空
とりあえず、ひとまず、落ち着いた
まぁ、今すぐにでも暴発しそうなほど危険なのには変わらないけど
今、頑張って翼をバッサバッサして空へ上がった
上がったら、彼女が大喜び
「凄い……。凄い……。凄い……。」
『ね~。私凄いでしょ~。』
「うん。凄い。」
さっきからそれしか言わなくなっちゃった
まぁ、初めての空だし、仕方ないか
空の上へ上がり、雲より少し下をゆっくり飛ぶ
目的は、街か何かを探すこと何だけど、この姿で行ったら確実に目立つ
目立つのは良いが、最悪敵対化するかもしれない
私は良いとしても、彼女はそれでは生きていけない
やはり、穏便に行く必要が有るだろう
なので高度を上げて見つからないように探す
雲より上に行ったら見えないからね。
「雲が近い……。」
『うん。そりゃ、まぁ~ねぇ~。』
空を飛びはじめてからずっと彼女は喋りっぱなしだ
普段は無口に無口な性格をしているからか、とっても新鮮な気持ちになれる
「……………。雲に手が届きそう。」
『まぁ、あと数百メートルは有るからね。手を離しちゃダメよ。』
「雲、触りたい……。ダメ?」
『ダメじゃないです!!』
おねだりキタァァァ!!
当初の目的なんて捨てて、また高度を上げる
グングン雲に近づく
そして、届いた
「ひゃぁ!?冷たい………。」
『水蒸気の塊のような物だからね。正確には違うけど。どう?』
「泳いでる見たい………?」
『溺れないように上がろうか。』
長いこと入っていても良いことは何もないし
『雲、抜けるよ~。』
「う、うん………。」




