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WORLD REWRITING  作者: ユウキ ユキ
獅子座救出篇
37/59

星放社vsニーゼとレオン隊

「“砂の剣(サンドスパーダ)”、“砂塵の防壁(サンドバリアー)”、俺の全力を持ってお前たちを倒す!」

ニーゼは右手に砂の剣(サンドスパーダ)、自分の周りに砂塵の防壁(サンドバリアー)を生成し、最強の攻撃力と防御力を同時に使用した。そして、余った左手にはペンを持っていた。

「おらぁ!!そんなもん このおれが けちらしてやるよ!“鬼人瞬攻(ライオーガ)”!」

怒りで生み出したザギンの新技・鬼人瞬攻(ライオーガ)はザギンの魔力と体力が尽きるまで使用可能な突進撃槍(アサルト・スピア)とは比べ物にならない程のパワーとスピードを兼ね備えたドーピングだ。

「ザギンの魔力と体力に限りが有ることをニーゼを戻すまで無にする!」

ノアンの能力でニーゼを下僕から戻すまでザギンの魔力と体力は永久に尽きることが無くなった。

「そんなことしても俺には通用しないっ!はあああ!」

鉄の鎧も簡単に貫通する砂を操るニーゼがザギンめがけて突撃してきた。

「それは おまえの ぼうぎょりょくが おれより つよい ばあいだ!いまの おれは おまえより つよい!」

ザギンは向かってくるニーゼに王邪の槍(キング・ランス)を構える。

「くらえっ!」

ザギンに砂の剣(サンドスパーダ)が振り下ろされる。しかし!

「なっ⁉︎」

「この ていど か!」

ザギンの王邪の槍(キング・ランス)によって砂の剣(サンドスパーダ)が弾かれた。ザギンは自分の攻撃力がニーゼより高いことを確認すると追撃を開始した。

「さっきの おかえしだ 、しっかり うけとれ!!」

なんと、ザギンの攻撃で砂塵の防壁(サンドバリアー)が破壊された。

「くそっ!だが、破壊されてもまた作り直せば問題ない」

ザギンが破壊した砂塵の防壁(サンドバリアー)がすぐに復元される。

「ふんっ、そうでなくては つまらん!」

「ザギン!早く決着をつけるぞ!“空気の剣(エアスパーダ)”」

ノアンは両方の手に空気の剣(エアスパーダ)を生成した。

「かかってこい!お前ら二人とも返り討ちにしてやる!」

その時!

『あーあー、ニーゼ?聞こえる?』

「えっ、あ、聞こえますよって、ちょっと待っ」

ニーゼにレリカから通信魔法で連絡がきた。が、そんなことはお構い無しでノアンとザギンの二人は遠慮なくニーゼに休む暇など与えずに攻撃を繰り出していた。

『どうしたの?』

「あ、いや!何でもないです!」

『そう、なら作戦を伝えるわ』

空気の剣(エアスパーダ)が振り下ろされ、ニーゼはそれをギリギリでかわした。

「さっ、作戦ですかっ!な、何の⁈」

作戦という言葉に心当たりが全くなかったニーゼは何の作戦なのかをレリカに問いかけた。

『国盗りよ、これから私が城を乗っ取るから・・・って感じ。わかった?』

レリカが作戦内容を詳しく伝えていたが、その間もノアンとザギンの攻撃は止むことはなかった。

「りょっ、了解した!」

『それじゃ、作戦通りにお願いね』

攻撃を避けたり弾いたりしながら、なんとかレリカとの通信魔法が終わった。

「てめぇら!少しは遠慮しろ!」

通信をしている間も躊躇(ためら)うことなく攻撃を続けていた二人がいた。

「えんりょ?なに いってんだ おまえ。かかってこいって いったの おまえ じゃねーか」

「ザギンの言う通りだな。それに敵に遠慮なんかするわけ無い」

そう言って二人は再び攻撃を開始した。

「くっ!くそっ!(一人ならまだしも、さすがに二人はきついか‼︎)」

ニーゼがこの二対一の状況があまり良く無いと思い始めた。

「ザギン、あの砂の壁を全部壊せるか?」

「まかせろ、“超・突進撃槍(アサルト・スピア)”」

鬼人瞬攻(ライオーガ)状態のザギンがニーゼに突進撃槍(アサルト・スピア)を放った。すると、ニーゼの周りにあった砂塵の防壁(サンドバリアー)が全て弾け飛び、ニーゼの最強の防御力が消滅した。

「その攻撃力はなんなんだよ‼︎ちくしょう!防御が無くても俺には‼︎」

そう言ってニーゼはペンを握って唱えた。

「ザギン!もういいぞ!あとは僕に任せて!」

ノアンの言葉でザギンが後退する。

「なっ!逃げんのかっ!まだ勝負は終わってないぞ!」

「大丈夫、心配するな。君の相手はこの僕だ。空気の剣(エアスパーダ)に洗脳を解除する力が無いことを有にする。これで終わりだ、くらえっ!!」

ここでノアンが空気の剣(エアスパーダ)を二本作り出していたことが勝負の決め手となった。ニーゼはノアンの最初の攻撃はなんとか右手の砂の剣(サンドスパーダ)で防ぐことができたが、ノアンのもう片方の手にある空気の剣(エアスパーダ)の攻撃を防ぐことができなかった。そして、攻撃をくらったニーゼはその場に倒れてしまった。

「お、おい、これ だいじょうぶ なのか?こいつ クレンとかいうやつの しりあい なんだろ?いきてんのか?」

倒れたニーゼを見たザギンは生死の確認を攻撃した本人に聞いた。

「大丈夫だよ・・・きっと」

結構な手応えがあったノアンは自信なさげに『大丈夫』と答えた。

「きっとかよ!!」

「倒れたニーゼも心配だけど、それよりも今は奥のみんなの方だ!レオン隊を元に戻しに行かないと‼︎」

アジトの奥では星放社(せいほうしゃ)のみんなが戦っている。

「そうか、そういえば これでおわりじゃなかったな。よし、いくか!」

そう言ってザギンは倒れたニーゼを担ぎ上げ、アジトの奥へと歩き出した。

「ああ、それよりお前の体力と魔力の制限はもう永久じゃないからな!気をつけろよ」

ノアンの能力で付与された効果が切れたことを注意するようにザギンに注告した。

「わかった」

ノアンとザギンはアジトの奥へと向かっていった。


一方その頃、アジトの奥ではノアン達と同じように二対一の勝負が繰り広げられていた。

「さすがに二人相手は無理なのか?」

シンクは全然攻撃してこない相手に心配してしまう。

「うるせぇ!てめぇらが何人かかって来ようが俺には通用しない!」

負けず嫌いなのか、レグルは強がってシンクの気遣いをそっちのけ、刀を構え直した。

「そうか、なら遠慮なく続けるぞ」

「続けるぞ〜」

レグルはシンクとセツキの二人を相手にして戦っていたが、自分の攻撃するタイミングが全くと言っていいほどに無く、守りに徹していた。

「レグル殿、お主以外のレオン隊は全員拘束した。もう、降参した方が身のためだぞ」

助けに入った本隊が戦闘が始まるとあっという間に下僕のレオン隊を圧倒し全員を拘束することに成功したのだ。

「黙れっ!!俺の部下が負けても俺が全員に勝って助ければいい!お前らも覚悟しとけよ?この二人が終わったら次はお前らだからな!」

周りにいる星放社(せいほうしゃ)に向けて手に持つ刀を横に振りながら一人一人の顔を睨めつけてきた。

「・・・レグル。バカみたい、下僕になっても全然変わってないじゃん・・・」

レリカの下僕になっても仲間を思う気持ちと絶対に諦めないレグルの変わらない姿を見たクレンから涙が溢れる。

「みんなー!無事か⁈」

ノアンとザギンが到着した。

「お、おいっ‼︎ニーゼ!!嘘だろ・・・ま、負けたのか?」

ザギンに背負われていたニーゼのぐったりとした姿を見たレグルは驚きを隠せずにいた。

「え、えっ⁉︎ニーゼェッ⁉︎ノアンさん、こ、これは?」

一方、もう一人のレオン隊副隊長は驚きと嬉しさなど様々な感情が一気に込み上げてきた。

「大丈夫、戻した。もうニーゼは下僕じゃないよ」

ニーゼの名前を聞いた途端に飛びついてきたクレンに下僕だったニーゼを洗脳から解放したことを伝えた。

「・・・よかったぁ、元のニーゼに戻ったんだね・・・」

元に戻ったニーゼを見てホッとしたクレンは体の力が抜けてしまい、その場に座り込んだ。

「ありゃ、まだ一人残ってるのか」

ノアンがみんなの真ん中でシンクとセツキの二人と戦いながらまだ抵抗を続けている人物がいるのを確認する。

「あの人はレグルっていう名前で私と同じレオン隊の副隊長です」

まだ抵抗している人物の情報をノアンに教えた。

「そうか、わかった。シンク!これを使え!」

副隊長だと聞いて拘束するのは難しいと判断したノアンは自分の手にあった洗脳を解除する力が新たに加わった空気の剣(エアスパーダ)をシンクに向けて投げた。

「んあっ⁈わっとっと!危ねぇな!ってこれはノアンがいつも使ってる・・・」

いきなり剣を投げてきたノアンに怒りつつも手に取った剣が何の剣なのかわかった。

空気の剣(エアスパーダ)だ、その剣で攻撃を当てれば洗脳が解ける」

新たに付与した力のことを教え、レグルの洗脳を解くように仕向けた。

「まじでか!よっしゃ、任せとけ!セツキ、サポートを頼む!」

「任せとけ〜」

二人は再びレグルに向けて武器を構え、斬りかかるタイミングを見計らっている。

「何を企んで嫌がる‼︎てめぇら二人まとめて蹴散らしてやるよ!」

下僕のレオン隊、最後の一人との最後の戦いが始まった。

こんにちは!作者のユウキ ユキです!最近寒くなってきましたね。でも、私の部屋にまだ扇風機がいます。時々、暑くなることがあるんですけどそろそろしまおうと思います。今は季節の変わり目なのかな?私は夏より冬の方が好きなのでこれからの季節が楽しみですが、冬が苦手な方は頑張ってください!気持ち次第でどうにかなることもあるかもしれません!では、また次回〜

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