表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

邪魔だから…

作者: 空のかけら

あらすじ そのまま。


ねぇねぇ、ちょっといい?


昨日もらった宿題なんだけど、

たましいの修行とは」

っていうのだけど、どう考えた方がいいかな。


もちろん、研修で聞いたことは分かっているつもり。

でも、なんだか違うような気もするの。


”純度を高める”のが目的とか

”長い年月が必要”とか

”分担と集中”とか

聞いたけど、なんとなく、何かが抜けている感じがするの。


え?

教えてもらった内容をもう一度確認するの?


ええとねぇ…


”純度を高める”が目的。

なぜならば、魂が生まれた時は、周囲のあらゆる物を取り込んだ状態で、濁った魂の状態になってる。ここから不純物を分離して、純化することが必要不可欠になる。


”長い年月が必要”

ええと、純化するのにはとても長い時間が必要。

普通は、濁った部分を取り除くには、濁った原因を突き止めて、原因を取り除く必要がある。

濁った部分は、周囲を取り込んでいるのだから、そこにある濁りは1つの原因ではなく複数の原因が絡み合っているから、時間がかかる。


”分担と集中”

通常の方法では、魂の純化については、”長い年月が必要”

しかし、魂そのものが1個しかないため、長い時間がかかるのであれば、魂の一部を分割し、分割した魂ごとに純化をすれば、その時間が短くできないか…と考えた。

原因を取り除き、不純物を少しだけ分離した魂は、少しだけ純化が進んだことになる。

あとは、その魂を元の魂に合体させれば、その分、純化するスピードが早くなる。


こんなところかしら。


あ、気が付いたのは、”分担と集中”

魂が1個しかないと書いてあるのに、分割なんかできるのかしら。

仮に分割ができたとして、合体の際に、元の魂ではなくて別の魂と合体するとか、分割したものだけで合体したら、魂の純化は進まないんじゃないかしら。


ねぇ、何かが抜けている気がするのだけど、何かしら。


痛っ

何をするの??


え?

抜けている。

じゃあ、私の言ったとおりじゃない。

なんで、私を叩いたの?


一番大切な内容がない?

研修カードを見せろ…って、はい。これ。



え?

研修が修了していない?

そんなはずはないわ。

終わったから宿題が出た…

あら?

終わったのに宿題がでるのはおかしいわね。

まさか


ああ…やっぱり。

見ていない講義があったのね。

これは、宿題ではなく、研修終了時の確認問題だったのね。

これから、講義を見るけど、その前に宿題の答えが知りたいのだけど。


残りの講義を受ければ、宿題の答えを聞くまでもなく、すぐに分かる…ですって?

そこが面倒だから、聞いているんじゃない。

ねぇ、簡単なんだろうから、教えてくれてもいいじゃない。


えー、”邪魔だから、さっさと寝ろ”なんて、寝るのはいいけど…って、

え…


"承認がありましたので、これより、研修科目「魂の純化」第4講義を行います。研修生は、講義を聞く際の注意事項に従って、適切な場所に移動してください。…待機時間の短縮を受理。講義、開始します。"


………


※お兄様?


はぁ、やれやれ、少し強引だったけど、眠ってくれたか…

こっちは、仕事中だったのに、少しは配慮してくれないかな。

疑問に思ったのなら、俺に聞きにくるのではなくて…

ま、無理か。

しかし、「魂の純化」か、久しぶりに聞くな、その講義。

懐かしいなぁ~。

あの講義がなかったら、あの妹のことも悪感情を持っていたかも。

俺たちで、どれくらい純化が進んだんだろう?

本体の魂に”抽入”してしまえば、意識圧の関係から、俺は消えてしまうんだろうけど。


抜けている講義は、

”抽出と抽入”。

魂の中で、不純物を多く含むように内部改編を行って、純化が多い部分と不純物が多い部分に分ける。これが分担。純化部分は、そのままに、不純物が多い部分を複数に区切って、抽出。

抽出後、時間質量・空間質量を調整ののち、純化作業に入る。純化が終わり次第、抽出したところに抽入(集中)して、本体の魂の純化が進行する。


…自分の仕事しよ。

あいつはそのうち、起きてくるだろうから。

この兄妹は、 ヒト ではありません。

過去は、ヒトですが、今は違います。


別の短編「異世界に当選~」と同じ世界設定の中のお話です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 話かけているみたいで、書き方がとてもうまかったです。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ