団体戦に掛ける強い思い
「天音さんがサウンドテーブルテニスで負けてくれたなら入部を認めてあげますよ」
それは非常な宣告だった 太一が入部する条件は天音先輩がサウンドテーブルテニスで負けること つまりそれは天音先輩にとってはじめて負けるという事だ
お母さんは はじめての負けということを知って言っている お母さんは天音先輩が自身のキャリアを取るのか 団体戦に出場するために部員を選ぶのかを天秤に賭けたのだ
太一「待て!それは言いすぎだ!」
「口出しは無用よ 天音さんも言ってたわよね?他人の意見に流されず あなたの意思を知りたいのよ」
天音「私は、私は」
「ちょっとストップ!天音先輩!ちょっと」
天音「え? うん、」
母「逃げるのね? 」
太一「少し待ってあげましょう!」
母「太一 お母さんに向かって何を」
俺は天音先輩を体育館裏へ手引きする
「天音先輩 太一くんのお母さんのいいなりになることはない また部員を探せばいいじゃないか」
天音「亮君 でも、もう卓球大会まであと2週間しかないんだよ? 間に合わないよー」
天音先輩の団体戦へ掛ける思いは相当なものだ
俺は別に天音先輩が傷ついてまで団体戦に参加したいとは思わなかった 天音先輩は個人戦で団体戦に参加しなくてもいいじゃないか っと思っしまう
天音「やっぱり!団体戦に出たい!」」
「どうしてそこまで団体戦にこだわるんだ!いいだろ!個人戦で!」
先輩に対して思わず強い口調となってしまったことを言ったから後悔するがもう遅かった
天音「廃校になっちゃうかもしれないの!」
「な、 な、 なんだと?」
「廃校」という大きなパワーワードに心が締め付けられそのあとの言葉がみつからなかった
言ってしまったという反省もない ひそひそと小さな声で廃校になるかもしれない理由を話しだした
天音「盲学校に入学したいという志望者がすごく少ないみたいなの 3年生は2人 2年生は私1人の時点で先生たちは言ってなかったけどそんな空気感は匂わせていたの でも今年は1年生が4人も入ってきてくれてそんな空気は薄らいできたけれど 来年 その次の年はまだわからない」
ここでも人口減少という言葉が盲学校を苦しめる 別に盲学校に限っての話ではない
人口減少による地方への流出はとどまることを知らず 年間の全体の廃校になった学校は
日本では、少子化の影響で年間約450~500校のペースで公立学校が廃校になっていると言われている
子供がいないから必然的に視覚障害者の数も年々減少しているのだ
天音「私は 団体戦で活躍してこの学校のことをもったもっといろんな人に知ってもらいたい!そう思うんだよ!」
俺はそのあと 言い返すような発言は見つからなかった
母「遅いわね ほんとに逃げたんじゃないの?」
太一「彼は逃げないよ!天音先輩と亮は逃げない 彼らからはそんな強い意志を感じる お母さんもそんな態度とってないで早く俺を入部させろ!」
母「あらあら 遅い反抗期かしらね? それは あなたのために言っているのよ?」
天音先輩と亮は強い視線のまま体育館に戻ってきた
母「やっと戻ってきたのね? で、どう決断したのか話を聞かせてもらいましょうか?」
天音「STT します!)




