思い出のレシピ 第2話:デジタルな“記憶”
こんにちは!
昨日の続きです。
後継者がおらず、このままでは失われてしまう、ハツさんのコロッケの味。
文が諦めかけたその時、あの賢いアシスタントが、未来のための、ある優しい提案をします。
その夜、文は自分の店で、ハツさんのことを考えながら、@SHOPに話しかけていた。
閉店後の静かな店内に、彼女の、少しだけ沈んだ声が響く。
「ねえ、@SHOP。ハツさんのコロッケ、もう食べられなくなっちゃうのかな…」
「そうですね。ハツさんの味は、この商店街の、大切な“記憶”の一つです」
@SHOPは、ただ静かに、彼女の心に寄り添うように相槌を打つと、こう続けた。
『文さん。形あるものは、いつかなくなります。でも、記憶は、残すことができますよ』
「記憶を、残す…?」
『はい。ハツさんにお願いして、コロッケの作り方を、一度だけ、動画で撮影させてもらえませんか? 材料の分量や、混ぜ方、揚げる時の音まで、全てをデータとして、私が大切に保管します』
その提案に、文は目を見開いた。
そうだ。たとえ店がなくなっても、ハツさんがいなくなっても、あの味の「記憶」だけは、未来に残すことができる。
『そして、その“記憶”を受け継ぎたい、という人が、いつか現れるかもしれません。その時のために、準備をしておくのです』
それは、問題を直接解決する魔法ではなかった。
でも、未来に、小さな希望の種を植える、どこまでも優しい提案だった。
誰かがその種を拾い上げ、水をやり、再び芽吹かせてくれる日が来るかもしれない。
「…うん。やってみる!」
文は、力強く頷いた。
諦めるのは、まだ早い。自分にできることが、まだ、残っている。
本日もお読みいただき、ありがとうございます!
レシピをデータとして保存する。
それは、商店街の味を、未来に残すためのタイムカプセルのようですね。
ハツさんは、この提案を受け入れてくれるのでしょうか。
次回、このエピソードもついに完結です!
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