初対面、そして、初任務
所変わってここは王都にある商店街のとある店だ。店の中ではなにやら騒いでいるようだ。
「セファ、あなたはなにやっていたの?」
店の端っこで縮こまっていたセファに自分達が忙しかった時に何をしていたのか?と、レリカが質問をした。
「お、俺はショックを受けていました。いえ、ショックを受けています」
過去形から現在進行形に言葉が変わった。
「は?ショック?・・・なんで?」
レリカは全く見当がつかず、セファに問いかける。
「憶えていないのですか⁈さらに心にダメージをくらいました。ああ、俺はもうダメです」
だんだんセファの顔色が悪くなっていく。
「・・・な、何を言っているのかさっぱりだわ。詳しく教えてちょうだい」
レリカはよくわからないこの状況の情報提供を求めた。
「ええ、話しますとも。この俺の身に起きた全てを!まずはですね、俺がサボテン料理で最後にカレーを出した時です」
そう言われてレリカはノアンがサボテンを持って拠点に来た時のことを思い出した。
「レリカ様は料理を見た途端に食べることすらしないでどこかへ行ってしまいました」
セファは間違ったことは言ってない。
「確かに食べずに計画を実行しに行ったけど、あれは・・・」
セファはレリカのセリフが途中でも構うことなく続きを話しだした。
「でも、ノアンは食べてくれたので美味しいか聞いたら首を横に振りました。その後ノアンもどこかへ行き、それに続いてデヒトもどこかへ行ってしまった。俺はお店にひとりぼっち、いや、食べられることがなかったカレーと一緒に俺も置いていかれたのです。俺はこんなに傷ついたのは初めてです。そして、俺はしばらく立ち上がることができなくなりました」
セファは自身に起きたこと全てをレリカに話した。
「これがショックを受けて縮こまるまでの過程です」
「は?」
レリカはセファの語った縮こまるまでの過程が思ったよりも、かなりアホらしくて思わず聞き返した。
「え、いや、今話した通りです。そのせいで俺はショックを受け、レリカ様やデヒトの加勢に行くことができなかったのです!」
レリカが思わず聞き返したアホな過程で縮こまっていたことが原因でに加勢に行かなかったとセファは堂々と発言した。
「ただのアホね。私がカレーという食べ物を食べなかったのは白いつぶつぶが虫の卵みたいで気持ち悪かったからだけど・・・。それでショックを受けて縮こまってるなんて、どんだけメンタル弱いのよ⁉︎」
レリカはセファのメンタルの弱さに改めて驚いた。
「仕方ないですよ、これが俺なんですから」
セファは自身の心の弱さはもう変わることはないとレリカに伝えた。
「もういい、今すぐその性格を書き換えてあげる。あ、拒否権は無いわよ?」
そう言ってすぐにペンを取り出し、セファに向けて構え唱えた。
「ライト、まずは心にダメージを負ったことの記憶を消して、それからこの記憶も消して、えっと・・・」
レリカはセファの記憶を消したり、新たに書き加えたりしてセファの性格を変えてしまった。
「これでもう大丈夫かな。もう縮こまったりしないで、次からはちゃんと下僕としての役割を果たしてね!」
セファの性格を書き換えて、次はしっかり働くように言い聞かせた。
「お任せください!レリカ様の為ならなんなりと!」
これでもう些細なことでショックを受けたりはしないだろう。
「それで良し!」
無事にセファの性格を書き直すことができてレリカも一安心だ。
「あのー」
店の外から誰かが訪ねてきた。
「?、だ、誰?」
店の外から話しかけてきた人は見知らぬ男の人だった。その人物は黒の帽子に黒のコートに茶色のズボン、そして白い靴を履いていた。
「あ、えーと、俺はニーゼだ。デヒト様に言われてこの場所に来たんだけど」
デヒトという名前を聞いてレリカは瞬時に理解した。
「あー、デヒトが下僕にした新たな復讐者ね。大丈夫よ、この場所であってるわ」
新たな復讐者ニーゼが元クレンの部下達と共にレリカの拠点にやってきたのだ。
「よかった、ここが拠点なのか?」
そこは商店街にあるごく普通のお店だった。
「そうよ、なにか文句でも?」
拠点を眺めるニーゼの目を見て不満そうに見えたのか、レリカは少し強めに聞いてみる。
「い、いや!文句なんかないですよ‼︎」
なんなんだ、この人!急に怖くなったんだけど‼︎
「そう、それであなたの後ろにいる人たちは何なの?」
ニーゼの後ろには十数人、鎧を着た人たちが立っていた。
「ああ、こいつらはレオン隊の奴らだ」
デヒトに記憶を書き換えられ、下僕にされた元クレンの部下のレオン隊で、レリカが下僕にしたレオン隊とは別である。
「ふーん。まぁ、いいや。ニーゼだっけ?こいつはセファで、私の名はレリカよ、憶えておきなさい。それで早速だけど任務よ。あなたはレオン隊のアジトに行ってもらうわ。そこでレオン隊の指揮を執ってもらえる?」
レリカは自己紹介を簡単に済ませ、ニーゼも計画に利用するためにレオン隊に向かうようニーゼに言った。
「指揮を執る?」
急に指揮を執れって言われて俺は少し困惑した。
「そう、残りを下僕にしたらすぐに仕掛ける予定だから。その時の作戦と作戦開始の合図は通信魔法で伝えるからよろしく」
着々とレリカの復讐者としての計画が進んでいるみたいだ。
「よくわからんが、わかった」
きちんと話の内容は理解してないが、この人の言う通りにすればいいことだけはわかった。
「それじゃ、レオン隊のアジトの場所は書き込んであげる。ライト・・・」
そう言ってペンを取り出し勝手にニーゼの記憶にレオン隊のアジトがある場所を書き込んだ。
「なんだこれ⁈レオン隊のアジトなんて行ったことないのに、場所がわかる‼︎お前何者なんだ⁈」
俺はレオン隊のアジトがわかることに驚き、レリカという女が何者なのか気になって聞いてみた。
「あなたと同じ」
レリカは正直に答えてくれた。
「俺と同じ?・・・ま、まさか!お前も・・・っ‼︎」
復讐者ってのは一体どれくらいこの世界にいるのだろう?俺はそう思った。
「そう、わたしも復讐者。だけど、あなたと違うところが一つあるわ、わたしの復讐は終わったあなたと違って終わっていないってことね」
デヒトによって記憶を書き換えられ、下僕となったニーゼは復讐をすることがもうできない為、ニーゼは復讐者としての役割を果たすことができない。
「俺の復讐は終わり?」
「そうよ」
ニーゼの質問に対して
「レリカ、あなたの復讐が終わってないのなら俺も終わっていない。あなたが復讐を遂げた時、その時が俺の復讐も終わりの時だ」
ニーゼは少しカッコつけたのか、“レリカの復讐が終わるまで俺の復讐は終わらない”などということを言い出した。それも堂々と。
「・・・何を言っているのか、さっぱりだわ。早くレオン隊のアジトに行きなさい」
レリカはニーゼの言っていることが全く理解できなかった。なので、レリカの頭の中でニーゼに対しての印象が変な人に変わっていた。
「あ、はい。行ってきます」
そして、ニーゼは下僕になったレオン隊のいる東の砂漠へと向かった。しかし、この時すでにノアン達はレオン隊のアジトへと出発していた。
こんにちは!作者のユウキ ユキです!最近、私が興味のある映画の上映が始まりました。見に行きたいけれど時間がないのです。最近発売されたゲームが家にあります。一日中やりこみたいけど時間がないのです。ああ、どうして一日は24時間なのだろう?倍の48時間にならないかなぁ〜と、最近の私は一日の時間について考えています。皆さんも一度くらいは一日の時間について考えたことありますか?では、また次回〜




