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撫子は強く咲く〜美少女サッカー育成ゲームにTS転生した俺、最弱高校で最強を目指す〜  作者: 風野唄


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004話 倫理観との勝負

誤字脱字や文章の下手さについてはご了承下さい。

面白いと思っていただけたら評価やコメントお待ちしております!

「どれどれ、今日の時間割りはどんな感じかなー。おっ、体育あるじゃん。しかも、サッカー」


 入学2日目にしていきなりサッカーをさせられるのか。

レクリエーションとか他にやることはありそうだけど、そこはゲームの世界のご都合展開と思っておくことにした。

遅かれ早かれ、自分のステータスを体感する機会は作ろうと思っていたので有難い。


「ラッキー、ついでに座席表もあるじゃんか」


 今日の俺は運が良いらしい。

掲示板の中には座席表も残されていた。

どこに座れば良いのか分からなかったので、これは助かる。

ついでにクラスメイトの名前も覚えておけば一石二鳥だ。


 俺の席はどこだろうか。

名前の羅列された紙を指で辿りながら自分の名前を探す。

五十音順ではなく、ランダムに席が配置されているみたいで、少し探すのを手間取る。

やっと自分の名前を見つけると、隣の席が杏だったということに気付いた。

瞬間、額からダラダラと汗が湧き出る。


 隣の席の子の名前を忘れて、恐らく全体でしたであろう自己紹介をもう1度やらせるなんてめっちゃ失礼では?

貴方に興味なかったんですよと言っているようなものだ。

やってしまった事は仕方ないので、さっきの一連のやり取りは触れない方向で今後の関係を構築していこう。

うんうん、そうしようそうしようと頷きながら勝手に1人で解決する。


 後ろの左角が俺の席だった。

主人公席とも呼ばれるくらい優遇されている箇所が自分の席だと思うと、中身はおっさんなのに嬉しさが込み上げる。

荷物を置いて、とりあえず教科書などを机に入れ込むが、作業自体はそこまで時間が掛からない。

担任が来るまでの間、少し暇だ。


「時間割りは確認出来ましたか? 春陽(はるひ)さん」

「ありがとうねー! ちゃんと確認して来たよ」

「こちらこそ先程はありがとうございました。余計なお節介だったかなと心配だったんですけど、気さくに話し掛けてもらえて嬉しかったです」


 意外にも(あん)の方から話し掛けて来た。

わざわざお礼を言ったり、俺の方をしっかり向いて話をしたりする辺りがこの子の真面目さを物語っている。


「そういえば、今日体育があるんだね。しかも、いきなりサッカーって珍しくない?」

「そうですか? サッカーは国民的スポーツですから、レクリエーションの代わりに身体を動かす意味も込めてやる学校も多いと聞いたことがありますけど。特に、女性は日本代表が世界的に強いからサッカーをやっている子も多いですし」

「じゃあさ、杏もサッカー部に入ったりするの?」

「わ、私!? いやいや、私、スポーツは苦手だからサッカーとか無理ですよ」


千切れるのではないかと心配になる程、手と首を振って否定する杏。


「そうなんだ。楽しいと思うけどな」


 どうせなら一緒に入部したいところだけど、本人が興味ないのなら止めておこう。

もしかしたら、入りたい部活があるかもしれないし。


「はいはーい、みんな席に着いてー。ホームルーム始めるよ」


 担任が時間ピッタリに入って来てホームルームが始まった。

入学2日目は説明事項も多い。

まだ眠気の残る朝にこれだけの量の情報を詰め込まれても正直覚えていられるかは心配だ。

でも、配布物とかは忘れずに渡さないと。

学生時代はそれで何度も怒られて来た。


 

 ホームルームが終わると15分の休暇を挟んで、早速1時間目の授業が始まる。

授業内容は現実世界と変わらない。

習ったことがあるかもなと思える高校生の範囲だ。

だからと言って、高校時代も特別頭が良かった訳でもないので、テストで良い点が取れるかと言ったらまた別の話だ。


 チョークが黒板当たる音を懐かしみながら、日差しの暖かさにウトウトと眠りそうになる。

流石に1時間目から寝てしまうのもなと思い耐えはしたが、2時間目は完全に爆睡。

隣の席の杏がトントンと優しく起こしてくれたのは、授業終了10分前くらいだった。


「起きてください、春陽さん。先生が春陽さんを当ててますよ」


 小声で教えてくれているが、先生には俺が寝ていたことはバレバレだ。

厄介者に恥をかかせてやろうという魂胆が見え見えの汚い笑いをしてやがる。

日々の業務でストレス抱えてるのも分かるし、眠ってた俺に非があるのも分かる。


 でも、残念だったな!

いくら頭が良くないとはいえど、中学3年生のおさらいレベルの数学なんて簡単に解けるわ! 舐めんなよ!


「はい、正解です。まぁ、これくらいが解けるからって寝て良い理由にはならないからね」

「すみません、気を付けます」

「はーい、じゃあ、今日はここまで」


 普通に注意された。

授業なんてまともに聞いても意味ないのにな。

結局、大人になって必要なのは学力ではなくて、適応力だ。

それは俺が1番身を持って体感している。


 2時間目が終わると次は待ちに待った体育の時間だ。

試合形式でやるかも分からないが、ボールに触れる絶好の機会ではある。

パラメータがどれくらい身体に反映されているのかは、実際動いてみなければ分からないからな。

放課後は、入部届けを出して見学するつもりなので、その前の肩慣らしとでも思っておこう。


 体操服に着替えないといけないのでリュックを取りに行くと、頭を抱える事態が起こる。


「どうしたんですか? 今朝みたいに動かなくなってますけど? やっぱりどこか体調が悪いんですか?」

「えーーっと、ううん、大丈夫だよ。大丈夫かな?」


 あははと苦笑いをすると、杏は深く言及してこず両手で抱えていた体操服に着替え始めた。


「ちょっ、あっ!」


 目の前に俺がいるのに、何の躊躇いもなく制服を脱ぐ杏。

絶対に見てはいけないと反射的に後ろを振り返る。

しかし、衣擦れの艶かしい音が聞こえてしまい軽いパニック状態。


 頭の中の天使がこの場から立ち去るようにと警告し、悪魔が今は女の子だから大丈夫だと囁く。

そうだ、俺は今女の子。

同級生の着替えを見たからと言って犯罪には問われないはず。

自分の体を見るのとそう大差ないと思う。


「わ、私、と、トイレ行きたかったんだよねー」


 適当な言い訳を付けて、リュックを背負い廊下へと飛び出す。

悪魔に負けそうになったが、自分のを見るのはギリギリセーフとしても他人のはアウトな気がした。

曖昧な線引きであるけど、俺の倫理観が許さない。


 今回は上手く誤魔化せたけど、次回以降はどうすべきか。

毎回体育の度にトイレへ逃げ込んでいたら怪しまれるの待ったなしだ。

せめて、1人で良いから事情を理解して協力してくれる人間がいれば良いんだけど。

それはそれでリスクが高いので、夢のまた夢みたいな話だよな。


「これから先が思いやられるよ、全く」


 とりあえず着替えなくてはいけないので、駆け足でトイレへ直行した。

転生数時間にして、深い溜め息を吐き捨てながら。

ご覧いただきありがとうございました。

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