突然の乱入者
二人の“神”と五人の復讐者による最終決戦が始まった。まず、攻撃を仕掛けたのは復讐者の三人だ。
「はぁぁぁ!!“砂の剣”!」
「“空気の剣”!」
「“加魔刺突”!」
ニーゼ、ノアン、レリカの三人が同時にアルノめがけて技をくりだした。しかし、アルノの能力は対象を書き換える能力、そう簡単にはいかなかった。
「馬鹿が!君たち私の能力を忘れたのかい⁈ライト、攻撃の対象を私からニーゼ、ノアン、レリカに変更。互いに攻撃し合って自滅しろォ!」
アルノは復讐者同士の自滅を狙って攻撃の対象を自分から三人に書き換えた。
「セファ!」
「わかってる、任せろ。ライト、“事象消去”」
セファがアルノが能力を使用したことの事象を掻き消した。これはニーゼの作戦だ。事象を掻き消すことのできるセファは敵の行動に合わせて能力を使うように指示されていたのである。
「なかなか、やりますね」
アルノがピンチになっているが、それを見てもアモノは助けようとはしなかった。
「アルノ!お前の能力はもう何度使っても通用しない、そのまま大人しく俺達の攻撃をくらえェェ!」
「まて!や、やめっ‼︎ぐぁぁぉあおおぉお!」
防御をする暇もなく、アルノは三人の攻撃をまともにくらった。
「すげぇな、復讐者ってやっぱ俺たちとは次元が違うよ」
ニーゼ達が“神”を自称する一人を圧倒しているのを見てレグルは自分達との力の差を実感した。しかし、そんなことには一切興味を持たずに人を探している者がいた。
「なぁ、そういえば、ヤヴェルだんちょーはどこだ?この しろ にいたはずだよな?」
ザギンはアモノを食い止めるために戦っていたが、ノアンとレリカが起きてからはずっとヤヴェルのことを探していた。
「・・・ヤヴェル団長って、セファもしかしてあの時の」
「ああ、きっとそうだな。あの時レリカが殺した騎士だろうな。お前が話せ」
「お、俺が⁉︎」
「私は敵の行動を見ていないといけないからな、必然だ」
「ま、まじか。・・・わかった、話してくるよ」
そう言ってデヒトはヤヴェルの死を伝えるためにザギンの元へと向かった。
「おい、レグル、ヤヴェルだんちょーしらねぇか?」
「ん?ヤヴェル団長?見てないけど」
「そうか、いったいどこにいったんだ?」
ヤヴェルを探しているザギンにデヒトは恐る恐る話しかけてみる。
「あの〜、ザギンさん?」
「んぁ?だれだ おまえ」
「復讐者のデヒトという者です」
「はーん、それで?なんのようだ?おれは いま いそがしいんだ」
ザギンはデヒトにあまり興味を示さなかった。そこで、デヒトは話題をヤヴェルについての話に変えてみた。
「人を探しているんですよね?ヤヴェルという名の騎士を」
「そうだ!しってるのか⁉︎どこだ!ヤヴェルだんちょーは どこにいる⁈」
さっきまでのザギンはどこへ行ったのか、騎士王ヤヴェルの名前を出しただけでこのテンションの変わりようだ。しかし、デヒトが話す内容はとても残念な話なのだ。
「あの、大変言いにくいのですが・・・ヤヴェルという人は殺されました」
「は?・・・ころされただと⁉︎そ、それは ほんとうなのか‼︎ほんとう の はなし なのか⁈じょうだん なら それはそれで おまえを ぶっころす!」
「やめて!殺さないでください‼︎残念ですが、嘘ではありません・・・本当に殺されてしまいました」
デヒトによってザギンにヤヴェルの死が報告された。それを受けてザギンはかなりショックを受けるかと思ったが、そんな事はなかった。いや、実際悲しんでいるとは思うが、表には出さずにいた。そして、ザギンはヤヴェルの死を伝えにきたデヒトに問う。
「だれだ!」
「えっ⁈」
「ヤヴェルだんちょーを ころしたのは どこの どいつだって きいてんだよ!」
ザギンは元団長の死を悲しむだけでは終わらなかった。ヤヴェルの仇をとるつもりだ。
「え、えっと‼︎れ、レリカ!復讐者のレリカですっ‼︎」
ザギンの威圧にデヒトはヤヴェルを殺した人物の名を教えてしまった。
「レリカ?なんか きいたこと あるな・・・あ!あいつかァ‼︎‼︎」
ザギンは自分の記憶を辿ってレリカという名前の人物を思い出した。
「はぁ・・はぁ・・なかなかやるじゃないか。そして、何よりも容赦ないな復讐者共」
ニーゼ、ノアン、レリカの三人の攻撃をまともにくらったアルノがかなりの傷を負っていた。
「当たり前だ、俺たちは復讐をする為にここにいるんだからな。世界消滅の黒幕相手に遠慮なんてするわけないだろ」
「それもそうだね。まぁ、私の能力を使えば体力や傷は回復できるから問題ないけどね」
「それも掻き消してやるよ」
攻撃をくらう事に対して余裕ぶっていたアルノから余裕が無くなったように見えた。
「ッ・・・君かァ‼︎さっきからずっと私の能力の使用を無かったことにしているのは!!そうとわかれば、まずは君から消してやる!覚悟したまえ」
能力の使用が次々と無かったことになっていた原因がわかったアルノは手にした剣をセファの方に向けて構えた。
「消してやるだと?させるわけないだろ。本当に好き勝手やりやがって!もう僕たち復讐者から何も奪わせはしない!僕たちの世界を壊して、レリカを騙したお前にも僕たちと同じくらいの苦しみと絶望を味わせてやる!腕と指の力が有ることを無にする」
「あァ⁉︎剣が・・・‼︎くっ、持てない、掴めない、拾えない!ならば、ライ、ああっ‼︎くそっ」
指の力が全く無い為、能力を使うためにペンを手にしようとしたが、手にした瞬間ペンを地面に落としてしまった。アルノは手でペンを持てないので口でペンを咥えて拾い、そのままペンを自分の腕と指の方向に向けてなんとか能力を使用することができた。
「ライト、私を対象とし、指と腕の力を元の状態に修繕」
しかし、それをセファがほっとくはずがない。
「ライト、“事象消去”」
セファの能力でアルノの能力使用をキャンセルして腕と指の力が戻った事が無くなり、隙を作り出しすことができた。すかさずニーゼ達はその隙に飛び込んだ。
「一気に決めるぞ‼︎」
ニーゼの合図に応えるように静かに頷いたノアンとレリカがニーゼに合わせてアルノに向かっていく。
「これで終わり、“紅炎の一閃”」
自分の中にある最強の技を選び抜いた結果、“紅炎の一閃”が最強の技だった。ベニカの技を書き写したものだが、それでも本家に勝る事はないが中々の威力を発揮する。
「アモノ助けてくれ!・・・お、おい!無視すんなよ!頼む!助けてください!・・・頼むよォ‼︎」
アルノはアモノに救いを求めるも、アモノは全く聞く耳を持たない。アルノはそれでも頼み続けた。
「レリカァァァ!!!!ぶっころしてやる‼︎“ 鬼人瞬攻”!くらえ、 “超・突進撃槍”‼︎」
「・・・っ⁉︎」
「ざ、ザギン⁉︎なにを⁈レリカっ!!」
あと一歩でアルノにとどめを刺さたのだが、なんとそこにザギンが乱入してきて、レリカを自身の最高の技でぶっ飛ばした。
こんにちは!作者のユウキ ユキです!もう1月が終わってしまいますね‼︎年明けたと思ったらあっという間に1ヶ月経ちました。今年は沢山やりたい事、やらなきゃいけない事があるので、できる時にできるだけやりたいと思います!皆さんもやりたい事をやってみてください!楽しいですよ!きっと!そして、今年もたくさんの良い思い出ができますように!では、また次回〜




