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震える拳  作者: Sろう
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1話

小学校、中学校で暴行、恐喝、窃盗などの被害をクラスメイトから受けていた。周囲の人はいじめだと言って軽く受け止めていたが、自分にはいじめではなく、卑劣な犯罪としか思えなかった。

それでもいつかなんとかなると考えていた。

しかし、現実は非常だった。

もう終わりにしよう。

そう思っていた。

そんな時だった。中学校の屋上で彼女と出会ったのは、彼女を一目見た時に感じた。

自分と同じであると、生気がなく、ぼんやりと遠くを見ている。

だからこそ、話しかけることにした。


「何をしているんですか。」

もう少し気の利いたことを話したかったが、そんな余裕は自分にもなかった。


「つらくて、もう終わりにしようかと思ったの。」

特に感情がないような表情をしている。


その答えを聞いてもやはりとしか思えなかった。

ただ、自分と同じ境遇の人に出会え、なぜか嬉しくなってしまった。

「僕ももう終わりにしようと思っていました。

よかったら、少し話しでもしませんか。」


彼女も僕が自分と同じ境遇の人間だと分かったのか、静かに頷いた。





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