表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
STT 「サウンドテーブルテニス」  作者: 太陽
グランドソフトボール編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

12/46

11、試合開始

グランドソフトボールとは? グランドソフトボールは、「視覚障がい者の野球」で、全国障害者スポーツ大会の正式競技となっています。 全盲プレーヤー(選手は目隠しをして、全く見えない状態になります)と弱視プレーヤー(視力が弱く、見え方は様々な選手)がチームを組み、白いハンドボールを使って競技します

いよいよ、1回戦 事実上では準決勝にあたる試合がはじまる


どこかしらみんなも緊張しているように思えた




「ただいまから 新潟盲学校と石川盲学校の試合をはじめます」



試合開始のアナウンスが流れた


いよいよ試合開始だ


俺も補欠だがちゃんと整列をする


「アイシェードをつけてください」


審判からの指摘があった



俺は中レフト つまりアイマスクをつけて試合を行う 弱視である俺は試合に出なくてもみえてる状態では全盲選手と比べ距離感がつかめるなので全盲選手と同じように目を隠してアイマスクをつけるのだ


ジャンケンで俺のチームは先に攻めとなった


グラウンドソフトボールは基本的に時間制のため何回までということはなくその時間となったら試合を終了し勝ってるチームが勝利というルールのため先に攻めたほうが有利とされる


そのため俺のチーム攻めて攻めて時間が稼ぎタイムアップまで攻め続けるという戦術をとった



「1番、伊藤裕也さん」  


まずは攻め ここで1点、それ以上は取っていきたい


打順、1番は伊藤くんだ 彼はグラウンドソフトボール部中でも最も足が早い、そしてバットコントロールは新潟ナンバーワンといえる


相手のピッチャーは南ちゃん

は葵くんの手拍子のあと振りかぶり投げ込む


結果はストライクだ


南ちゃんの武器は圧倒的なコントロールだ なのでフォアボールで塁に出ることは不可能に近いだろう


必ず打って塁に進むしか道はないのだ


今度はカーブだ、悪魔のような発言な曲がりに味方からも歓声が上がる


だが伊藤くんは冷静だった

カーブのあとは早いストレートでくることを渡辺さんが教えてくれたためそのストレートに狙いを定める


そのストレートだ!渡辺さんの予想的中


伊藤くんは落ち着いて誰もいないセカンドとショートの間に打って転がす


セカンドの人がとったが伊藤くんの足が勝り結果はセーブだった



「2番 佐藤大河くん」


ノーアウト1塁となって中学3年生の大河くんだ

大河くんはこの野球部最年少だが幼い頃から投げる方の野球をしていたらしく数少ない野球経験者だ

俺と同じ1ヶ月前に勧誘されここ1ヶ月でレギュラーになってしまった 俺とは全然違う天才くんなのだ


手拍子のあと南ちゃんは大きなカーブを投げる

それを待っていたかのようにバットをちょっと当てるとキャッチャーに取らせるような打球にする


すかさず伊藤くんが走りセカンドに向かう送りバントのような形となった

さすが大河くんだ野球を分かっている


「3番、山田太郎くん」


ワンアウト2塁となり次は全盲の山田先輩だ

山田先輩は全盲のためショート意外はラインから前に出ることはできないためとても有利だ



「ストライク!」




だが相手は南ちゃんだ

まずはボールに当てることすら難しいだろう



「ストライク!」


南ちゃんの変化球ですぐに2ストライクまで追い込まれてしまう


すると山田先輩はバッターボックスでしゃがみ込む

全盲選手は音で聞き取りながら打つためしゃがんだほうが打ちやすいのだ


コロコロという音がグラウンドに響きわたる

そのわずかな音だけでボールをみわけるとは至難の技と言ってもいい


「ボール」


南ちゃんのボールにもしっかりと見極めている

山田先輩は同じピッチャーだ

このことについては学校最強といえるだろう


コロコロのボールが響く山田先輩は思い切ってバットを振った


「バーーン!


強い音とともにボールが飛んでいく

前進守備で守っていたのも幸いだったのかボールが相手の後ろへと飛んでいきホームランゾーンに転がっていった


結果はツーベースヒット グラウンドソフトボールではホームランゾーンをノーバウンドで越えるとホームラン ワンパンならスリーベースヒット、ツーバウンド以上で超えればツーベースヒットとなる

ので結果ツーベースヒットで

新潟に1点が入った!



「4番 渡辺正人」


普段は試合を出ない渡辺さんが今回は試合で結果を出すと言ってくれた

なぜなら今回が自身の最後の大会 負け続けたこの学校に必ず1勝を届けるべく立ち上がったのだ



「はい、はい、はい、」


手拍子とともに投げ込まれたボール

南ちゃんはこの1点に動揺したのかボールが弱々しい感じた

それを見逃さなかった渡辺さんは思い切り引っ張ってサードのところへ打ち込んだ


サードもレフトも取れず 結果はツーベースヒット


山田先輩はホームに戻ってきた


みんなはこれはいけると歓声が強くなっていった


俺もその歓声に後押しするかのようにその気持ちが次第に強く核心となっていた



「これは行けるかもしれない 

勝てる!」



新潟盲学校の攻撃はまだはじまったばかりだ







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ