表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ボクの完璧美少女な弟子は変態すぎて手に負えません(笑)  作者: 花水木
4章 親密度急上昇急降下!?
40/69

話はまだまだ続きそうです(続)


 翌日。瑞希さんのお父さんと美智子さんが初々しくデートをするすぐ後ろの電柱の後ろに、帽子を目深にかぶった人影が二つあった。ボクと瑞希さんである。

 お父さんは車道側を歩きながら、身振り手振りを交えて美智子さんを笑かそうと必死に談笑をしている。


 あ、言っておくけど、昨日は瑞希さんと一緒には寝てないからな。途中で乱入して来た彩奈に、なぜかボクがボコボコにされて、瑞希さんは部屋から出て行ったから。

 ま、そんなことはどうでもいいか。今は目の前に集中しよう。


 などと考えていると、前を歩く調査対象の二人が映画館の中に入っていった。

 ボクは振り返りながら、瑞希さんに問いかける。


「どうします?ここで待ち伏せしましょうか」


「せっかくだし、私たちも見てみよう!」


「はい。そうですね」


 見たい映画でもあったのか、気分上々に映画館に向かう瑞希さんの後ろについていくボク。

 ……今気がついたのだが、休日に男女が二人で映画鑑賞というのは、デートというカテゴリーに属すのではないでしょうか?

 と思い、急にあたふたする脳内をこれはあくまで尾行なんだと言い聞かせ、自己暗示のために高鳴る胸に拳を打ちつけ、先に入って行った新婚夫婦の後を追う。


 薄暗い館内を歩きながら自分の座席を確認し、瑞希さんを誘導するように前を歩いていく。

 映画の内容はどこかで見たことなある二番煎じの内容で、とても面白いとは言い難い内容であった。

 だが、横にいる瑞希さんの方を見て見ると、場面場面で涙ぐんだり興奮したりと、映画の中に没入している様子を見ていると、ボクもなんだかとても楽しめた。


 映画のエンドロールが流れ始めることには、ボクも瑞希さんに倣い物語にのめり込み、無言で画面を見つめていた。

 そんなことをしていたから今回の目的の二人を見失いかけたのは、もはや言うまでもない。



 二人の後を必死になって追いかけて入店したのは、昔ながらのログハウス風の喫茶店。

 ボクたちは二人のいるテーブルの後ろの席に腰掛け、会話にそっと聞き耳をたてる。


 会話の内容はさっき見た映画の感想ばかりで、別段美智子さんに変わった様子もなく、今日一日を過ごしてなんの収穫を得られなかったことに顔をしかめるボク。

 でもそれはそれでよかったではないかと自分自身に言い聞かせ、ボクらも飲み物を注文をするため呼び鈴を鳴らす。


「ご注文はお決まりでしょうか?……あっ、晴人くん!?」


 不意に名前を呼ばれて挙動不審になりながら店員の顔を覗くと、そこには見知った顔があった。


「へ?……お、おぉ、なんだシズネか。こんなとこでバイトしてたんだな」


「あ、うん。そうなんだ。晴人くんはデート中だったのかな?」


 視線をボクと瑞希さんとで行き来させながら気まずそうに聞いて来たシズネの言葉に、正面に座っている瑞希さんが食い気味に答える。


「いっ、いやそんなんじゃないよ。今日はただ偶然あっただけで……」


「へー、そうだったんだ。あっ、それで注文はどうする?」


 シズネは瑞希さんの言葉を聞くと、何か安堵した様子で注文を伺って来る。


「私はアイスコーヒーで」


「えっとボクはホットミルクにしようかな」


「ごめんね、晴人くん。ミルクはちょっと」


 ボクがメニュー表を見ながら注文すると、シズネは着ているエプロンの首元を掴みながら何かを言い淀む。


「? 在庫切れか何かしてるの?」


「あたし、まだミルクは出そうにないんだ……」


「ボクが頼んだのはシズネのじゃなくて、牛の乳から絞ったミルクだから!!」


 モジモジとしているシズネに、ボクは呆れながらもツッコム。

 声が大きすぎて後ろにも聞こえてしまったかと危惧したが、二人は自分たちの話によほど熱中しているのかこちらに気づく様子はなかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ