鍋
歩く道すがら、ドラン様がどのような人なのかを教えて貰った
ドラン様はトレジャーハンターをしているそうだ
お宝をダンジョンから集める、凄い腕前の冒険者なんだそうだ
それと、様付けはしなくて良いと言われたけど、ご機嫌をとっておきたいからドラン様と呼ぼうと思う
私はドラン様へ付いていき、とても豪華そうなお店のお部屋へ案内された
そこでお茶を出された
2人分だ
オークション開始から何も飲んで無いので喉がカラカラだ……
でも、ドラン様がまだ飲んで無いし、飲んで良いとは言われてないし……。
チラっとドラン様を伺おうとすると
「ふ~む?どれが良いか……。お前はどうする?」
「えっ!?ど、どうすると言われましても……。」
全く別の反応が帰ってきた
どうするのか……と言われても…。
「畏まらなくて良いから。なんか食べれないものある?」
「特には……。」
食べられないもの…。食べられないもの以外は、食べられる…よね…?
「んじゃ、鍋にするか。それで良いか?」
「えっ……。はい。」
ナベ?……ナベって………あの鍋?
ドラン様がてきぱきと注文を済ませ、すぐにお店の人が出てき具材を出してくれた
「こちら、具材のセットとなります。火にお気をつけて。 」
「ありがとう。」
お店の人が肉や野菜が盛りだくさんの容器と鍋を持ってきてくれて、 部屋の真ん中の所へ乗せた
「さて、鍋だ鍋。親睦を深めるには鍋が一番らしいぞ。」
「私も食べて良いのですか…?」
「じゃなきゃなんで聞くんだよ?」
ドラン様は当たり前だろ…と言うように私を見た
そうしながらもてきぱきと鍋に具材を入れ、鍋を作る
ドラン様が飲み物を注文して、コップに注いで私に渡してくれた
「さて、これからよろしく。乾杯。」
「か、乾杯…………。」
渡されたコップとコップをぶつけて乾杯する
ドラン様が飲み物を飲んで、私も飲む
甘い、果物のジュースだった
その後、ドラン様は鍋を食べ始めた
「……………食わんの?」
「はひ!?………はい。食べます………。」
私も食べて良いの?
でも、どうやって食べれば……。
「こっちこい。俺の隣。」
「はい……。」
怒ったのかな…?
私がとぼとぼとドラン様隣に座らると、鍋から野菜や肉を取 りわけて渡してくれた
「しっかり食べろ。お腹すいてないのか?」
「…………。ありがとうございます…。」
ドラン様がよそってくれたお皿を受けとって、食べた




