試作の大騒動
コンテストまであと数日。
晴斗は美咲と陽介と共に、家のキッチンで試作を始めた。テーマは「家庭の温かさを感じられる定番料理」。
「まずはハンバーグとサラダの組み合わせを練習しよう」
晴斗はフライパンを手に取り、玉ねぎを炒め始める。
しかし、ここで最初のハプニング。玉ねぎを炒めすぎて少し焦がしてしまったのだ。
「うわっ!ちょっと焦げちゃった!」
「兄ちゃん、もう少し火加減を見て!」
美咲は慌てながらも、笑顔を絶やさずフォローする。
陽介はキッチンに立ち、焦げた匂いに鼻をくすぐらせながら冗談を飛ばす。
「うわー、これ、スモーキーすぎて新メニューになっちゃうぞ」
三人は笑いながら、焦げた部分を取り除き、次の試作に移った。
次に、デミグラスソースを手作りしようと挑戦する晴斗。
「簡単そうに見えるけど、なかなか味が決まらないな……」
何度も味見を繰り返し、塩やケチャップを足すたびに味が変化する。
「これは……うーん、ちょっと濃すぎるかも」
「兄ちゃん、味見しすぎて舌がバカになってるよ」
美咲と陽介は笑いながらアドバイス。
さらに、盛り付けの練習ではトラブルが発生。
陽介がサラダを盛り付けようとした瞬間、手が滑って皿のサラダが床に落下。
「うわっ!」
「陽介、ナイスキャッチ……って言えるか!」
三人は大笑いしながら、散らかった食材を拾い集める。
しかし、そんな失敗も笑いに変えながら、三人は少しずつ完成形をイメージしていく。
「家庭の温かさって、こういう笑いも含まれるんだな」
晴斗はふと思う。試作のたびに失敗もあるが、その度に学び、改善できる。料理って失敗を恐れず挑戦することも大事だ――と実感した。
その夜、三人は試作の成果をテーブルに並べて、ちょっとした家庭パーティーを開催することにした。
「いただきます!」
味見の段階で、少し焦げた玉ねぎもデミグラスソースと混ざると、思いのほか深みのある味に。
「意外と美味しい!」
「家庭の味って、完璧じゃなくても温かさがあればいいんだね」
こうして、試作の大騒動は笑いと発見のうちに終了。
晴斗たちは失敗を恐れず挑戦すること、仲間と助け合うことの大切さを改めて確認したのだった。
次はいよいよ、町の応援団や周囲の人々との交流が描かれる第4章「町の応援団」に進む準備が整った。
手作りデミグラスソース(簡易版・2人分)
材料
•ケチャップ:大さじ2
•ウスターソース:大さじ1
•赤ワイン:大さじ1(あれば)
•水:50ml
•バター:5g
作り方
1.小鍋にバターを熱し、ケチャップ、ウスターソース、赤ワイン、水を加える。
2.中火で5分ほど煮詰め、とろみがついたら完成。
3.煮詰めすぎないよう注意。ハンバーグにかけて楽しむ。
ポイント:簡単に家庭で作れるデミソース。赤ワインは省略可。少し煮詰めるだけで味に深みが出る。




