轢かれて死んで来世は楽しむぞ!と思ったらただの狐だった。 ep.2
『お腹すいたぁぁぁぁあぁぁ~!!!!!!!!!!!!ヘルプミー!!!!!!!!!』
ぼっふ
ピロン
(。´・ω・)ん?
低い音は少し離れたところから聞こえ、通知のような音は頭の中に直接響いた。同時に高い音のほうであろうものが私の目の前あった。いや、正確には表示されていた。
『なに、これ?ヘルプ、ウィンドウ?』
でもそれよりも少し離れたところから聞こえた音のほうが私は気になっっていた。獣?人?そんな疑問を持ちながら私は音のした方へと向かった。そしてしばらく歩くとそこには防寒着をを着込んだ30代くらいの男が倒れていていた。
『呼吸は…ない。心臓も止まってる』
もしかしたら心肺蘇生を行えば助かったかもしれなかったが、私は狐だった。力も何もない、ただの狐にはそんなことすらできなかった。
『何もできず、ごめんなさい。安らかに眠ってください』
元人とは言えどうなのか思いつつも生きるためだと自分に言い聞かせ食料などがないか荷物をあさらせてもらった。本や簡易テント的なものなどいろいろあったが目当てはそれではない食料が欲しいのだ。結果的には干し肉があった。
『干し肉か~、まあるだけ嬉しいしありがたくいただきます。干し肉は量もそこまでないし食べちゃうか』
モグモグ…
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
『ごちそうさまでした。あまり美味しくなかったけど。』
食べながらヘルプウィンドウについて調べたっ結果、ヘルプ+何かを言うもしくは心の中で強く思うことで表示されるということが分かった。
『まあとりあえず気になったこととか調べるか、ヘルプ―――
【ヘルプウィンドウ】
白狐
ノースフォレストに生息していた狐。歴史が進むとともに姿を消し絶滅したとされているが一匹、この世界に現存している。
白い狐以外不明
『ステータス的なものではなくただの説明って感じだね~』
ノースフォレスト
この星の北極圏に位置する森。非常に寒く人類が足を踏み入ることができない領域。
『まじかぁ~北極圏。でもどうしてこんなところに人がいるんだろう』
魔法
自身の魔力を使ってイメージを具現化させること。イメージの正確さ、具現化方法、規模、影響力などによって消費魔力、威力、効果が変化する。魔物は身体強化、治癒などを無意識に行っている。魔法とはイメージによって形が変わるので属性というものは存在しないが人族の中では火、水、土、風、光、闇と6つに分類している。闇属性に分類される魔法を使うと人に化けた悪魔と言われ追放または、処刑される。
『あったよ、魔法!闇属性がいまいちわかんないけど、つまりは魔法はイメージであって属性は人間が勝手に分けただけってことかな?』
魔力
魔法の行使に必要な力。個体によって魔力量や自然魔力回復量は異なる。ほぼすべての生物が魔力を持っており、保有できる魔力量を超えた魔力は周囲に漏れ出る。漏れ出た魔力は、魔物やアンデットなどを発生させる。魔力を大量消費すると精神的、肉体的な疲労を伴う倦怠感に襲われる。ここからさらに魔力を使う場合、最悪命を落とすことがある。
『……魔力大事に…』
魔物
生物から漏れ出た魔力が集まり形作ることで発生する。非常に多くの魔力を持っている。魔物から取れる素材は武具や薬など様々なものに利用される。魔力多く集まっている場所ほど複数または、強力な魔物が発生しやすい。
アンデット
死骸が魔力の器になることでできる魔物の一種。魔物に比べ知能が低い肉体を切断されてもパーツさえあれば元に戻る、一定の攻撃を与えれば器として機能しなくなり死骸に戻る。人族は死んだ者の肉体を火葬することでアンデット化を防いでいる。
『ふむふむ。じゃぁ次は―――――
十メートルほど先に何かが見えた。
グルルルル
『薄黒い狼?』
薄黒い狼と目が合った次の瞬間、私は察した。この狼は私を食べようとしていると。次の瞬間、狼は私に向かって走り―――ださず氷の槍を飛ばしてきた。
『へ?』