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七色の水晶

美彩都は夢の中にいた。


白い空間の中、何も見えず、雲の中にいるような、感覚。


人影が現れた。


無言の人物は、見覚えのある顔だった。

石見先生?中新先生?


また女の人と男の人。

誰?知らない人だわ。


また、一人。男の子?赤い髪の男性も。知らない人。

あ、洋一郎おじさん。


これで、七人…。


 その七人は美彩都を囲むように立っていた。


 青い鳥が、七人の周りをぐるぐると回って飛び立ったあと、美彩都の目の前には、虹色の透明な球体が浮かんでいた。両手ですくいあげるように載せると、それは、強い光を放ち、駒のようにグルグルと回転し、掌のなかで七つの水晶に変わった。

 

 水晶は掌から高く宙を舞い、美彩都の周囲に現れた七人の手に渡った。

 

 そして、夢の中の美彩都は、その七人に話しかけた。


「みなさん、私、ミサトは、あなた方にお願いがあります。すべての人々を救うため、私に力をください。待っています。」

 

 ゆっくりと目覚めた美彩都は、しばらく放心状態で天井を見ていた。夢の余韻と夏休み明けに残る気怠さを引きずりながら、日常が始まった。

 

 今朝の夢がどんな意味があるのか、珈蘭での話合い以来、何を話すのにも、あの時の母の姿が頭をよぎり言葉を押し込んでいた。

 

 学校では、元気に回復した智花と千草で、いつも通り三人で昼食を食べていた。

「ねぇ、美彩都、私の弟の銀青がさぁ、変な事言うんだよね。夢の中で、美彩都に、きれいな球もらったってう言うのよ。」

「えっ、智花の弟って、私の事知ってた?」

「この3人で写ってる修学旅行の写真見せたことあるし。覚えていればだけど。あ、でも、夢の中で、『ミサト』って言ってたって。」

「銀青っていい名前ね。銀青君は今何歳?」

「中学2年生14歳だよ。」

「14歳か。写真ってある?」

「あ~あるよ。パルクール大会で優勝した時に撮ったやつ。これ。」

「うわ~すごっ、私この子と夢で会ったよ。確かに、水晶渡した。」

「ほんとに?話合わせてるんじゃない?」

「ほんとだよ。わざわざ合わせる必要なんてないし。イケメン君だからかな。夢なのに記憶にハッキリ残っている。自分でも、まさかね、と思いながらも、びっくりしてるんだから。あ~ん、どうしよう。ねえ、智花、出来たらでいいんだけど、弟さんに会わせてもらえるかな?」

「いいけど、ほんとに銀青かな。ま、でも、今度の日曜日が大会あるから、その時に会ってみる?私も応援に行くし。やっぱり美彩都の夢って、なんかあるのよ。」


「そうかもね。智花ありがとうね。」

 

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