委員長とけだるげ少年
「いや〜今日もお熱いね〜」
舞が自分のクラスに戻った事を確認し、改めて束の間の休息を取ろうとした矢先。前の席から声をかけられた。
「うるせいな。それにいつも言ってるだろ、アイツとはそんな関係じゃないって」
「いやいや〜どう見てもカレカノにしか見えないよ〜」
「むしろ逆にどうやったらそんな風に見えるのか教えてもらいたいね」
まったりとした口調でそう語りかけてくるのは、宇の友人の一人である八神空露。茶髪のショートパーマで、非常にマイペース。その為委員長に「もっとしっかりしなさい!」とよく怒られている所を目にする。
「ん〜ま、いいか〜」
「何が?」
「気にしないでいいよ〜」
「...?それならいいんだけど――」
「ちょっと八神さん!ボタン、ちゃんとつけてください!」
俺の言葉と被さるように大声を出しながら女の子が歩み寄る。後ろで三つ編みした綺麗な黒髪に、いかにも真面目そうな赤い眼鏡をかけた女の子の名前は春夏秋冬捺。入学式の際、先程のようにだるだるに過ごす空露を見かねたのか、毎日注意している。因みに委員長とはこの子。
「一番上くらい大丈夫でしょ〜。今先生いないし、第一息苦しいし〜」
「それでも駄目です!ちゃんとしてください!」
「え〜」
「え〜じゃありません!私の目が黒いうちは絶対に見過ごしませんからね!」
「おかんか」
「違います!」
八神にビシッと指を指しながら制服に注意している捺。うんやっぱりおかんだわ、これ。