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『気づけていないだけ』

作者: 花優いのり

ブクマ&評価ありがとうございます!

『四季』さんにレビューをいただきました!

正真正銘の初レビューです!すごく驚きました。

ありがとうございます!



人生で初めて書いた小説です。

お楽しみいただけますように。

高校のある日の放課後。


私は、いま学校の教室の窓から見える景色をじっと眺めていた。だって純粋に綺麗だと思うからだ。


「おお〜い未百合」友達のくるみちゃんだ。

「うぁぁ〜は、はい。どうしたの?」


景色を見るのに夢中になりすぎてまわりの声が聞こえなくて思わずびっくりしてしまった。

「驚き過ぎでしょう!」とくるみちゃんに大笑いされてしまった。

まぁ〜しょうがない。


「そろそろ帰ろうよ〜!!」


そう言えば、今日はもう帰る時間だった。

「は〜い〜」とわたしはカバンを持ち、くるみちゃんと一緒に教室から出て学校を出た。




夕方の学校からの帰り道。

ゆっくりと、たわいもない話をしていると不意にくるみちゃんから質問された。

「未百合は、なんでいつもよく窓を見ているの?」


確かに、私のように窓から見える景色をじっと見ている人は、あんまりいないなぁ〜と思った。

私は、空を見上げながら答えた。


「だって景色が綺麗なんだもん。それに今どき家や学校なんかでもスマホやらゲームやらで空を、自然を、何気ない風景を見ている人が少なそうだし」


私の答えにびっくりしたのか、くるみちゃんは目を見開いたあと優しく微笑みながら言った。


「言われてみると、確かにそうかもしれないね。暇さえあればスマホを見ようとして他のものなんて見ない。空とかもよく見ると綺麗なのに。きっと気づけていないだけなのかもしれないね」


気づけていないだけ?それってどういうことなんだろう?と思っていると、まるで思っていることを読みとったように私と同じように空を見上げながらくるみちゃんは、内緒話をするかのように話を続けた。


「ほら、昔にはないもので今だからあるもの例えば、スマホとかゲームあとテレビとか未百合があんまりしないようなものがあるでしょう」


「うん」と私は真剣な眼差しを向けながら、頷きながら聞いた。


「そういうようなひとつのことに集中しすぎて視野が縮まって周りが見えなくなってしまうものが今では、たくさんあって、身近にあって、当たり前になっているでしょう。けど、昔はそんなものはなかったからきっと視野が広くて、周りにあるもの、身近なもの、自然のものに親しみを感じたりしながら過ごしていたんじゃないのかなって私は思うんだ。つまり、未百合は昔の人々のように周りを見て色々なことを感じたりして気づけることができるのがすごいなぁ~て素直に思うんだ」


くるみちゃんの言葉に私の胸の真ん中あたりがじわりと温かくなった。


「ありがとう!くるみちゃんこそ、私のこととか人のいいところを見つけられるのってすごいよ」


と私は笑顔で答えた。


「こちらこそありがとう!」


とくるみちゃんも笑顔で答えた。


そうやって笑い合っていた。

そしてふと、大きく広い一面の空を見上げた。


「うわぁぁぁ〜すごい!!」

「綺麗〜!!」


茜色や薄い黄緑、薄紅色、紺色など色々な色が混ざり合っているグラデーションの空、オレンジ色に輝いている夕焼けの眩しい光が私たちを照らしていた。目に焼きつきたいほどの光景だった。


「素敵なものが見れたね」

「うん!また何度でも見たいなぁ〜」

「そうだね。さっきの光景とまったく同じ光景を100%で、もう見ることができないけど、綺麗だと感動できるものをたくさん見ていきたいなぁ〜」


と楽しく話し合いながら。身近にある植物などを見たりしながら歩いて行った。




今日も、明日も、そしてこれからも、

変わっていないようで変わっていく日々がある。

時間が経つにつれ変わっていく空があって、

風で揺られる植物たちやモノがあって、

私たちを照らしてくれる太陽あって、

星々や月が照らしてくれる夜がある。

 だから私は、これからもずっと本を読んでいるとき、暇があるとき、落ち込んでいるとき窓からの景色を見る。

視野を広げてくれる自然が恵みがとても大切で忘れてはならないものだと思うから。


読んでくださってありがとうございます!!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 花優さんがどういう方なのかが分かるような、そんな素敵な作品だと思いました! [一言] これからも頑張ってください!
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