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ボクの完璧美少女な弟子は変態すぎて手に負えません(笑)  作者: 花水木
8章 たまには家族で団欒でもしましょう
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妹は思春期ですって(思)


 とある休日。特に予定のないあたし(九重 彩奈)は、昼になっても起きてこないハル兄のためにご飯を用意してあげる。


「ふふーん。今日はなにつくろっかなー!」


 服の上に花柄のエプロンをつけ、鼻歌交じりに冷蔵庫を開く。

 すると、


「ふぁーぁ。おはよう、彩奈」


 起きたばかりでパジャマ姿のハル兄があくびをしながらリビングにやってくる。


「もうっ! ハル兄、おはようじゃないでしょ! いまもう十一時だよ!」


「えっ!? もうそんな時間なのかー……」


 目をこすりながら掛け時計を見やるハル兄に、なぜかとても母性を感じてしまうあたしはおかしいのでしょうか?

 そんな気持ちを押し殺し、ハル兄に考えていた話を振る。


「ご飯作ってあげるけど、なにがいい?」


「んー? まあ、なんでもいいよー」


 気の無い生返事が帰って来て、あたしはふくれっ面でハル兄を睨む。


「てか、その返事が一番困るんだけど!」


「でも、彩奈が作るご飯だったら何でも美味しいしなぁ……」


 ちっとも悪びれもせずに、そんな嬉しい爆弾発言を投下してくるハル兄に思わず心打たれる。


「ま、まーあ。あたしの料理が上手いのはそうだけどっ! 仕方がないからハル兄の好きな親子丼つくってあげる!」


 褒められて嬉しがっているのを悟られないように、わざとツンツンした口調で話す。


「わー、やった! ありがと、彩奈!」


 子供のように無邪気に笑うハル兄にまたも心を打たれて、あたしは胸を押さえてノックアウトする。

 あたしを惑わせる当の本人はこちらに目もくれず、ケータイを開いて誰かとのメールに勤しんでいたのだが。




 ひとしきり悶えた後、調理に取り掛かる。

 料理は小さい頃から好きだったので、手慣れた包丁さばきで手際よく調理していく。


 器にご飯を盛り、鶏肉と半熟の卵が絡まった具を乗せようとしたところで、一つの考えが浮上する。


「(ハル兄は親子丼が好き……。てことは、もしかしてお母さんとあたしで!?)」


「あ、もうできたんだ! 今日のもとっても美味しそうだね!」


 匂いにつられてか、キッチンへ寄って来たハル兄にあたしは思いの丈をぶつける。


「ハル兄! やっぱり親子丼はダメだと思う! せめて、せめて食べるなら子だけにして!」


 あたしの突然の言葉に、ハル兄はいたって真顔で、


「? いやでもそんな卵だけの丼より鶏肉があったほうが断然美味しいでしょ?」


「も、もしかして、子よりも親がメインなの……?」


 何のことだかわかっていない様子のハル兄のまえで、あたしは驚愕の表情を浮かべ膝から崩れ落ちる。


「いや、そんなこともないけど。そりゃ卵だって欠かせないよ!」


「そう、だよね。あたしも必要よね! お母さんより若くてピッチピチだもん!」


「えっと? どういうこと?」


「うん、わかった。ハル兄がそこまでいうのならお母さんにちょっと相談してみる!」


「え、あぁ。そうなんだ」


 何だか納得していないような表情のハル兄だったけど、ご飯をあげたら美味しそうに食べていた。

 やはり……。




 その後、お母さんに相談してみたけど、やんわりと断らた。

 そして、ハル兄はなぜかお父さんに呼び出され、こっぴどく叱られるのであった。


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