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STT 「サウンドテーブルテニス」  作者: 太陽
グランドソフトボール編

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15/46

第14話 南ちゃんが本当に強い理由 (偽)

「亮君!やっと戦えるね❤」


彼女は高校3年生 専攻科に行かなければこれが最後の野球大会だ


そして俺 高校1年生 橘亮(たちばなりょう) こちらは大差で敗れている状況 次の打者も期待できない中 文字通り これが高校1年生最後の打席となるだろう



俺は伊藤くんに手引きをしてもらい打席へと向かう 俺はアイマスクをつけているので全くみえないからだ


ポンポンと肩を叩かれバッターボックスに立つ 俺は右バッターだ


まずはベースを確認する ストライク ボールの判断は ボールが転がってきた音 そして転がった時の近くか遠いかで判断する


ベースは目視で判断できないため手探りで確認した


上手いバッターはスタンディングでやるが俺はまだはじめて1ヶ月の素人だ

イキらないで座ってバットを振るぞ



「パン!パン!パン!」



静寂の中 パン という 手を叩く音だけが響きわたるグランド それを1番近くにいる俺はうるさく残業のようだった



手拍子が終わるとすぐに南ちゃんが投げてくる 振らなければ



「へい!」



「ストライク!」



結果は空振り ストライクだ



ボールが弾む音が全然しなかった カーブか?


カーブは手首をひねって投げるためボールが弾まないでキャッチャーへと向かう 

さらに南ちゃんのカーブは一級品だ 

ボウリングのスビンのような曲線は右バッターからは逃げていくボールのためそうそう打てるものではない






どうすっかなー




カーブは打ち崩せないとなるともう一つの変化球シュートはどうだ?


シュートなら逃げずに俺のところに来るような曲がり方をする それを脇を締めて打てれは田中くんの守るところを超えてホームランコースだ



「はい!はい!はい!」



今度は声の合図? どういう?



「コロコロコロコロコロコロコロコロ」



「う、?はやい!」




「スパン」




「ストライク」



またも空振りで2ストライク 追い込まれた



そうそう思ったところに来てくれないか

南ちゃんのストレート以外に速いんだよなー



でも打つならこのストレートしかない!

さっきはシュート狙いで遅れたけど今度ストレート狙いだ音もストレートのほうがよくコロコロという音が聞こえやすい






(ん?そうか、奏くんはサインをしているのか  パン!パン!パン! と手を叩くとには変化球 はい!はい!はい! と声を出す時はストレート かスローボールなんだ いつもそうだった はい!はい!はい! と手を叩いているようだった)




「はい!はい!はい!」



(よし!はい!っと声を出して叩いた ストレートだ)



南ちゃんが振りかぶり投げる




「コロコロコロコロコロコロコロコロ」




(狙いを定めて思いっきり、、、、振る!!!)




「え?」



俺が思いっきり振った瞬間 速かったストレートが急にストップした 






「ストライク バッターアウト! 試合終了」




(嘘だよな?ストレートがいきなりストップするわけが?   スリップボール?)



スリップボールはグランドソフトボール独自の変化球と言われ 投げる瞬間 思いっきりパックスビンをかけることによって戻って来るボールである


南ちゃんはそのスリップボールの達人として全国盲学校野球大会でも5本の指に入る実力なのだ



南「亮君のために大サービスしちゃった!悪く思わないでね❤」




「くそ!やられた」





アナウンス「新潟盲学校と石川盲学校の試合は17対4で石川盲学校が勝ちました」






一同「ありがとうございました」





南「亮君ありがとね!最後楽しかったよ?(笑)」



亮「く、ありがと、ございました」







「帰ろうぜ!亮?」




俺はそれから何分経っただろうか 俺の瞳には虚空が広がっていた




正気を取り戻した俺は次の試合のために帰り支度をする


おかしいことに先輩方は最後の試合が終わったというのに全く悔しい素振りをみせなかった ただ一人を除いては



俺はロッカー前にいた ないていたのは高校3年生の山田先輩だ


無理もない高校最後の大会でボコボコにされ今年の全国盲学校野球大会の選抜チームにも選ばれなかったのだから


それを伊藤くんが慰めていた




「よし!来年は絶対1勝するぞ!」


俺は来年も野球部に入ることを決意した」






「トイレ トイレ 」



そう意気込んでいたが尿意には勝てずトイレへと駆け込む




「シャースッキリした」




「おっと!あれは南ちゃんだ !やっぱりかわいいな!」


ついさっき戦ったばかりだが南ちゃんのショットカットのツヤ髪 澄んだ瞳 野球部なのに白いお肌にもう心臓がドキドキしていた



「まぁ試合が終わったからいいよな?」


敵同士だが試合が終わればノーサイド つまり お互いの健闘を讃えよう 



「南ちゃーーん!?」





「電話中かな?」






俺はその電話の話がなんともおぞましい内容なんだと知ることになるのであった、

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