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ボクの完璧美少女な弟子は変態すぎて手に負えません(笑)  作者: 花水木
4章 親密度急上昇急降下!?
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たまには日常に焦点を当てるのもいいかもです(普)


 ある朝。リビングから聞こえてくるテレビの音で目が覚め、軽く首を回しながら起き上がる。

 枕元に置いておいた充電済みのケータイを起動させ、今の時間を確認すると、時刻は午前十時を少し過ぎた頃だった。

 今日はこれといって予定はないので、気楽に二度寝と洒落込もうと思ったところで、廊下を通りがかった思わぬ人物から声がかかる。


「あっ、ハル君、起きたんだ?朝ごはんとっくの昔にできてるよ」


「あぁ、はい。じゃあ着替えてすぐ行きます。…………って、んんん!?」


 普通に言葉を投げかけてくる相手に、ボクも思わず普通に返してしまう。

 だが、その相手とやらはこの家の住人ではないわけで。


「わかった。彩奈ちゃんにご飯温めておいてって伝えとくね」


「いやっ、ちょ、ちょっと待って下さい。瑞希さん!」


 そのままボクの驚愕の表情も見ることもなく、リビングへと歩いて行こうとする瑞希さんを慌てて呼び止める。


「? なに、どうしたの?」


「いやいや、どうしたもこうしたもないですよ。なんで何食わぬ顔でボクの家、もとい九重家に居座ってるんですか!?」


 ボクの当然の質問に、瑞希さんは目線をそらし、から笑いを浮かべながら答える。


「実は少しばかり、ほんのちょびっとだけ家出を決行いたしまして……」


「少しばかりとかの意味が全くもってわからないですよ。どういうことなんですか!?」


「はいはい、ハル兄もそんなに質問責めにしないで。今日の瑞希ちゃんは彩奈のお客さんなんだから、部外者はしっしっし」


 リビングに向かおうとしている瑞希さんを引き止め、状況把握のため質問責めにしていると、後ろからやって来た彩奈がボクを見るなり手で適当にあしらってくる。


「それにしたって家出なんか……」


「はいっ、もうこの話おしまい。あ、そうだ朝ご飯といえば、瑞希ちゃんがさっき作り終えたものもハル兄に食べさせてあげていいかな」


 なおこの話を続けようとするボクに対し、彩奈は強引に違う話を食い込む。


「うん。今回は私史上最高の出来栄えになったし、さっきお兄さんに試食してもらった時は、口に含んだ瞬間に大声をあげて感動しててくれたみたいだし」


「(さようなら兄さん。せめて安らかに眠れ)」


 瑞希さんの渾身の料理なんか食べた日には、昇天してしまうに違いない。

 兄さんは今頃、遥か天空からボクを見守ってくれているのだろうか……。そしてボクもおんなじところに一歩、また一歩と近づいていっているのだろうか……。




 結局その後、殺傷性の高い物体を口に運ぶ自殺行為もしたくないので朝ご飯を丁重に断り、彩奈には二度寝するといって部屋に篭ったボク。

 掛け布団を頭まで被り何も考えないで眠ってしまおうと思いつつも、さっきの瑞希さんの表情と態度がどうにも気にかかり、なかなか寝付けない。


「あのから笑いの奥には、何かがあるように思えて仕方ない」


 そんなことばかり悶々と考えて時間が過ぎていき、ボクはある結論に至った。


「やっぱり、訊いて見るっきゃないかな」


 本人に確認するのが一番だと思い、おそらくいるだろう彩奈の部屋に向かう。




 ドアが開いていたので隙間から中を覗き込むと、二人は机に向かい勉強に勤しんでいた。


「ここってどうなるのかな?」


「あ、それはね、ここをこうしてこうやって。……こう」


 どうやら受験の近い彩奈のために、最後の追い込みをかけてやっているようだ。


「ほんとだ、できた!瑞希ちゃん、教えるのすごい上手!」


「ううん、全然そんなことないよ」


「じゃあじゃあ、ここは?」


「水金地火木土天海っていう覚え方があって、それから推測されるこの問題の解はなんだと思う?」


 答えばかりを言うのではなくちゃんと彩奈にも考えさせるなんて、すごくいい家庭教師を見つけたなと、ボクは思わず笑みをこぼす。

 覚え方と言う点において、元素記号が羅列する周期表が頭の中をよぎったが、見なかったことにしよう。


「っていうことは、答えは地球だね」


「うん。そう正解」


「やったぁ、瑞希ちゃんのお陰で勉強がどんどん捗っちゃった」


 問題が全て解き終わったのかノートを閉じ、背もたれに全体重を預ける彩奈。


「彩奈ちゃんは理科が苦手なんだね」


「うん、そうなんだ。地球のこととかなぁんにもわかんない」


「そうよね。恥丘ちきゅうは謎が多いものね」


 彩奈の普通の発言で、なぜか顔を赤らめる瑞希さん。


「地球でわからなかった問題といえば、刺して中身を調べる機械の名前を答えよって問題なんだけど。あれっ、答えなんだっけ?」


「さ、挿して中を調べる機械!?彩奈ちゃんそれって!?」


「多分それって地層を調べるボーリングのことですからね!!」


 ボクは声を荒げながら、瑞希さんのあらぬ妄想にツッコンだ。


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