鍋
「粗茶でございます。こちらがメニューとなっております」
「ありがとう。」
客室に案内され、お茶を出され、メニューも出された
あとは注文して食べるだけ。
「ふ~む?どれが良いか……。お前はどうする?」
「えっ!?ど、どうすると言われましても……。」
「畏まらなくて良いから。なんか食べれないものある?」
「特には……。」
「んじゃ、鍋にするか。それで良いか?」
「えっ……。はい。」
俺はこの店の中でも一番のお奨めと言う鍋を注文することにした
「こちら、具材のセットとなります。火にお気をつけて。」
「ありがとう。」
中居が肉や野菜が盛りだくさんの容器と鍋を持ってきて、部屋の真ん中にあるバーナー的な何かに乗せる
「さて、鍋だ鍋。親睦を深めるには鍋が一番らしいぞ。」
「私も食べて良いのですか…?」
「じゃなきゃなんで聞くんだよ?」
鍋に野菜や肉を入れ、ことこと煮る
「あと、オレンジジュースとリンゴジュースを頼む。瓶で。」
「はい。ありがとうございます。」
通りかかった中居に飲み物も頼んで、準備万端
「さて、これからよろしく。乾杯。」
「か、乾杯…………。」
ジュースで乾杯し、食事に取りかかる
鍋から野菜や肉を取り、小皿に乗せて卵を上からぶっかけ。醤油?を垂らす
「……………食わんの?」
「はひ!?………はい。食べます………。」
と、言ったのに一向に鍋に手が伸びる様子はなく、白米だけをちびちび食べてるシン
「こっちこい。俺の隣。」
「はい……。」
向い合わせだったのを左隣に座らせ、鍋から野菜や肉を取りわけて渡す
「しっかり食べろ。お腹すいてないのか?」
「…………。ありがとうございます…。」
ようやく、鍋に手を付け始めたシンを横目に、鍋に追加の食材を放り込む
ただただ無言で鍋に追加の食材を入れたり食ったりシンにも分けたりして時間がゆっくり流れる
退屈だが、悪くは無いよな。こんな時間も…。




