3話 戦いと動機
「うわーーーーーーーーーーー」
今、俺たちはゴブ長(※ゴブリンの長)に見つかり、追いかけられていた。杏奈がこいつの両腕を切り裂いてもすぐに再生したため今の俺たちでは勝てないと判断した。
「........私たちの力では勝てない、、、」
「そうね。私の力も通じなかったs、、、、、!!!わぁあああああぁぁぁぁあ」
ペッ、ペッ
ゴブ長は口から酸を含む唾液を吐いてきた。だが、杏奈はギリギリで避けたと思われる。俺たちは今絶対絶命の状況である。
「あの洞窟まで逃げるぞ!!!」
高さは4mもないためゴブ長は入って来れないだろう。
そして俺たちは洞窟の中に入った。中は汚く、死体の匂いがする。
「あいつに殺されたのか、、、」
洞窟の中には白骨化した人間がいた。
「このままこの人たちみたいになるのかしら、、、、、、」
「おい!!!杏奈大丈夫か!!!!」
杏奈が息を荒くして倒れこんでしまった。杏奈の腕を見るとあいつの唾液がかかってしまっていた。あいつの唾液には毒もあるようだ。
「クソッ!どうしたらいいんだ、、」
どうしたら助かるか悩んでいるとエリカが肩を叩いて言った。
「.........私、再生魔法が使えるから治せると思う」
そう言って杏奈の腕に触れる。
「........このくらいなら15分もあれば治せる」
「本当か、頼むぜエリカ!!!!」
そう言って俺は洞窟の前で見張りをした。
ガンッ、ガンッ
外にはゴブ長が木の棒を洞窟に叩きつけて威嚇している。
(どのくらい耐えれるのか、、)
杏奈の治療が終わるまではまだ10分ある。そこまで洞窟が持つのか、、、、、。
ガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッ
治療が終わるまであと5分、、、
ガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッとガンッガンッガンッガンッガンッガン
治療が終わるまであと1分、、、、
ガラガラガラガラ
洞窟が崩れてゴブ長が入って来た。
グルアァ!!!!!!
「やばい、杏奈の治療が終わるまで食い止めなければ、」
こいつを抑えるためには、、、、、
「花魔法 デビルズ・ブレス!!!!!!!!」
その瞬間、ゴブ長の体から黄色いラッパ状の花、キダチチョウセンアサガオが咲いた。
グ、グルアァ!!!!!!
この花には強力な幻覚作用があり、ゴブ長には有毒で効くようだ。しかし、時間を少し稼ぐだけで倒すまでは至らない、、、、が、それだけの時間があれば、
「......グッチョブ連夜」
『雷刃』
『水刃』
杏奈はエリカの再生魔法によって完治し、雷刃を放ち、エリカは水刃を同時に放ち、二つの刃が心臓を貫いた。
ザキン!!!!!
グルアァ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ゴブ長は灰となって散った。心臓までは再生出来なかったようだ。
「「よっしゃーーーーーーーーーーー」」
「.........やった」
ゴブ長は灰となって魔石も一緒に落とした。この魔石をギルドに持っていけば依頼完了のようだ。
俺は、魔石を拾った。
「お前ら動けるか、、、、、、ガクッ」
「「レン(連夜)ーーーーーーーーーーーー」」
俺は魔力切れを起こしてしまったようだ。
――――――――――――――――――――――
俺が起きた頃にはベットの上で寝ていた。
「ん、、ここは、、、、、うおおおおーーーーーー」
「あ、レンおはよ」
「いやお前どうして同じ布団に、、、、ってどうして裸なんだーーーーーーー」
起きると布団の中には裸の杏奈がいた。
「いや、パンツは履いてるよ」
「いやそそそそそそそれは聞いてねぇよ」
俺が何があったのか聞いてみると、俺が倒れたあと杏奈とエリカが俺をギルドまで連れ帰り、報酬の銀貨20枚を手に入れ、宿のベットに俺を寝かせたと言う。
裸の理由は俺の体温を温めるためという。本当なのか、、、、、?
「俺をここまで運んできてくれたのは感謝するが早く退いてくれないか、、、、、、」
「ごめん、、、、今退くね、、、、、、、」
杏奈の耳は赤く染まっていた。ちなみにエリカは食べ物などを買いに行っているらしい。
「なあ、杏奈、俺たちは帰るために旅をするのか?」
俺はどうして旅をするのかと疑問思ってしまった。
「うーん私はどちらでもいいのよね〜」
「いや俺は店の手伝いがあるから帰りたいかな」
「じゃあ、私も帰りたいかな、」
二人とも動機がしっかりしていないようである。
ガチャ
エリカが買い物から帰って来た。
「.......ご飯食べよ」
そう言うとパンを取り出した。
「.......はい」
「ありがとよ。いただきます、、、、、んっ」
「どうしたのよ。いただきます、、、、、んっ
「「まっずーーーーーーーーーーーーーーーーー」」
パンを食べた瞬間、ねちょっとした舌触りに旨みがゼロで渋みしかなく、最悪な後味がある。まあ簡単に言えば死ぬほどまずい。
「「やっぱり帰りたーーーーい」」
さっきまで動機が不純だったが“まずい”という意見が一致して帰りたいという意見になった。
「........これでも飲む?」
エリカはスープを差し出した。
「おっ!ありがとな、、、、、、ぶふっ」
このスープもまずい。ミルクベースのスープなのは分かるが牛乳の臭みや無駄にぬるいせいでとにかくまずい。
(あーーーー、帰りたい、、、)
日本には寿司やケーキなどいっぱい美味いもんがあるしな、
「そういやエリカは俺らは『日本』に帰りたいと思っているがいいのか?」
「........私は付いてくよ、故郷を襲ったやつを殺すまでは」
これからは『日本』を目指して旅をすることが決まった。
「そしてこれからどこにいけばいいんだ」
「.......これから次の町に向かおう」
「わかったじゃあ明日の朝出発だな」
転移から一日、ゴブ長を倒すなどいろんなことがあった。がまだ一日しか経っていないんだよな、
そうして、俺たちの冒険は始まった。