絶体絶命に救いの手を
やあやあ、みんな!久しぶりだな!アクセスじゃないぞ?一応この物語の主人公ニーゼだ!みんなはもう忘れているかもしれないが、今現在、過去の話をしている。そして、この物語の主人公であるこの俺も、しばらく登場していない。まったく、いつになったら俺は再登場するのだろうか・・・。主人公が俺からノアンのやつに変わってしまいそうだ。でも大丈夫だ!俺ももう少しで登場するし、現在にももうすぐ繋がるという情報を手に入れた!あと少しだ!だからみんな、りりもう少しだけ過去の話に付き合ってくれ!・・・
・・・スナハ王国内の地下で足音が聞こえる。
“タッタッタッタッ”
足音は二人分の音が聞こえる。その二人は地下水路を走っていた。
「ノアン、赤い点はどうだ?」
「さっきの場所から動いてはいないみたいだ」
“赤い点”とはノアンの能力で出現した地図に印されているデヒトの居場所だ。
「そうか、ならこの先にある分岐点をを左に行こう」
「了解!・・・ヘヘッ、お前らの真似してみた」
蟹座の焔赤兜が組織内で使っている言葉をノアンが使ってきた。
「ノアンお前、それをシャブニカ将軍の前では使わない方がいいぞ」
「えっ、やっぱ、蟹座とは無関係な僕が使うのはまずかった?」
ノアンは焔赤兜が使っている言葉を勝手に使ったのがいけなかったのかと思ったが、違った。
「いや、そうじゃなくて、別にノアンなら全然使ってもいいんだ。・・・だだ、シャブニカ将軍がノアンが我ら焔赤兜の言葉を使うのを見たら多分、ノアンが我らの組織に入りたいと思っていると勘違いして、サプライズ勧誘会とかを考えたりするかもしれない」
「まじで?」
「うん、あの人ならやりかねない。あー、ここ左ね」
「おお、分岐点か」
二人は左右に分かれている地下水路の分岐点を左へ行った。
「この地図の場所だと・・・多分もう少しで真下くらいね」
「じゃあ、もうそろそろ出るか」
「出る?どうやって?この辺に出入り口はないぞ?」
唐突に地下水路から出ようとノアンが言ったが、ベニカの言う通り辺りに地上へ出るための出入り口は存在しない。だが、ノアンにはそんなこと関係なかった。ペンを構え、唱えた。
「地上へ出る為の出口が無いことを有にする」
「あー、そうか。お前そうだったな」
ノアンの能力を思い出したベニカがノアンに視線を向けた。
「そんな目で見ないでくれよ‼︎」
「いや、別に軽蔑しているわけではないぞ」
「若干引いてるでしょ⁉︎」
「そんなことより、出口が出来たんだから出るぞ」
「そんなことっ⁉︎そんなことか⁇」
「そんなことよ、ほら、行くよ」
「あ、ああ」
二人はノアンが有ることにした出口から地上に出た。
「お、おい、ノアン」
出口から出たベニカが信じられないような様子で出口の方を見ていた。
「どうした?・・・ああ、出口の穴が無いことか?」
「そうだ、今私達が通ってきた出口が無くなった・・・」
ベニカの目線の先には先ほど二人が通ってきた出口の道が無かった。
「そりゃ、そうだ。出口は有ることにしたけど入口は無いままだからね。外側からさっきの出口は見えない」
「な、なんだそれ・・・理解不能だ」
「まあ、不思議な穴だってことさ」
「はあ・・・」
「さ!行こう!これ以上レリカの下僕を増やすわけにはいかない。目的地はすぐそこだ」
二人は地図にあるデヒトの居場所を示す赤い点を目指して進んだ。
・・・この時、デヒトの前にはニーゼとクレンがクレンの部下を連れて来ていた。ニーゼは自身の能力でデヒトに立ち向かったが、デヒトの能力を知らないニーゼは記憶を書き換えられ、デヒトの下僕と化してしまった。そして、ニーゼが下僕になった少し後にノアンとベニカが到着した。
「くそっ!間に合わなかった‼︎新たな復讐者がデヒトに記憶を書き換えられてしまった・・・‼︎」
ノアンがあと少しのところで間に合わなかったことを悔やんだ。
「でも、まだクレン達は助けられるんじゃない?」
ベニカの言葉を聞いて、ノアンはまだ諦めてはいけないと強く思った。
「そうだね、彼女達は必ず助けよう!」
「で、どうするの?」
相手には復讐者二人に武装したクレンの元部下達がいた。それに比べてこちらの陣営はノアンとベニカの二人だ。
「そうだなぁ〜、僕が一人で行ってクレンちゃんと、まだ記憶を書き換えられていない部下達を素早く救ってくるよ」
ノアンが一人で迅速に対応すると提案した。
「私もいるんだぞ?お前一人に行かせるわけないだろ」
ベニカは当然ノアンが一人で行くことを否定した。
「まあまあ、聞いてくれって。あいつはレリカの仲間のデヒトってやつだ。あいつの能力は・・・」
突然、ノアンがデヒトの能力を言うという大事なところで黙った。
「?、どうした?そのデヒトってやつの能力はなんだ?」
「・・・え、いや、知らない。奴の能力はわからない・・・」
さっきまでわかっている風に語っていたのに急にわからないと言い出した。
「は?今、知っている風に喋ってたじゃないか」
「多分・・・レリカに消された」
ノアンの記憶の中にあったデヒトの能力についての情報がレリカに消されたらしい。
「何を言っているんだ?お前も私達と同じで記憶は書き換えられないんじゃないのか?」
「いや、これは記憶じゃない。事象を掻き消された。僕がデヒトの能力を知った事象を」
レリカに消されたのは記憶ではなく、事象だという。
「⁇?、さっき、あいつからその能力は無くなったじゃないか。意味がわからない・・・」
「僕もびっくりだよ。でも、これは事象が掻き消されているとしか思えない」
仮に事象が掻き消されたとして、ここで一つの疑問が生じた。
「なんであいつはまた無くした能力をもう使ってるんだ?」
ベニカの言う通り、レリカは先ほどの戦闘でノアンに事象を掻き消す能力は無くされている。
「レリカは・・・どんな能力も書き写すことが可能だ。おそらく、シンクの光速移動も書き写して、事象を掻き消す能力を持っている仲間の元に向かったんだ」
元々、事象を掻き消す能力を持っているのはセファという復讐者だ。そして、レリカはセファのところに行って、また能力を書き写したのだ。
「それで・・・ノアンがデヒトってやつの能力を知った事象を掻き消したのか・・・。じゃあ、なんでレリカの書き写す能力を無くさなかったんだ?それを無くせばお前の勝ちだったじゃないか」
ベニカ言うことは正しい。しかし、それができないのには理由があった。
「僕の能力で無くせる能力は自分で付け足した能力だけだなんだ。だからさっきレリカがもともと持っていた能力を書き写す能力ではなく、事象を掻き消す能力を無くしたんだ」
「少しは制限があるんだな、その能力」
ベニカの言う少しの制限はあるが、有無を書き換える能力はほぼ無敵に近い能力だ。
「うん。それで、どうするかだけど、多分あいつの能力は記憶を書き換える能力だ」
ノアンがレリカの使っていた能力を思い出し、デヒトの能力を推測した。
「私もそう思うよ。だって、さっき、新たな復讐者の記憶が書き換えられてしまったってお前が言ってたからな」
ベニカはノアンの言葉を憶えていた。
「えっ?あ、そうだっけ?」
「うん」
「なら、話が早い。僕にその能力は効かない、もちろんベニカ、君もだけどね。ただ、ここは僕だけに行かせてほしい」
ベニカもいるのになぜかノアンは一人で行くと言い出した。
「なぜだ?」
「相手がデヒトだけだからだ。あいつなら多分余裕で勝てる。それにシンクやセツキが心配してるだろうから先に君だけでも王都の城に向かってほしい」
ノアンの考えた作戦は先に逃げたシンク達のことも考えた作戦でもあった。
「ふーん、仕方ない。そこまで言うならここは君に任せるよ」
シンク達のことも心配なベニカは王都の城に行くことにした。
「ああ、任された!」
「それじゃあ、先に行っているぞ。余裕ぶっこいて死ぬんじゃないぞ」
「わかってる!」
その場はノアンに任せてベニカは王都にある城へと向かった。その直後、新たな復讐者が殺意を垂れ流しながらクレンに近づいていた‼︎
「私はニーゼのこと・・・信頼してたよ・・・一緒に探してくれて・・・とても嬉しかったんだよ?」
「何を言ってるのかわからんな。終わりだ・・・死ぬがいい」
そう言って新たな復讐者が砂の剣をクレンに向け振り下ろそうとした。
「砂の剣の攻撃力が有ることを無にする!」
ノアンの唱えた言葉通り、砂の剣には攻撃力が無くなり、クレンには傷一つなかった。そして、その場に残ったノアンは見事デヒトを打ち負かし、クレン達を助けた!そして、クレンとその部下達を連れて共に地下水路へと向かった。
こんにちは!作者のユウキ ユキです!皆さんは好きな季節ってありますか?私は冬が好きです。今の季節は夏ですが、私は夏は苦手です。苦手な理由は暑いからです。朝も昼も夜もぜーんぶ暑いです。夜なんか暑くてなかなか眠れませんよ!やっぱり、夏より冬のがいいです。暑いより寒い方がいいです。ではまた次回〜




