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シン
どれくらい寝たのだろうか……。
殆ど寝てないかもしれないし、結構寝たのかもしれない……。
「もうすぐオークションの時間だ。身形を整えて待ってろ。」
男の人が入ってきて、そう言い残しまた出る
身形を整えろ……と、言われたが、することなど何も無い
鏡で姿を確認するが、特に変なことは無い
有るとすれば、頭の上の耳か…。
白い髪の毛に、ちょこんと乗った犬耳
私が、私の変なところだ
獣耳さんはたくさんいるけど、私は白い髪の毛に白い獣耳、そして青い瞳
パパもママも、髪は黒かったし、瞳も黒かった
なのに私はこんな変な髪で、耳も生えてる
珍しいから……嫌われたんだ
私の耳は感情に合わせて動くようで、落ち込んだ時はシュン…と縮む
今もシュンとしたままだ
「オークションの時間だ。行くぞ。」
「わかりました。」
扉がまた開いて、すぐに男が入ってくる
促されるまま、オークション会場へ向かった




