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WORLD REWRITING  作者: ユウキ ユキ
真実の復讐篇
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WORLD REWRITING

“復讐者”vs“神”の決着がつき、アモノの死から数分がたっていた。その頃、ニーゼの砂嵐に巻き込まれないために城の中に避難した星放社(せいほうしゃ)の仲間たちは外の様子を気にしていた。

「急に静かになったな」

「戦いが終わったのかもしれないな」

外の静けさから“神”と“復讐者”の戦いが終わりを迎えたのではないかと城の中に避難している皆がそう思っていた。

「あいつら勝ったよな⁈負けてないよな⁈」

戦いが終わったと皆が思っている中、ニーゼたち復讐者が勝利したのか、それとも“神”を自称する人物が勝利し、ニーゼ達は負けたのかどうか、城の中でただ一人レグルは心配していた。すると、焔赤兜(ホムラアカカブト)の二人と王国騎士団の団長がレグルの発言に反応した。

「当たり前だろ!」

「だろ〜」

「てめぇは あいつらを しんじてねぇのか?」

レグルの発言にシンク、セツキ、ザギンの三人が一斉に返してきた。

「信じてるよ!信じてるけど、心配じゃんか‼︎」

「ならば外に出て確認すればいい」

「そうだな、我々がここに隠れたのはニーゼの砂嵐に巻き込まれないためだ。しかし、もうその砂嵐は無いようだからな、ベニカの言うように外に出ても平気だろう」

焔赤兜(ホムラアカカブト)の副将ベニカと将軍シャブニカの言う通り、外の様子は静かで砂嵐はどこにも無い。城の中に避難していた者達がニーゼたち復讐者の安否を確かめるために一斉に出口へと走り出した。


一方、こちらは“神”に勝利した“復讐者”たちだ。

「・・・なんか、最後はあっけなかったな」

“世界最強”だった敵の最後を見た復讐者のセファは率直な感想を述べた。

「まぁ、僕達が“最強”になって、あいつは“最弱”になったからな」

「それで、ニーゼ。あっちの奴はどうするの?」

「ん、あー、アルノか。アモノが死んだからアルノの呼吸器も正常に動いていると思うし、とりあえず時間停止を解除して、能力で拘束しようか」

「拘束は僕に任せて」

ニーゼはアルノの止めた時間の流れを再始動させた。すると、時間の流れが再始動したと同時にノアンがアルノの両手両足、そして、口と目蓋にある全ての筋肉から力を無くした。

「これで拘束は完了だよ、自力で立つことはもちろん喋ることも目を開けることもできない」

「じゃあ、地下の牢屋にでも移動させといて」

「了解」

そう言ってノアンは能力で地上と地下を繋ぐ門を作り、拘束したアルノを地下の牢屋へと移動させた。

「よし、城の中の連中と合流しようか、一緒に戦った仲間に“勝利”の報告をしよう!」

「よぉーし!それならとっとと行こうぜ!」

戦いが終わり、五人の復讐者は共に戦った仲間達のもとへと歩き出した。

「デヒト、少しは落ち着け」

はしゃぐデヒトに対してセファは大人な対応だった。しかし、ニーゼも早く城の中にいる連中に会いたい気持ちはデヒトと同じだった。というより、この場にいる全員が同じ気持ちなのかもしれない。すると、城の方から懐かしい声がたくさん聞こえてきた。

「ニーゼ!!」

「「ノアンー〜!」」

「無事だったか!」

声のした方を見ると、レグル、シンク、セツキ、シャブニカがこちらへ走ってくるのが見えた。

「おう!俺たちの勝ちだ!俺たちは勝ったぞー!」

スナハ王国を救う為に共に戦った仲間達との再会だ。

「やっは、おまえら の かち だったな!」

「そんな事言ってるが、ザギン、お前内心ではかなり心配していたんじゃないのか?」

「んだと?ベニカ、てめぇこそ ニーゼやノアンが まけてたら どうしようとか おもって たんじゃねぇのか?」

「まあまあ、二人とも‼︎とにかく無事でよかった」

「おっさん!あんたも無事だったのか!」

国王ワシが復讐者の無事を確認しにきた。その背後でニーゼがこの世界きて初めて出会った女騎士が泣きながら走ってくるのが見えた。

「ニーゼ!!よ、よがっだー!生ぎてたー!!」

「何言ってんだクレン!当たり前だろ!」

クレンは走ってきた勢いでそのままニーゼに抱きついた。一方こちらは八百屋を営む元・王国騎士団団長とその八百屋に泊まったこともある復讐者の再会だ。

「ノアン、無事で何よりだ。これで安心して八百屋が続けられる」

「八百屋をやるのか、騎士団に復帰はしないのか?」

「しねぇな!俺はもう静かに暮らすんだ!」

「そうか!なら時々、野菜を()()()()()()()

「ダメだな!もうただじゃあげねぇぞ!ちゃんとお金を払え!ダッハッハ!」

初めて会った時はただでスナスサボテンをあげたヤヴェルだったが、そのサービスは初回限定らしい。ニーゼとノアンが仲間との再会をしている中、残りの三人の復讐者は隅っこでその光景を見ていた。なぜなら、ここにいる人達は元々敵だった人達だからだ。顔は知っているが、普通に話せるような中ではなかった。すると、その三人の姿を見つけた人物が近づいていき声をかけた。

「レリカ、デヒト、セファだったかな?」

「何で俺たちの名前を⁈」

「ニーゼに聞いたよ。君たちも共に戦ってくれたのだろう?感謝する。ありがとう」

「わ、私たちは‼︎い、いえ、私が全て悪いんです!」

感謝の言葉にレリカは首を横に振って自分が悪い事をしたと明かした。しかし、話しかけてきた人物の対応は変わらなかった。

「気にするな、世界を救ったことに変わりはない。私達は本気で感謝している」

そう言い残して国王ワシは瓦礫が重なり合っている場所に立ち、この場にいる皆に向けて発言した。

「さあ、今日はこの国が五人の英雄!そして、この国を思う沢山の戦士達によって救われた記念すべき日だ!今宵は宴だァ!思う存分食え!飲め!騒げ!そして楽しめェ!」

「「「「おおー!!!!」」」」

国が救われた記念の宴は大盛り上がりだった。しかし、みんな戦いの疲れがあったのか数時間後には全員爆睡していた。


皆が爆睡し、宴が終わった後、復讐者達は地下の牢屋に集まっていた。そこにはノアンの手で投獄されたアルノがいた。復讐者たちは消滅した世界を元に戻す方法を聞き出そうとアルノにいくつか質問を問いかけた。すると、口の拘束を解除されたアルノが方法を話した。

「単純に能力で戻せばいい」

アルノにそう言われてからすぐに五人の能力を全て試した。しかし、消滅した世界はどの世界も元には戻らなかった。

「はっ!戻るわけないだろう!あんな需要の無い世界!この世に必要ないから私達が消してやったんだよ!」

「・・・てめぇ‼︎俺たちの世界を何だと思ってやがる‼︎」

アルノの言葉を聞いてニーゼがアルノの胸ぐらを掴んで壁に押し付ける。

「ゴミだな」

「この・・・っ‼︎」

「ニーゼ!落ち着け‼︎手を離すんだ!」

ノアンの言葉で冷静になったニーゼは一旦、アルノから手を離し距離を置いた。しかし、アルノは態度を変えず挑発をやめない。

「私を殺す気か⁈殺してみろ!この世の全ての世界は“世界存在絶対条件(ワールドザインカウザ)”によって“神”という存在は世界が存在する為には絶対必要なんだ、世界が存在する為にはこの世に“神”が少なくとも一人いることが絶対条件なんだよ!今ここで私を殺せばこの世界のみならずこの世に存在する全世界が一斉消滅するぞ⁈」

アルノは自分を殺すとどうなるかを明かした。

「なら、その世界の存在する為の絶対条件、()()()()()()()()とやらを書き換えてやるよ」

「はっ、よせ!お前にそんな事出来るはずがない!」

アルノを殺してもこの世界が消えないように“世界存在絶対条件(ワールドザインカウザ)”を書き換えるとニーゼは言うが、アルノは書き換えられる可能性を否定した。

「出来るはずがない?お前は何を根拠に言ってんだ?」

「ニーゼは“神”と俺達の強弱を逆転させる事もできたんだ、絶対条件の上書きくらい余裕でできるはずだ」

アルノの言葉を聞いたセファとノアンの二人がすかさず言い返す。すると、その言い返した言葉にアルノが反応した。

「我々との強弱逆転?まさか⁉︎お前らアモノを⁈」

「そうだ。アモノは俺たちが殺した」

「な、なぜ・・・?!

「なぜって、俺たちは復讐者なんだから当然だろ。あと、お前もこれから殺す」

「アモノが死んだ?殺される?殺された?えっ?アモノ?え?あ、えこ、え?」

“神”アモノが殺されたことに驚きを隠せないアルノは頭の中が混乱状態になり、そこにこれから自分も殺されるという恐怖が合わさり、情緒不安定になっていた。

「じゃあ、俺が絶対条件を書き換えたらアルノを」

「わかってる。私が殺す」

レリカはそう言って静かに“レイピア”を構えた。

「や、やめろ!私を殺すな!やめてくれ!反省してる、お前達の世界を消滅させたのは反省してる!私達の独断と偏見で世界を処分したのは悪かった!私を殺さないでくれ、頼む!」

アルノは必死に命乞いをするがニーゼたち復讐者の気持ちは揺らぐことはなかった。

「遺言はそれでいいな?じゃあ、書き換える。ライト、“この世の書き換えワールドリライティング”」

以前の“世界存在絶対条件(ワールドザインカウザ)”を全て破棄し、新たにニーゼの書き換えた“世界存在絶対条件(ワールドザインカウザ)”によって“神”がいることが絶対条件ではなくなり、“神”という存在がいなくても世界は存在できるようになった。それと同時にレリカがアルノに止めを刺し、この世から“神”と自称する者はいなくなった。

「“神”なんてクソくらえだ」


・・・次の日

城内ではアルノが牢屋で死んでいたのが発見され、様々な噂が飛び回り少し騒ぎになったが、ニーゼが真実と嘘を織り混ぜてうまく説明し、騒ぎを鎮めた。そして、復讐を果たした五人の復讐者は自分達の復讐を果たすと同時にこの国を救っていた。国を救った救世主として国王ワシから表彰をされることとなった。

「ありがとう。この国を救ってくれたことに感謝する。五人の英雄には国を救ってくれたお礼に報酬をあげよう。と、言いたいところなのだが、今の我々には高価な物は用意できそうにない。報酬はまた別の機会で良いか?」

「・・・報酬か。なんか皆欲しいものあるか?」

「いや、僕は思いつかない」

「私も」

「俺はうまい飯かな!」

「お前は黙ってろ」

国王から国を救ったお礼として後日報酬をもらえるらしいのだが、復讐者の五人はデヒト以外、特に欲しいものは無かった。

「なあ!おっさん」

「ん、なんだ?」

「報酬はいいよ、俺たち自分達の復讐をしただけだしよ」

ニーゼの言う通り復讐者たちは最終的には復讐を果たしただけで五人とも国を救ったというよりも復讐したという思いの方が強かった。

「しかしなぁ、こちらとしては救ってもらった訳であって何も与えないというのも・・・」

「それじゃあ、俺たち五人に仕事をくれ!」

「は⁈仕事⁉︎・・・国を救った報酬が仕事だと⁈」

ニーゼの衝撃発言に国王ワシは驚きを隠せない。危うく玉座から転げ落ちるところだった。

「そう!いやぁ、俺たち一文無しで帰る世界(場所)もないしよ、この世界で生きていく為にはここで仕事をもらってお金を稼がないとだからさ!」

「そういうことなら仕事くらい用意するが、お前達もそれで良いのか?」

「異議なし」

「賛成ね」

「働かねぇと飯が食えねぇからな!」

「異論はない」

国王ワシはニーゼの意見だけでなく他の元・復讐者にも確認を取るが、全員ニーゼと同意見だった。

「あ、でも私はダメだ。犯した罪を償わないといけない。報酬(仕事)は貰えないよ」

レリカは自分のしてきた事を思い出し、このまま何もせずに報酬(仕事)を貰うのはおかしいと報酬(仕事)の受け取りを拒否した。

「犯した罪の償いか、ふむ。ではレリカ、お主の働いた分の報酬から国の復旧費としていくらかこちらが貰う、もしくは仕事とは別に君がボランティアで国の復旧作業を手伝うというのはどうかな?」

「そ、そんな事でいいならいくらでも稼ぎます!いくらでも払います!いくらでも手伝います!!両方でお願いします!」

レリカは罪を償う方法を国王から提案され、その両方の方法で罪を償う事を決めた。

「うむ、ではそういう事にしよう。君の生活もあるのだから生活に不自由のないように貰う金額はこちらで指定しよう」

こうしてレリカの罪は償う方法を決めた事で日に日に解消されていくことだろう。

「僕は早くお金を稼いで宿屋にお金を返しに行かないとな」

「あっ!そうだ!私も宿屋に返しに行かないと‼︎」

ノアンの発言でレリカは以前泊まった宿にお金を払わずに泊まった事を思い出した。

「ヘェ〜、レリカもあの宿屋にいたんだ〜!」

「えっ、あの宿屋って私達と同じ宿屋だったの?」

レリカが宿屋と言っただけで同じ宿屋にいたと言い出したノアンにレリカが質問をした。

「え、あ、うん。そうね、お世話になったよ」

ノアンは少し慌てた様子で答えを返した。その様子に気づいたデヒトが喋り方を指摘してきた。

「なんだ!急に喋り方が変になってるぞ?」

「なんか隠してるな?はけ」

ノアンが何か隠し事をしていると見抜いたセファが隠している事を教えるように言ってきた。

「・・・レリカとデヒトを尾行して同じ宿屋に泊まったんだ」

ノアンは正直にその時の出来事を話した。

「お前、趣味悪いぞ」

セファはノアンの行動に対し少し引き気味だ。

「あの時は敵同士だったから!仕方なかったんだよ‼︎」

セファの様子に慌てて尾行していた時のお互いの関係を追加して伝えた。

「まあまあ、じゃあ、ノアンも今度一緒に返しに行こうよ!どうせ能力で払わなくていいようにしたんでしょ?」

「うん、その通りです」

「なら、早いとこ稼がないとな!」

四人の会話を聞いていたニーゼが今やるべき事を言った。

「では、本当に国を救った報酬が仕事で良いんだな?」

そう言って国王ワシは再度、確認を取った。

「ああ!」

「ええ!」

「おう!」

「ああ」

四人の元・復讐者は満場一致で世界を救った報酬が仕事とという事に賛成した。

「んじゃ、決定だ!おっさん、これからも俺達をよろしくな!」


こんにちは!作者のユウキ ユキです!今回をもってこのWORLD REWRITINGは完結します。しかし、これはあくまで小説の完結であってニーゼ達の物語は読者の皆様の中で続いていくと思います。少なくとも私の中でニーゼ達は永遠に生き続けます!そして、この物語についてですが、実は初投稿した日には設定とか、先の展開は全く考えずにただただ書いてみようという勢いで書き始めた物語です。なぜなら、私の夢はライトノベル作家になる事なのですが、小説を書くには何をすればいいのか全くもって知識が無かったので、とりあえず書いてみようと書き始めたからです。キャラクターの名前や物語の内容は毎週毎週ゼロから考えて書いていました。最後まで物語を書くことができたのは登場してきたキャラクター達のおかげだと私は思っています。


《今後について》

これからは自分なりに小説について独学で勉強をするので、しばらくは小説を書きません。そのうちまた書き始めると思いますが、それがいつになるかは自分でも全くわからないです。なので、またどこかで“ユウキ ユキ”という名前の作者が書く物語を見つけたらその時はぜひ覗いてみてください!よろしくお願いします!最後まで読んでくださった方、本当にありがとうございました。本当に感謝です。またどこかでお会いしましょう!では、また次回作〜

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