表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ボクの完璧美少女な弟子は変態すぎて手に負えません(笑)  作者: 花水木
4章 親密度急上昇急降下!?
39/69

詐欺は犯罪です(怒)


 母親の死というものはまだ小学生の私には理解ができず、学校から家に帰るたび家の部屋を一つづつ見て回り、母親を探しては見つかるはずもなく悲壮に打ちひしがれていた。

 それでも現実から目を背け家に引きこもることもなく学校に通い続けられていたのは、ひとえに和乃ちゃんや当時の友達の配慮があったからだと思う。


 そんな友人にも恵まれた私は、その後何不自由なく小中学校を卒業し、高校に上がったところでめっきり話をしなくなっていた父親から話を切り出された。

 それは再婚を視野に入れながらお付き合いをしている女性がいる。という旨の話で、照れながら話をする父親を見て微笑ましく思いながら、私は二つ返事で了承した。


 私が父親の交際相手と初めて会ったのは、それから数日後であった。彼女の名前は美智子さんという。

 美智子さんは想像よりも遥かに若くて綺麗で、初対面の私に対してもとても優しくて、無口でぶっきらぼうな父親にはもったいないくらいの女性だ。




 私が異変に気付いたのは、ほんの偶然であった。

 新婚旅行に出かけた父親と美智子さんを見送った後、母親の遺影の前に座り線香をあげ、今の状況を伝えようと頭の中で話しかけると、不意に視線が金庫に吸い寄せられる。


 今思うと、それは亡くなった母からの喚起だったのかもしれない。

 私は視線の赴くままに金庫の中を見て、目を見開いて唖然とする。


 そこにはあったはずの通帳の束は一つ残らず忽然と消えていて、何かのためにとをいていた現金さえ見当たらないのだ。

 父はお金の管理が苦手なので、美智子さんに一任したという考えもできるが、金庫から通帳が全て無くなるのは流石におかしいと思い、そこから一つの嫌な疑惑が頭をよぎった。


 五十歳手前の父に二十歳後半の美智子さんが近づいた理由。それはお金が目的の結婚詐欺なのではないか。

 一旦そんなことを考えてしまうと、そうとしか思えなくなってくる。


 後日。美智子さんが家にいないのを見計らって、父にこのことを話すと、父は私の危惧を空言かのように笑い飛ばす。どうやら美智子さんを信じきり、何一つとして疑ってなどいない様子だった。

 それに対し私は必死に説得を試みたが、最終的には父の激情に触れて、家を追い出されたのであった。


 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「もしかしたらこれは全部、私の杞憂なのかもしれないけど……」


 と、続けて瑞希さんは黙り込む。

 ボクは、話を聞いて思ったことを率直に口に出す。


「ボクはその美智子さんって人が瑞希さんのお父さんを騙してるって確信したわけじゃないけど、それでも瑞希さんが怪しいって睨んでいるんだったら、ボクも協力するよ」


「で、でもそれは取り越し苦労かもしれないんだよ?やろうとしていることは悪いことかもしれないんだよ?」


 瑞希さんはこわばった表情で、本意を問いかけてくる。

 ……確かにそうかもしれない、もし美智子さんに他意があって近づいたのでないのであれば、ボクがしている行動は新婚夫婦に付きまとうお邪魔虫に他ならない。


「ボクは瑞希さんのためなら、正義でも悪でもなってみせます!」


「せ、せいぎ?」


 ボクの発言に、目を逸らしながら聞き返してくる瑞希さん。

 とりあえずボクは今の気持ちを伝えようと、身振り手振りを交えて詰め寄る。


「? はい。ボクが全力でやりきってみせます」


「ハル君。……私、あまり性技は得意じゃないんだけど大丈夫かな?」


 恥ずかしそうにうつむきながら言った瑞希さんの言葉に、ボクは頭にはてなマークを浮かべながら首をかしげる。

 少しばかりの沈黙を置いて、やっと言葉の意味を理解したボクは慌てて誤解を解く。


「ボクの言っている正義っていうのは、性に関する技の方じゃないですからね!?」


「そ、そうだよね。ハル君がいきなり自分のテクニックの話をしだしたから、私もなにかおかしいとは思ってたんだけど……」


 瑞希さんは勘違いをしていたのがよほど恥ずかしかったのか、真っ赤に染まった顔を両手で隠す。

 ボクはそれを見ないようにしながら、咳払いをして話を戻す。




「それで瑞希さんは美智子さんを疑ってるんですよね」


「う、うん。そうなんだけど……」


 歯切れの悪い返事に、ボクは声を大にして提案する。


「なら探偵のように身辺調査してみましょう」


「で、でも……」


「それでもし何も裏がないとわかったら、ボクは美智子さんに謝りに行きます。それでいいでしょうか?」


「う、うん。ありがと、ハル君」


「よぅし、やるぞ!」


 期待の眼差しを一身に受け取り、気合を込めて決意を新たに立ち上がると、腰のあたりに敷いてあった布団が音も立てずに床に落ちていき、瑞希さんの甲高い悲鳴が耳に入る。


「きゃぁっ」


「あっ……」


 なぜかというと瑞希さんの目の前に、ボクのトランクスパンツが鎮座してしまったからだ。そういえばパジャマを着るの忘れてたんだった。

 ここまで締まらないのは、ある意味すごくないでしょうか?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ