バッタ
魔物、一区切りにしても、モンスターの中には可愛いものからドラコンの様なカッコいい物まで様々な種類がある
しかし、目の前のは気持ち悪い
文句なしに気持ち悪い
見た目はバッタだ。ライトグリーンの体、ヌメヌメしてる。テカテカしてる。気持ち悪っ!!
おまけに大きい。バッタはこんな大きさにはならないだろう。
目がある。そりゃそうだ。バッタ?だもん。問題は目があっていることだ
「ミィギャァァアッ!!」
「ウギャアァァァッ!!気持ち悪い!!」
前者はバッタの、後の悲鳴は私のだ
「リリア!!どうにかして!!」
助けを求め、リリアの方を見ると
「みいぃぃ、来ないで下さい。」
部屋の隅で頭を抱えていた
「ちょっ、ちょっと!!私を放っておかないでよ!!」
「ミィギャァァアッ!!」
バッタが飛びかかってきた
世界がスローになる。
飛びかかってくるため、足に力を入れるバッタ
避けようと思って後ろに踏み出す私。
椅子の背もたれが背中に当たる。
バッタが飛びかかってきた。
距離は2メートルも無い。
私は……
「気持ち悪いっての!!」
ゴンっと、鈍い音を立てて倒れるバッタ
気がついたら椅子の背もたれを持って、バッタを殴り付けていたようだ
「さすが勇者様!!お見事です!!」
「いや、手伝えや!!」
応援を求めてリリアの方を見るが、部屋の隅で震えてた
「ミィギャァァアッ!!ミィギャァァアッ!!」
「早く倒れろっ!!」
私は椅子を叩きつけるが、虫はビグビクするだけで死ぬ気配が無い
「このっ!!」
「ギィアァァッ!!」
降り下ろしたイスは、虫に避けられ、床を叩きつけてしまい壊れてしまった
「リリア!!何か武器は無いの!?」
「隣の部屋ですぅ!!」
「なら取ってこいや!!」
しかし、それを聞いた為か、隣の部屋の入り口を塞ぐ様にバッタは立った
「武器、武器、武器は!!」
私はバッタから遠ざかる様に離れる、近くに有るのは、先程食べた皿と食器のナイフ、
「ナイフしかないのか。」
せめて包丁くらいの刃物が欲しい、そう思い、先程リリアが調理をしていたキッチンを見渡す
「包丁が無い!!料理の3種の神器だろうが!!」
有るのはフライパンだけ、
………。フライパン?
「これだ!!」
フライパンの取っ手持ち、バッタを睨みながら近づく
「喰らえ!!」
「グギャァァッアァァ!!」
思いっきり降り下ろして、バッタの頭を殴り付けた
この勝負、私の勝ちだ!!