ掛けたのだった…。

さて、一度書いた文章を全部消去して二度目の第1話を書き上げましたorz

本来なら、第二話目を手掛けてていよいよドタバタシーンをかけるはずだったのに…orz

頑張るので、見捨てないで下さると助かります(苦笑)

少しでも面白いと感じて下さったなら、感想を書いて下さると狂喜乱舞しますので、もし宜しければお願いします。

それでは第二話目、後書きで会いましょう。

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