王都
後ろ髪引かれつつ、私達は湖を後にして、王都を目指した
『ぶーーーーん!ぶーーーーん!』
「あと少し、あと少し!」
頑張ってリリアが空を飛びながら、私は応援をする
「あぁ!!見えた!!見えた!!王都!!」
『ふぁぁぁ……。げ、限界…。』
「えっ?ちょっ、ちょぉぉ!?」
リリアが今まで動かしていた羽を止めて、ゆっくりと地面に向かって滑空する
まるでグライダーのようにゆっくりとたが、確実にスピードをあげて地面に向かう
「うわぁぁぁ!!」
『地面~~!!』
王都の入り口からおおよそ100メートル、目と鼻の先に降り立った
「あぁ……。心臓に悪い………。」
『疲れましたぁ……。半分以上は湖で使ったのも有りますけど…。空飛ぶのはやはり来ますね……。』
「お疲れさま。ありがとうね。」
リリアは今、体を小さくして私の頭に乗っかっている
かなり重いけど、まあ許してあげよう。今回運んで貰うのにかなり体力を使ったし、感謝の為だ。重いけど
「さて、あとは歩くよ。」
『がんばれー!がんばれー!』
先程と変わって私がリリアを運ぶことに。
まぁ、距離は何倍もあったけどね。
「ん?あれは………。シャルルさん?」
王都の方から全力で走ってくる人影が見えた
銀色に輝く鎧を纏った人、知り合いにはシャルルさんしか居ない
「お待ちしておりました!!リリア様、ハルナ様。」
「あっ、やっぱりシャルルさんだ!!」
『お久しぶりです~!』
やはりシャルルさんだった
「はい、あの、リリアさん……。ですよね?」
『そうだよ?』
「随分と…その、可愛らしいと言うか…。なんと言うか…。」
口ごもりながらチラチラと私の頭に乗っかっているリリアを見つめる
「どうぞ!是非!」
「へっ!?あわわ!?」
頭に乗っかっているリリアを引き剥がしてシャルルさんに押し付ける
あぁ、軽い…。
『むぅ……。酷い。あっ、でもここも良い…。』
リリアはシャルルさんの頭の上に乗っかって、辺りをキョロキョロと見回す
「と、とりあえず町に向かいましょう。お疲れでしょう。」
「あっ、そうですね。ありがとうございます。」
『ありがとうです!』
私はシャルルさんに付いて町に向かうことにした




