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STT 「サウンドテーブルテニス」  作者: 太陽
グランドソフトボール編
11/40

第10話 試合の朝

グランドソフトボールとは? グランドソフトボールは、「視覚障がい者の野球」で、全国障害者スポーツ大会の正式競技となっています。 全盲プレーヤー(選手は目隠しをして、全く見えない状態になります)と弱視プレーヤー(視力が弱く、見え方は様々な選手)がチームを組み、白いハンドボールを使って競技します

早く寝て思いのほかよく眠れた俺は今日試合が行われるグラウンドに着いた

まだ試合が行われる時間までにはまだ早いのでグラウンドには俺一人だ

俺は多分試合には出ない だが野球に対する想いは人一倍もっているつもりだ



ん?




グラウンドを見渡してみると1人少女がいた、どうやら俺1人だけではなかったらしい


「お、おはようございます」


俺はその少女に挨拶をする


「あ!亮君じゃん!おはよう!」


あれ?


よくみてみると今日対戦をする南ちゃんだった

南ちゃんはグラウンドのベンチで1人座っていた


「南さん、朝早いんですね」



俺は南ちゃんに話しかける もちろん下心ではなく世間話のような感じだ


「そうだね~眠れなくってさ」


「あのー葵さんはどうしたんですか?」


「えーなんで?」


「いや、いつも一緒にいるので、」


「あー葵は寝てるよ いつもそうだよ

試合直前まで寝てるってどんな神経してるんだろうね」



「ところで そんなところで突っ立ってないで私の隣きなよ 話しやすいし」



いや、俺が逆に話しにくい 至近距離でますます緊張してしまうからだ


南ちゃんのご好意に無駄にしたくなかった俺は緊張しながらも南ちゃんの隣に座った




「今日、亮君 試合だね、どんな気持ち?」


それは南ちゃんも同じはずなのだが南ちゃんはもう試合慣れしているようで緊張などしていないようであった


「いや、俺は補欠なので多分試合は出ないっす」



「えー!そうなの?残念だなー亮君と戦いたかったのに」


そう言うと南ちゃんは突然俺に肩を擦り寄せてきた



「ねぇ、好きな人いるの?」



「いや、いないっすね」


あまりの至近距離からの言葉に思わず顔が赤くなってしまう



「じゃ、亮君はフリーだね、私と付き合えるわけだ」


「み、南さんは彼氏がいるんですか?」


俺みんなが思っているであろう質問を南ちゃんに問いかけてみる


「いないよ」


俺は一つの疑問が生まれたいつも一緒にいる葵さんのことだ 彼はキャッチャーをやっていて南ちゃんの女房役として知られている

他の学校でも南ちゃんと葵くんが付き合ってるというのは有名な話だった

その本人である南ちゃんから口に出されたのは「彼氏はいない」という絶対ウソのような発言 俺は理解ができなかった


「葵くんとはどんな関係ですか?」


俺は間髪言わずにその疑問を南ちゃんに投げかける

まるで速球のキャッチボールするかのように


「葵くんとは幼なじみでそういう関係じゃないよ」


俺はどこか安心したような素振りをみせる

高嶺の花であった南ちゃんはまだ俺の手の届くところにいる

そんな安心感からなのか俺は思わず思いも寄らないことを言ってしまう


「南ちゃん好きです」」


「え?」


突然の告白に南ちゃんは戸惑っているようであった

俺も突然自分から口に出した発言に戸惑い身体中から汗が噴き出した



「は、これは違うんです!その」


俺が思いも寄らない自分からの告白の言い訳を考えていると南ちゃんは俺に抱きついてきた



「私も亮君のことが好きだよ!」


俺は嬉しかった あんな美少女に告白してまさかOKされるだなんてまだ夢の続きでもみているようであった



「南ちゃん、く、苦しいです」


「ごめんごめん、嬉しくってさ」

 

俺ははじめて告白してよかったと心の底から自分に感謝をした




しばらくベンチでお話をしているとだんだん試合時間が近づき人が集まってきた



「おーい!南!」



「あー葵くんだ「」



葵くんが俺たちのいるベンチに駆け寄ってくる



「亮君また、南が迷惑をかけたみたいですまなかったな」



「いや、全然大丈夫っす」



「あーあ、亮君ともっとしゃべりたかったのに!」



「試合のあとでゆっくり話せるよ 準備運動にいくぞ」



「またね!亮君!あとでまた話そうね!さっきのこと誰にも言っちゃうのダメだよ」



南ちゃんと葵くんは同じチームのところへ行ってしまった



「亮!準備運動!」


俺は時分が呼びかけられていることに気づくことがなくただ南ちゃんの方をみつめていた

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