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WORLD REWRITING  作者: ユウキ ユキ
獅子座救出篇
36/59

戦況の変化

ノアンたちがニーゼに苦戦している一方で、アジトの奥ではベニカとレグルが戦闘中だった。そして、それをクレンが心配しながら見守っていた。いや、クレンには見守ることしかできなかったのだ。

「てめぇらは一体なんなんだ!急に攻めてきたと思ったらあまり戦わずにここまで来たらしいじゃねーか。目的は何だ⁈」

レグルはノアンたちがレオン隊のアジトを攻めてきた理由を聞いた。

「我らの目的はお前たちだ」

嘘は言ってない。星放社(せいほうしゃ)の目的は下僕にされた十二星座を下僕から解放することだ。

「・・・?、意味がわからん。攻めてきた目的が俺たちだと?」

ベニカの言うことに頭を悩ませているとクレンが近づいてきた。

「ね、ねぇ。レグル?私のことわかる?」

レグルに自分のことを尋ねた。

「クレン、近づくな。そいつらはお前の仲間でも、今はクレンのことを敵と認識している」

今のレグルはレリカの下僕で敵になってることをクレンに言った。

「・・・わ、わかってる。わかってはいるの・・・ごめんなさい」

レグルから距離を取り、振り向いてベニカに謝罪をした。しかし、敵に背を向けたその一瞬の隙をレグルは見逃さなかった。

「背を向けたなぁ!“雷怨(ライオン)”」

レグルが魔法か何かで漆黒に染まった雷を出現させ、持つ二本の刀に纏わせた。

「“闇黒雷刃剣(あんこくらいじんけん)”」

手に持つ二刀を構え、クレンの方を見た。

「ッ⁉︎まずい、クレン!」

ベニカがレグルの動きに気づいた。

「もう遅い!“雷速(ライソク)”」

そう言った瞬間、ベニカの視界からレグルが消えていた。

「速度を上げたか。しかし、速くて目で追えないなら別のものでお前の位置を確認するだけだ、“熱分布開示(サーモアイズ)”」

ベニカが魔法を使った。

紅華(べにはな)、クレンを守るぞ」

ベニカはゆっくりと紅華(べにはな)を構える。

「(この速度に追いつけないくせに何言ってんだ)まぁ、いい。まず一人!・・・なっ⁉︎」

なんと、ベニカが追いつけないはずのレグル動きを完璧に捉え、クレンに当たる前に刀がしっかりと防がれていた。

「何を・・・したんだ?」

レグルは驚いていた。自分の速度に対してベニカが完璧に攻撃を防いだからだ。

「温度を見ただけだ」

「温度?何言ってんだ温度なんかどうやって見んだよ!」

普通は温度なんて肉眼では見えない。しかし、ベニカにはそれができる。

「私の魔法は熱を操ることが可能だ。そして、操ることができるなら私の目に温度を可視化することも可能だということだ」

ベニカの目にはくっきりとレグルの動きが見えていたのだ。ベニカの魔法“熱分布開示(サーモアイズ)”とは目で見たものの温度が見えるようになる魔法だ。簡単に言うと視界がサーモグラフィーになるということだ。

「なるほど、俺の体温で温度が変わる場所を見て速度に対応したということか」

「その通りだ。では、対策を打たれる前に決着をつけようか」

そう言ってベニカはレグルに紅華(べにはな)で斬りかかる。その攻撃をレグルは必死に闇黒雷刃剣(あんこくらいじんけん)の二刀流で受け流し、熱分布開示(サーモアイズ)への対策を考えながら反撃の機会をうかがっていた。


その頃、アジトの入り口で撤退した者たちは・・・

「団長!団長!ザギン団長ってば!」

「起きないな。なぁ、ノアンさんの言ってたことは本当か?団長が弱いと言われショックで戦意を喪失してしまったというのは」

王国騎士団の一人がザギンの戦意喪失に疑問を抱いていた。

「どうだろうな。ノアンさんのことは信頼はしてるけどあのザギン団長が戦意喪失なんて信じられないよ」

もう一人の団員もザギンの戦意喪失を疑っていた。

「だよなー」

そう言った次の瞬間!

「おらぁ!!!」

急にザギンが叫んだ。

「うぉお!」

「ザギン団長⁈」

二人はとても驚いた。まあ、今の今まで気を失っていた人が急に叫んだら誰でも驚くはずだ。

「・・・?なんだ おまえら こんなとこで なにしてんだ?さくせんは?」

今の状況がわかっていないらしい。

「いや、ノアンさんが団長を撤退させろって言うから。ていうか、大丈夫なんですか?」

団員の一人が状況をザギンに説明する。

「おれは へいき だ。それより、てったい だと?なんでおれが」

ザギンの体は特になんともないらしい。それよりも自分が戦場から撤退したことに不満をみせる。

「えっと、ノアンさんが言うには戦意喪失して動かなくなったって」

ザギンが撤退することになった経緯を説明する。

「・・・は?おれが せんいそうしつ?そんなことした おぼえはないぞ?ましてや あんなやつの まえで そんなことするわけねぇだろ!!」

台詞の最後に怒りが混じっているような言い方だった。

「急にどうしたんですか⁉︎」

「うーん」

やはり、ザギン団長の体に異常があるのか?と団員の一人が考えていると。

「あー!そういえば!おれは あいつの ことば に イライラして それから の きおく がない。ていうか、あんなに イライラしたのは うまれて はじめてだ」

ザギンが気を失うまでの出来事を思い出した。

「えー、つまり、戦ってた相手の言動にイライラして、その怒りが限界まで達し、オーバーヒートして失神したのかな?」

ザギンの話を聞いて戦意喪失ではなく、怒りでオーバーヒートし、失神したのではないかと結論付けた。

「そんなことってあるのか?」

団員の疑問の通り、そんな話は聞いたこともない。

「実際、ザギン団長がそうなんじゃないの?」

聞いたこともないが、ザギンならあり得ると納得するしかない。

「よくわからんが、そうなのかもな!イライラしたのは じじつ だしよ!」

ザギンは戦意喪失などしておらず、ニーゼの言動に怒りでオーバーヒートし、失神していたという。

「そんじゃ、とっとと もどるぞ!あいつを ぶっつぶさねぇ と きが すまねえ!いくぞ!」

ザギンと二人の団員はレオン隊のアジトへと再び向かった。


・・・所変わって再びベニカvsレグルだ。

「なかなかしぶといな、てめぇ」

全攻撃を防ぎ、自分の速度にも対応してなお、体力が有り余っているように見えるベニカに若干疲れてきた。

「当然のことだ」

ベニカにはレグルの見立て通り全然余裕があった。

「・・・ん?あ〜、だけどよぉ〜、お前の仲間はそうではないらしいぜ?」

ここでレグルがベニカの仲間の状態に気づいた。

「なんのことだ?」

言ってる意味がわからず、聞きかえす。

「後ろを見てみろよ」

そこにはベニカと一緒に奥まで攻めてきた少数精鋭部隊が疲れ切った姿で立っていた。

「お、お前たち・・・ッ‼︎」

少数精鋭部隊は今までベニカの邪魔はさせまいとレオン隊のほぼ全員と戦っていた。

「き、気にしないでベニカさん。私たちは平気・・だから・・・」

とても平気とは思えない声だった。

「副隊長・・・もうこれ以上は・・」

クレンの部下も、もう限界だということを伝えてきた。

「ハハッ!お前の仲間はもう限界らしいな!お前も後ろの仲間ももう終わりだぁ!」

「「終わってたまるかぁー〜!!」」

「・・・あぁ?げぶぉ!」

声のした方を振り向いたレグルの顔面に凄まじい威力のダブルドロップキックが炸裂した。

“ズドーン”

レグルはアジトの壁に吹っ飛ばされた。

「大丈夫?ベニ姐!」

「ああ、問題ない大丈夫だ。ありがとうシンク、セツキ」

ベニカの無事を確認し、シンクとセツキは安心した。そして、すぐに吹っ飛ばした方を睨みつける。

「・・・あいつベニ姐のこと散々攻撃しやがって!許さぁーん!!」

「許さ〜ん!!」

ノアンの指示で先に行った本隊がシンクとセツキの後に続いて到着し、シャブニカたちが疲れ切った少数精鋭部隊の援護をし始める。そして、すぐに戦況はガラッと変わった。

「はぁはぁ・・・てめぇ、許さねぇのはこっちダァ!このクソ女ども!」

吹っ飛ばされたレグルが起き上がってすぐにシンクとセツキに罵声を飛ばした。

「おーおー、言ってくれるじゃねぇか!上等だ、私らが相手してやるよ。かかって来いや!」

「来いや〜!」

シンクとセツキは腰の短刀を抜き、気持ちを戦闘モードに切り替える。この時ほぼ同時にオーバーヒート寸前の『怒り狂った』ザギンが再び戦場に復帰することで、ノアンに加勢し、今のまでノアンと互角に勝負していたニーゼを追い詰めることとなった。本来の作戦通りではないが、ここからが星放社(せいほうしゃ)の本当の戦いだ!

こんにちは!作者のユウキ ユキです!最近の服装にとても悩んでいます。なぜなら、朝は寒くて昼は暑くて夜はその間くらいの気温だからです。朝何を着て家を出るべきか半袖か長袖かそれとも両方か・・・。これらのことから個人的には早く冬になってほしいです。では、また次回〜

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