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第21話 メッセージ

それでも、だ。


やっぱり面白いコメントをするための

『良い』タイミングというのはなかなか現れない。


それに、俺には面白いコメントができるタイミングが現れたところで、それに合ったコメントができる気がしない。


俺が部屋で1人、そんなことを思っている間にも配信は続いていく。


さっきまではツボに入ったことで進みが

なかなか遅かったものの、ようやくサクサク進み始めた印象だ。


しかし困ったな…。

このゲームの知識があれば、タイミングに関係なく面白いコメントができたかもしれないが、

あいにく俺はこのゲームを知らない。


結局俺は特に何をするでもなく、配信に面白いリスナーが現れることもなく、時間だけが過ぎていった……。





「…なかなか難しいな…。」


登録者が多い配信者を見ていれば、何かヒントが掴めるかと思ったが、得れたものは

『コメントを打つタイミングが大事』

ということだけだった。


しかし、だからといって配信が面白くなかった訳ではない。


イキシアさんのキレイな声から繰り出される

驚いたおっさんみたいな反応はギャップで面白かったし、初見殺しのトラップに引っかかるイキシアさんも見応えがあったし、(参考にはならなかったが)普通に配信を盛り上げるコメントもちらほら見られた。


元々興味がなかった俺が面白かったと思えるのだから、いいんじゃないだろうか。


まさに何様って感じだが、しょうがないじゃないか。そう感じてしまったのだもの。


ピロンッ!


と、そばに置いていた携帯が通知音を鳴らす。

…カレンからだ。


『こんにちは。


シアちゃんの配信はどうだった?

面白いって思えたかな…?』


どこか心配そうな文面が送られてくる。


俺はリスナーなのになんでカレンが心配そうにするんだよ笑と少し微笑ましく思いながら返信した。


『うん。

めっちゃ面白かったわ!

いやー、でも俺さ。あの求婚のくだり?

トイレ行ってて見れてなかったんだよね笑』


『えぇー!勿体無い!

私お腹よじれるくらい笑っちゃったよ!

でも多分切り抜き上げてくれる人がいると思うから、多分そこのシーン見れると思うよ!』


あぁ。多分前にイキシアさんの切り抜きをあげてた人かな。

前の動画は高評価してたはずだし、せっかくなら見てみようかな。動画が上がったら。


その後はカレンが次の配信の情報や、オススメの配信アーカイブのことを教えてくれたり、

完全なる布教活動をしてもらった。


俺はその推し具合に若干押されつつも、結構

クール系だと思っていたカレンがこんな風に

テンションが上がって、長文メッセージを送ってくることにどこか嬉しい自分がいた。


しかし、カレンもイキシアさんの配信を見ていたのならアカウント名が気になるな。


俺は自分の知ってる人がどんなコメントをするか知りたいタイプなので、これはめちゃくちゃ気になる…。


まぁ聞いたところで当ててみてって言われるのが目に見えているのでわざわざ聞くことはしないけど。それに自分で見つける方がきっと楽しいさ。多分な。





















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