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城
テクテク歩いて島の中央、魔王の城へ向かう
普通の城と比べたら可愛い物で、やはり豪邸……に近いような建物だ
何度も言うが、立派な魔王の城………には見えない
「此方です。どうぞ。」
「ありがとう。」
案内されて入った魔王の城
表口から入ってすぐ、つまりエントランス部分だ
赤絨毯と共に、見て痛くない程度の調度品
壁に所々掛けられた美しい油絵
どれもこれも、とても品が良いと言える場所だ
ちょっとばかし、真剣に欲しいな……。
「魔王様がお待ちです。」
「はいよ。どうも。」
始終だんまりの彼女の手を引いて、魔王がいると言う部屋に向かう
歩いているさながら、ここには全く人の気配の欠片もないのがわかった
少なくとも、私の近くには居ない……って事くらいだが
やはり、ここの魔王………。ただもんじゃ無いな………
どや顔でそんな事を考えながら歩くと、ついに魔王がいると言う部屋にたどり着いた
質素な木製扉
この先に、自称魔王が居る
「失礼しま~す。」
軽くノックを済ませてから、中に入ろうとして、扉を閉めた
なんか、見ちゃいけないものを見てしまった




