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ボクの完璧美少女な弟子は変態すぎて手に負えません(笑)  作者: 花水木
2章 夏の日差しは女子から服を脱がせる
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朝チュンですか?(眠)


 朝の気配を感じて重たい瞼を渋々こじ開けると、カーテンが翻り窓から差し込んできた鋭い陽光の眩しさに、ボクは起床する気をなくし、腰のあたりにあった布団を顔までずり上げ、再び目を閉じて二度寝することに決める。


 しかも今日は休日で、しかもボクには予定など全く入っていない。

 このまま昼まで惰眠を貪ろうと、寝返りを打ち大きな抱き枕を抱きしめる。


 ……ん? まてよ。

 ボクの部屋に抱き枕なんてものあったっけかな?


 少し考えてみたのだが、ボクの腕の中にある柔らかく暖かい物体の検討が全くつかない。

 訝しく思いながら、ボクは確認のため目を開いた。

 と。


「ーーーぶっ!?」


 ボクが抱き枕と勘違いして抱きしめていたもの……。それは見覚えのある小柄な女の子だった。


 すうすうと可愛らしい寝息を立てる唇は小さな桜色で、長いまつ毛に彩られた二重の瞳は魅惑の魔法なんかよりも他人の心を魅了し、小学生といっても通用しそうなあどけない顔立ちは、もう少し待つと絶対に美人になると確信を持って言えるほどに可憐である。


 布団を剥がし全体を見てみると、パジャマが乱れてそこから見える肌は窓から差し込む光に反射し、眩しいほど白く、お腹は誰に見せても恥ずかしくないほど綺麗にくびれていた。

 それに加えて、少し目線を上にずらすと、そこには顔を見たときには想像がつかないほどの豊満な膨らみが二つ備わっている。


「おい、起きろって彩奈」


 名前を呼ぶと、妹の彩奈はまだ寝ぼけているのか急に抱きついてくる。


「……んぁ……。ハル兄ぃ……」


「おっ、おい。いい加減目を覚ませって、彩奈」


 ボクの呼びかけに、彩奈は目をこすりながらようやく目覚める。


「えっ、なんでハル兄が私の部屋の中にいるの!?」


「ここはボクの部屋だぞ」


 彩奈は部屋の中を見回した後、手のひらに丸めた手を置き何かを思い出したかのようにボソボソと呟く。


「そうだった! 昨日の晩は、ハル兄成分を補充しに……」


「ん? 成分がなんだって?」


「なっ、なんでもない。そんなことよりも、今日の朝ご飯は何がいい?」


「まあ、なんでもいいんだけど」


 彩奈の作る料理はどれも一級品で、選びようがないほどである。


「その返しが一番困るんだけどなぁ……」


「んー、じゃあ目玉焼きとウインナーで」


「ん、りょーかい!」


 あれっ? なんで彩奈がボクの部屋で寝てたのだろうか。自然に話をすり替えられていた気がするが。

 ……ま、いっか。




 そして彩奈に作ってもらった朝ごはんを食べ、今度こそ安眠の世界に誘われようと部屋に戻ると、ケータイの画面にメールを知らせる通知が来ていた。


 『おーい、起きとる?今日の十一時にうちの家に集合なー。ほなまた』


 メールの発信者は珍しく神咲さんからだった。

 内容があまりに抽象的すぎて意味がわからなかったのでとりあえず『どうしてですか?』と、返信を入れてベットにダイブする。


 先日は、瑞希さんの水着姿を見て悶々としていたため、三回戦まで突入したので寝不足なのである。

 数分で現実の世界から意識を遠のけ、気持ちのいい眠りに入っていると、とある夢を見る。


 その夢の中では、瑞希さんとボクが夕日の沈みかけた浜辺で二人っきりだった。

 瑞希さんは艶やかな髪を後ろでまとめてポニーテールにして、うなじがなんとも魅力的である。


 そして瑞希さんは蕩けた表情でボクを見つめたあと、潤いに満ちた小さな唇をほんの少し突き出して瞼を閉じる。

 ボクは、意を決して顔を少し傾け唇をそっと突き出しながら、彼女の麗しい唇に……。




「……ハル君?」


 夢にしては、やけに声が鮮明に聞こえる。

 

「もう、いい加減起きてよ」


 肩を揺らされ目覚めると、浜辺から場面が急に切り替わった。


「んぁー、あれ? 瑞希さん?」


「時間、もうとっくに過ぎてるよ」


 ここはボクの部屋だ。なんで瑞希さんがここにいるんだ?

 ……あぁ、わかったぞ。これはまだ夢の続きなんだな。


「早く支度して行こうよ」


 さっきの場面とは打って変わって、瑞希さんはなんだかご立腹のようだ。


「ま、まあまあ、落ち着いてさっきの続きを楽しみましょうよ」


 ふくれっ面の瑞希さんをベットに座らせ、さっきの場面でできなかったキスの続きをこの場面で今度こそ成功させようと張り切っていた。


「さっきの続き?」


「はい。すぐ終わりますからちょっとだけ目を閉じててください」


「わ、わかった。でもなるべく早くね」


 なんだかさっきとは違った感覚だけれどそんなことどうだっていい、今は目先の唇にボクの唇を重ねるのが先決だ。

 あともう数十センチで瑞希さんと接吻ができるんだ、という高ぶる気持ちをなんとか抑制し、ゆっくりと互いの唇が触れ、


「な、な、な、何してるのよハル兄!」


 合う寸前のあと数ミリといったところで、乱入して来た彩奈に布団叩きでおもいっきり顔面を叩かれた。


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