第22章 リヴァイアの底力
リ「ギャアアアアア――ン!!」
リヴァイアの攻撃は留まるところを知らない。他の部隊も皆押されがちだ。
イ「くそっ!強い!」
ヒ「あり得ないくらいに成熟し切っちまったからなあ。もはや今までのやつとは比べもんにならんで。」
ヒュペリオがそう呟いた時。
「助太刀に来たり!」
大量の光日族と闇夜族がこちらに向かってきた。皆自分の武器を持っている。
「ここでは戦の仕来りなど不要!何としてもリヴァイアの進撃を防ぐ!それだけを念頭に、全力で戦え!」
「オオ―――ッ!」
そして、みんな一斉にリヴァイアに攻撃を始めた。攻撃技を駆使する者、人間の武器で対抗する者、特殊技を活用する者…。いずれも凄まじき勢いである。しかし。
リ「ウォオオ――ン!!」
強烈な尻尾攻撃やハイドロポンプによって蹴散らされてしまった。
「だ、駄目だ…大きさが違いすぎる…!」
イーリスは大きさと言う単語を聞いて、ふとある考えが浮かんだ。そこで、近くの医学隊員にこう尋ねた。
イ「おい、エリキスのサンプルは持ってたか?」
エリキスとは、太陽龍にとっての薬草だが、月光龍に与えると巨大化する毒草の事だ。第4章参照。
「ああ、持ってるが、どうするんだ?治療なら俺らがやるぞ?」
イ「1本貸して欲しいんだが。」
その時、医学隊員はイーリスの考えを読んだのか、
「お前!そんなことしてみろ!今度こそ追放だぞ!」
イ「今そんなこと言ってる場合じゃないだろ!時間がないんだ!」
その時、背後に月光龍がいた。ジュノースだ。
ジ「そう言うことなら、我輩が使おう。こうなったのも、だいたい我々のせいなのだからな。既に覚悟は決めている。」
カリラも吹っ切れたようだ。
カ「もし問題になっても、これが解決したらむしろ英雄だと言わしめてやるよ!」
イ「…ありがとうございます!」
カサリ。後ろから物音がした。見ると、
イ「あ、アスラ…?」
イーリスを一番最初に追ってきたアスラだった。
ジ「…そうか。お前も我輩のことを…。」
ジュノースは涙ぐんだ。そして。
イ「では、こちらです。」
イーリスはエリキスを差し出した。
「待て。」
誰かが引き止めた。それは太陽龍王ジュピテルだった。
光ジ「貴様だけにさせてたまるか。我輩もやる。」
闇ジ「ふん。貴様にはこの役目などできまい。」
光ジ「いいや。これを見ろ。」
ジュピテルの手には薬草らしきものが握られていた。それは、『ラフロイグ』と言う薬草。エリキスとはほぼ真逆の効力を持つ。
光ジ「我輩もこれを食す。」
闇ジ「何?貴様、それがどういうことか分かって言っているのか?貴様の身が朽ちるかもしれんのだぞ?」
光ジ「その条件で言えば貴様だってそうではないか。我輩とて、その覚悟はできている。」
ジュノースは考え込むと、深く頷いた。
闇ジ「勝手にしろ。貴様の身が朽ちようとも、我輩には関係のないことだ。」
光ジ「その言葉をまるっきり貴様に返す。」
こうして、2人の龍王が自らの身を滅ぼす覚悟で最後の戦いに挑むことになった。
イ「では。」
2人「うむ。」
イーリスはジュノースにエリキスを、ジュピテルにラフロイグを与えた。
ピッカーー!2人の体が輝き始めた。そして、その体は徐々に大きくなった。
2人「グオオオオーーー!」
巨大化した2人は地面を揺るがす雄叫びをあげた。それにリヴァイアが気づいた様子だ。
光ジ「貴様!我々が相手だ!」
闇ジ「覚悟するがよい!」
その大きさは、8mくらいはある巨大なリヴァイアの1.5倍はありそうだ。
リ「ギェアアアアン!」
リヴァイアはハイドロポンプを繰り出した。しかし、巨大化した2人にはあまり効いていない。少し押される程度だ。しかし、この攻撃程度で怯む大きさではない。
光ジ「緩いわ!」ゴワァ!超強力な魔弾を繰り出した。
ズドーン!見事首に命中。
リ「ギョ、ギョギョギョ!?」
それを引き金に、皆一斉攻撃を始めた。
闇1「『黒雷撃』!!」
バリバリドドオン!微々たるものの確実にダメージは入っている。
ガ「うぉりゃあ!」バチーン!
ガリア操るディメテルも強力パンチをお見舞い。
闇ジ「グオオオ!」
ジュノースはリヴァイアに向かって突進し始めた。そして、首元を掴む。
闇ジ「やれ!」
光ジ「おう!」
ジュピテルは頭に雷攻撃を浴びせた。かなりのダメージだ。その時、
「大変だー!リヴァイアの下敷きになってるー!」
イ「!?」
その声を聞き、イーリスとサリエルは素早く飛び戻る。なんと、さっき尻尾を動かした際に数人尻尾で潰してしまったようだ。そこには、光日族も闇夜族もいる。ガリアとディメテルも飛んで来る。
ガ「尻尾を持ち上げるんだ!みんな、手伝え!」
力自慢のディメテルも、持ち上げるのに苦労しているようだ。それを見ていた2人は。
闇ジ「おい。我輩が奴を抑えている。その隙に、貴様は尻尾を持ち上げるんだ。」
光ジ「よし。了解した。」
ジュピテルは飛んで来るとリヴァイアの背中に飛び乗った。そして、足で抑えながら尻尾を持ち上げようとする。しかし、なかなか持ち上がらない。
ガ「よし、こうなったら。」
ディメテルを操り、尻尾の付け根に移動した。そして、そこに向かって連続パンチをかます。すると、ゆっくりと尻尾が持ち上がって行く。
イ「今のうちに避難してください!」
ディメテルに抱かれ、下敷きになった兵士は脱出した。そして、全員脱出した瞬間にリヴァイアは尻尾を振りほどき、地面に打ち付けた。間一髪だ。
リ「デァアアアン!」
不気味な遠吠えをする。
ヴ「何故だ…何故母龍が来ない…?」
本来ならもう既に到着しているはずの時も経ったが、未だ来ず。
「確認してみます。」
1人の光日族が空を飛んで様子を見に行った。その間にも、リヴァイアの攻撃は止まない。
イ「ま、まさか…?」
「大変なことが分かりました!」
先ほど様子を見に行った兵士が戻ってきて慌てた様子で報告した。
「ここに地下水路が通ってないんです!」
ヴ「馬鹿な!じゃあどうやってここに卵を産みつけたと言うんだ!」
リヴァイアは本来地下の水路を通って幼龍を迎えに行くはずだ。しかし、その通るはずの水路が、卵のあったところから離れたところにあったのだ。
「この間の地盤の歪みにより、地下水路が乱れた模様です。」
ヴ「参ったな…道理でいつまで経っても来ない訳だ。このまま戦い続けて弱体化なんて事になったらとてつもなく面倒だからな。」
リヴァイアの成龍は比較的大人しいが、幼龍が弱っているとその近くにいた全員を襲って来るのだ。理不尽!しかも子供とは桁外れの強さを誇る。今までそういった事例も無かったので、強さは予測不能。
それを聞いていたプルトゥ将軍も頭を抱えた。
プ「どうしたらいいんだ…。」




