大きな糞と大きなカエルの死骸。
雇用形態の全体像が掴めぬまま想像を膨らまし、
なすびは翌日出社しました。
何せ時給1500円。これで借金の返済の目処も立つ。
コテージに人気は無く なすびはロビーで待つ事、
3時間………。もう お昼。
すると母家の一番近い一番の
コテージからスエットの上下にスッピンの若い女性が
昨日の若い綺麗な女性です。
続いて オソロのスエットを着た男性
昨日は一言も喋らず 謎だった2人。
続いて通訳の(ヨーさん)彼も中国人でした、
日本語が上手いので なすびはてっきり日本人だと思っていました。なすびはヨーさんに話しかける
(9時には来ていたんですが、何も解らなくて待機していました)
ヨーさんは笑顔で言いました。
(大丈夫です。お昼一緒に食べましょう)
何だ このアバウトすぎる空間は?
母家の一階には宴会場、レストラン、事務所、ロビー、が有り 2階には多目的スペースと社長室、と寮的なスペースが有る。
ヨーさん達はレストランの奥の厨房に行きお昼の支度を始めた。
なすびは まずタイムカードの有る場所を聞きたかったのですが、まだ無いそうです。
朝来て夕方帰ればOKだそうで……
このアバウトさに慣れるまで そうは長く掛かりませんでした。まさに中華村、ここは日本では有りません。
[因みに元大手日本企業の休暇村です]
そして、なすびはこの先待ち受けるカオス地獄に翻弄されるので有った。
料理が出来上がるまで なすびは敷地を廻って見ました。
結構広いです。コテージ同士を繋ぐ林道。池も3つ程有り、高そうな錦鯉。バーベキュー場。
しかし気に成るのが、
あちらこちらに見かける大きな糞と 大きなカエルの死骸。と大きな穴。
なすびは多分自分のスキルの生かす最初の仕事だろうと認識しました。
母家に戻ると とても良い香りが やっぱり中華料理ですね。
テーブルにはワンさんも来ていて全員集合。
なすびは挨拶をするが、まぁまぁ、さあ食べましょうって感じでとてもアットホームです。
美味しかったですよ、料理も。あの光景を見るまでは………
食事が済んで なすびは洗い物をしますって下げ物を持って調理場に行くと 洗い場のシンクには大量の皿とグラス まず第一のカオス。
何やらこびり付いた鍋、真っ黒な、まな板。出しっぱなしの食材。
ゾッとしましたが夕方までには全て洗い終わりました。
しかし 突然襲って来た胸焼けは翌日まで続きました。
(夕方なんで帰って良い)とヨーさんに言われましたが 明日の予定と なすびの明確な仕事内容をヨーさんと打ち合わせをする必要が有りました。
(敷地の清掃をしたいのですが)と言うと、
ヨーさんは明日出勤したら、
(午前中に1番のコテージの清掃をして下さい、後は自由に自分で仕事を組み立て下さい)と言い なすびは了解し 明日の昼飯は丁重に断り帰宅した。
勤務2日目。
朝9時に出勤、車を駐車場に停め母家に向かう途中、
大きな穴の中に人影が…
(おはようございます)リーさんです。何やらピッケルの様な物で穴を広げていました。
リーさんが日本語を話せるのを この時知りました。
なすびは昨日の打ち合わせどうり1番のコテージに掃除道具を持ち向かうと
1番のコテージから大きなスーツケースを引きずりながらヨーさんが出てきた。
(おはようございます、私は東京の本社に戻りますので後はリーさんに解らない事は聞いて下さい)と なすびは了解し1番のコテージに入ると……
カオス2です。
コテージは3部屋程有り、大接間のテーブルの上にはミイラ化したKFC。
飲みかけの缶ビールにワイン。山に成ったタバコの吸殻。小銭に、何か臭い調味料。
床には何かのチケット。領収書。履歴書。雑誌。タオル。シャツに浴衣に下着。
下着。下着若くて真っ赤な派手な下着。
組み立て出来ません。何から手を着けたら、
でも最初に手を着けたのは真っ赤な下着でした。
気を取り直して敷きっぱなしの布団を片付けます。隣の部屋の布団を片付け様と襖を開けると
寝てました。ワンさんとリンちゃん。ビミョーな距離でしたが そう言う仲なんでしょう。
なすび困っているとリンちゃん目を覚ます。
(おはようございます)リンちゃんも日本語出来る様です。
(掃除ですか?分かりました今移動します)
リンちゃんはワンさんを起こして大きなスーツケースを引きずりながら眠たそうに2番のコテージに移動した。
[今後この大きなスーツケースを持ってコテージを転々と移動する姿を見るのですが、なすびは思いましたヤドカリの引っ越し。と]
1日掛かりました、1つのコテージを掃除するのに、これはもう業者の仕事。○スキンが1日がかりでやるプロの案件。
なすびは そう思いながらも、今までに経験した事の無い未知のワークに心の震わせていました。
大きな糞と 大きなカエルの死骸は未だ手付かずです。