蛇口を捻ると水が出る
案内された部屋に入り、ベットにリリアを寝かせてから私も一息ついた
今回案内されたのは、2階の部屋で、前回の話を聞いてのこと……だろう。迷惑をかけてしまった…、
「何かすること無いかな……。」
今日は少しばかり遅くなってしまったので、自分の家を見に行くのは明後日にすることにした
明日はこの国の王様と謁見…と言うより会食だそうで、気を使う必要は全然いらないと言っていた
しかし、それは明日
つまり今は夜まで暇なのだ
リリアと同じく寝ても良いのだが、私の場合、寝ると夜寝れなくなる体質なので、寝るのは自重
ぶっちゃけ眠いけど、あと何時間かしたらまたシャルルさんと一緒に晩御飯を取る約束をした為、起きなきゃダメだ
本当は私とリリアだけの予定だったらしいが、二人だけだと会話が無いので、一緒にと誘ったのだ
私も幾つかシャルルさんに聞きたいことも有るし、何よりシャルルさんは可愛らしい
鎧の時と素顔の時のギャップと言うか、なんと言うか…。
とても落ち着いた人で、騎士のように振る舞うのだが、たまに女の子のような振る舞いを見せるのがまた………あれ?
何となく、自分がダークサイドに堕ちてるような…。
「………………………………。やめやめ!」
考えるのは止めた!今はとりあえず………………。何をしよう………?
とりあえず、喉が乾いたので飲み物を…と思ったが、飲み物を置いてそうな冷蔵庫は見つからない
代わりにベットの脇にあるテーブルにポットと逆さまにしてあるコーヒーカップがふたつ置いて有るのが目に入った
私は水を汲もうとして、水は何処に有るのか分からなくて途方に暮れる
やっぱりリリアを起こそうかな……?
私の魔法は論外だし、この部屋に水は……?
テーブルの横に小さな宝石がついた蛇口があった
青い宝石を蛇口の捻る部分の上に取り付けられている物
勿論…と言うか、蛇口はテーブルに埋まっていて使えそうに無い
「えっ?………出るの?」
一応…と思ってポットの蓋を開けてから蛇口を捻ると…
コポポ…♪っと水が流れ出た!
「ふぁ……。凄い!なんか凄い!」
ただ蛇口をひねっただけなのにこれだけはしゃぐのは可笑しいだろうか?
いや、そんなことは無い
だって、蛇口を捻ると水が出るんだもん!!




