第7話、盲学校集結
過酷な1ヶ月間の練習を終え新潟盲学校野球部はいよいよ本戦である北信越野球大会の前日を迎えた
北信越野球大会は 石川 新潟 長野 富山 の4校の盲学校から北信越1番を決める大会だ
大会は4チームによるノックアウト方式 つまりトーナメントを行い2回勝ったチームが北信越1番となる
逆に負けたチームはそこで試合終了 そして夏は終わる
その大事な大事な初戦を決める組み合わせを決めるため前日に野球部全員でバスに乗った
開催校は毎年変わって今年は富山盲学校が開催校となった
新潟と富山はそんなに遠くない高速道路を使えば2時間ぐらいで行ける距離にある
俺はなんだか遠足気分だったが隣に座っている裕也だけが違っていた
そう、裕也は組み合わせのくじ引きを引く大事な役割に抜擢されたのだ
当然くじ引きを引く係は部長の役目だが彼は全盲のためはじめての場所では付き添いがいるためと部長は毎年くじ運の無さに毎年1回戦負けをしているため副部長である裕也が代役で引くことになったのだ
裕也「どうするよ?俺のくじ引きで1回戦敗退になったら」
亮「俺ははじめて1ヶ月だからわかんねぇーけどこの野球部は優勝目指してんだろ?
なら体力のあるうちに1回戦で強いチームに当たったほうが優勝目指せんだろ」
亮「つまりだ!くじ引きとかそんなもんでおれらは変わんねーっよ!」
開きなおる亮 その態度はなにも知らないからいえるのだろうと裕也は心の中でそう叫んだ
バスは目的地である富山盲学校に着いた
そこにはもう長野県 富山県の盲学校がもう到着して準備していた
「新潟盲学校の生徒さんたちですか?ようこそ!富山盲学校へ!
申し遅れましたわたくし富山盲学校野球部の部長をしております渡辺勇斗と申します 何卒よろしくお願いいたします」
渡辺さんは弱視の高校2年生 2年生なのに礼儀正しく案内され前夜祭 組み合わせの会場である体育館に案内される
「あのー石川はまだですか?」
渡辺さん「はい 石川は少し遠いですからね こちらでお待ちいただけますか」
渡辺さん「おっと!もういらしたみたいですね」
渡辺さんがそう言うと
大きなバスが駐車場にお目見えする
停車しバスのドアが開いた瞬間 俺はドキッとする礼儀正しき、なおかつ強そうな雰囲気を醸し出しているその風貌はどの学校よりもオーラがあるようにみえた
渡辺さん「お!主役は遅めに登場といわけですか やりますねー」
裕也「石川盲学校が去年優勝校っていうか去年から5年連続優勝してる最強盲学校だ」
それだけで俺はドキッとしたわけではなかった最後に降りてきたその姿は俺の心を鷲掴みにする最後の美少女だった
「裕也あの子誰だ?」
裕也「あの美少女か?あいつは南ちゃんだ もしかして亮 恋してないよな?」
「南ちゃんかぁー」
俺は完全に南ちゃんの虜になっていたのである