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第15章 思惑の錯綜

 それから数日後。偵察兵としての任務の一つ、戦場の事前調査に出ることになった。

 イ「さて…これから気が抜けなくなるな。」

 サ「ノンストップで事が進むことになりそうですからね。ネタ的な意味で。」

 イ「初っ端からメタ発言はやめようか。」

 などと冗談をかましながら、待機場所に移動した。

 その後、偵察場所などが決められ、そこに一斉に向かうことになる。イーリス達の持ち場は、例の洞窟の近くだ。

 ヴ「くれぐれも、出しゃばって攻撃なんかするな。あくまで偵察だ。それを忘れるんじゃない。」

 ヴェスティーア部隊長はそう警告する。

 そして、集合後きっかり10分で出立の用意を整え、太陽龍軍偵察部隊、そのまま出撃した。

 光日の国を出たところで、持ち場に向かうため一度バラバラになる。その直後、

「よっ、またまた、おハロー!」

 イ・サ「!?」

 いつから付いてきたのか、あのヒュペリオがイーリスの真後ろにいた。すぐ前にいたイーリスはもちろん、先を行くサリエルもひどく驚いた。

 イ「ひ、ヒュペリオさん!?なんでこんなところにいるんですか!」

 ヒ「つれないのお。せっかくドラゴン記者が来たというのに。」

 サ「いや!そうでなくて!」

 ヒ「せっかくやからな、あんさんらにくっつくことにしたわ。その方がネタ的によろしやからな。わいもドラゴン持っとったらよかったんやけどな、そんな簡単な話やおまへんからな。」

 どこまでも自由である。

 イ「もう何があっても気にしないことにしますが、いきなり後ろに乗り合わすのはやめてくれませんか?」

 ヒ「いやあ、悪い悪い。次からは一言断り入れなな。堪忍してやー。」

 イ・サ「…。」

 2人はあっけにとられてしまった。ヒュペリオさん、そうじゃないだろ。

 イ「…それは別に構いませんけど、何度も言う通り何があっても責任とりませんからね。」

 ヒ「分かっとる、分かっとるってー」

 ヒュペリオは剽軽な顔でそう答える。

 サ「そろそろ着きますよ。」

 サリエルはそう伝えた。着地の準備を整えようとしたところで。

 バッサ、バッサ。

 目の前に比較的大きな月光龍が現れた。しかし、攻撃してはならないと言う言いつけを守り、こちらからは何も行動しなかった。その時。

 ギラリ。

 ドラゴンの目が赤く光った。

 イ「ゔっ!?」

 いきなり体が痺れた。それはマルースも同様のようだ。

 ヒ「あかん!ありゃあ『龍人痺眼(リュウジンヒガン)』や!あんさん!あの目を見るんやない!」

 ヒュペリオはいきなり叫んだ。龍人痺眼とは月光龍の特殊技の一つであり、尻尾の球で生成した麻痺電波を尻尾から目につながる神経を通して目から放出する技であり、太陽龍とその龍契士(ドラゴ二スト)にまでダメージを与えると言う恐ろしい技である。ちなみにこの技は使い龍を持っていないヒュペリオとサリエルには効かなかった。

 サ「な、何なんですか!?いきなり攻撃してきて!」

 ヒ「攻撃はしとらんと思うんやけど、確かに妙やな。」

 そう言った矢先、

 ビュワー!

 月光龍は突風を起こしてきた。その風はかなり強く、気をつけないと吹き飛ばされてしまいそうな勢いだ。

 サ「ヒュペリオさんが余計なこと言うから!」

 ヒ「はい!?わいのせいや言うんか!?」

 イ「仲間割れは後!」

 間接的にヒュペリオを仲間扱いしているのだが、気にしないでおこう。

 話を戻して、月光龍はニヤリと怪しく笑うと、尻尾の球を光らせた。そして、

 ズバンッ!

 尻尾を振り回し、鎌鼬を繰り出してきたのだ。

 ヒ「しょえっ!?」

 サリエルとマルースは巧みに避ける。

 イ「ま、また!?」

 ヒ「ありゃなんかおかしいで。」

 今度は、真っ黒いタオル?に顔を隠し目のみを出した黒ずくめの闇夜族がライトセーバーを取り出し、また鎌鼬攻撃を繰り出した。それも、2人は素早く避ける。

 イ「大丈夫か!?」

 サ「私はなんとか!」

 ヒ「来るで!」

 剰え再び龍人痺眼を使ってきて動きが鈍くなる。そこに追い打ちをかけるが如く、月光龍の尻尾と闇夜族のライトセーバーが黒く光り、双方衝撃波を放ってきた。その攻撃は重なり、クロス状にこちらに迫ってくる。

 イ「危ない!」

 イーリスは素早くサリエルの前に来ようとするが、それよりも前にサリエルがイーリスをかばおうと前に出てくる。

 ジャキョン!

 サ「きゃあっ!?」

 鎌鼬はサリエルの両脇を通り、グライダーが破れてしまったのだ。その後鎌鼬は飛んで行ったあとぶつかり消滅した。一方、グライダーが破れたサリエルは真っ逆さまに落ちて行った。

 ヒ「チィッ!」

 ヒュペリオは舌打ちした後、何かを投げるような仕草をし、

 ヒ「お嬢はわいに任しとき!あんさん、生きて帰れよ!」

 マルースから飛び降り、サリエルの後を追うように落ちて行った。

 イ「ひ、ヒュペリオさん!?」

 ヒュペリオは風を切るように降下していき、そのまま2人とも見えなくなった。

 それを見届けたイーリスは、再び闇夜族に視線を返した。

 イ「状況が変わった。とりあえずなんとかここから戻ろう。」

 すると、今度は月光龍の方から攻撃してきた。再び突風を起こし、それに次いで鎌鼬攻撃も繰り出す。それをマルースの光弾で跳ね返した。

 ビリビリビリィッ!

 また、龍人痺眼を起こしてきた。コントロールがうまくいかなくなったところを突風で煽り、バランスを崩したところで月光龍が行動を起こした。こちらの方に突貫してきたのだ。

 イ「くっ、避けきれない!」

 突進はマルースの横腹に命中、飛び方がフラフラとぎこちなくなった。矢継ぎ早に鎌鼬攻撃もされ、マルースの翼にも傷が付いた。そこに突風を吹かせ、その上再度突貫してイーリスをマルースから落とした。

 イ「うわぁ―――!」

 イーリスはマルースとはまた違う方向に落ちていく。

 ブァサッ!

 そこに、先ほどとは別の月光龍が現れ、イーリスの体を掴むと、闇夜の国に向かって飛び立ち始めた。

 それを見届けた闇夜族は元来た道を戻って行った。

登場人物

黒ずくめの闇夜族

イーリスを襲った張本人。


謎の月光龍

特殊技『龍人痺眼』を使用し、イーリスらを翻弄する。鎌鼬攻撃が主流。

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