努力ではどうすることもできない
次は俺のサーブ権だ 下回転はさすがに見極められてきたから違うサーブに変えようと思う
玉を15センチ以上持ち上げ上に上げるように強く振り上げることでサーブを打つ
アップサーブ いわゆる上回転サーブである
当然的にドライブで普通に打たれるサーブではあるがそこのところも相手は1年生 下回転サーブをみせておいての上回転サーブはさすがに対応は難しい
(よし!相手は下回転サーブだと思ってんツッツキをしてきた だがそのサーブは上に上がる)
俺の予想通り相手のレシーブは大きく空中に上がった
(よし!まさに絶好球 打ってくださいってボールだ スマッシュで終わらせる!!)
「あれ?」
しかしそのボールは俺の視界から外れ自分のコートに入り体育館に落ちた
(あんな絶好の玉を外すのかよ!クソ!)
「亮!切り替え 切り替え!」
(そうだ、まだリードしている ここから点を取ればいいんだよ!)
(もう1回!もう1回上回転サーブで勝負だ!)
上回転サーブを無事に決めた俺はまたも同じ先ほどところも同じ局面になる
(今度こそ!スマッシュを打つ!)
「ス!!」
「!?」
俺の考えなど知らないその玉はラケットに当たることはなかった
「タイムアウト」
相手チームがタイムアウトをしたみたいだ
「亮、落ち着いていけ できることをやるんだ 無理にスマッシュを打つ必要なんてないぞ」
(実力じゃ サーブもスマッシュ力も経験だって上なのに、
「亮!お前ならできるよ!」
「あ、!はい」
ダメだ 亮は心ここにあらずといった感じた
卓球はメンタルに左右されやすいスポーツといえる あれだけリードしてたのに一瞬で逆転されることもただある
(しかし 相手はなぜここでタイムアウトを?なにか意図があるのか?)
(タイムアウトが終わり相手のサーブからだ
悪いが相手のタイムアウトのおかげで心も回復できた 大丈夫!)
しかし、考えられないような異例のサーブを打ってきた
(天井サーブ?)
ラケットを上に上げるようにボールを打ち天井に上げるように打つ
(なめてんのか? こんなのスマッシュで ??)
努力では 決して 追いつくことができないその障害は再び俺の夢の障害となっていく
戦いとは無常だ スマッシュも打てない ブロックもフリック サーブもできない1年生よりもずっとずっと上なのにたった一つのロビングだけであんなにやられるなんて
ーー相手側ーー
「相手は目が悪い適当に上にボール上げてれば余裕で勝てる(笑)」
「いいっすね!それ簡単っすね!(笑)」
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「何でもかんでもロビングしやがって!」
ロビングで上がった玉は上に上がり天井の蛍光灯とともに反射し消えてゆく
「く、見えない!」
「ダメだ やっぱり障害者が健常者に勝つなんて無理だったのかな」
「審判!!タイムアウトだ!」




