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案外、世界は優しさでできている  作者: かつを
第一部 IT企業編
8/90

会議室の“沈黙” 第2話:“対話”の設計図

目的のない会議に、貴重な時間を奪われていく高橋たち。

この膠着した状況を、解決する糸口はあるのでしょうか。

次の週の火曜日の夕方、つまり、定例会議の前日。高橋のチームに、静かな変化が起きた。


『ワンチーム』が、会議のアジェンダと、各メンバーの作業ログに基づいた報告書を、自動で作成して全員に共有したのだ。

だが、驚きはそれだけではなかった。

その数分後、ベテランの鈴木守のチャットに、『ワンチーム』から個別のメッセージが届いた。


『鈴木様。明日共有される報告書のセクション3について、鈴木様が過去にご担当されたプロジェクトの経験が関連する可能性があります。潜在的なリスクについて、懸念点はございますか?』


時を同じくして、高橋の元にも、別のメッセージが届いていた。


『高橋様。報告書のセクション5のUIデザインについて、先日のクライアントからのフィードバックがまだ反映されていない箇所があります。ご確認いただけますか?』


そして、定例会議が始まる1時間前。高橋を含む全メンバーに、新しいドキュメントが共有された。

タイトルは『主な論点サマリー』。

そこには、鈴木が指摘したリスクと、高橋が確認した修正点などが、関連資料へのリンクと共に、簡潔にまとめられていた。


水曜、午後1時。会議が始まると、マネージャーの佐藤はスクリーンに、いきなりその『主な論点サマリー』を映し出した。


「本日の議題は、この3点です。まず鈴木さん、ご指摘のリスクについて、詳しくお願いします」


議論は、最初から核心をついていた。

データという客観的なエビデンスを元に、具体的な対策が次々と決まっていく。

これまで1時間かけても何も決まらなかった会議は、わずか20分で、的確な意思決定と共に終了した。


「…本日の会議は以上です」


佐藤がそう宣言すると、メンバーたちは、一瞬の沈黙の後、互いに顔を見合わせて、そのあり得ないほどの効率性に驚きの表情を浮かべていた。

お読みいただき、ありがとうございます!

今回もまた、『ワンチーム』が驚くべき提案をしてくれましたね。

ただの解決策ではなく、人間の心理まで考慮した優しさを感じます。

この一手で、チームの空気は変わるのでしょうか。次回、このエピソードもついに完結です。

ーーーーーーーーーーーーーー

この物語の公式サイトを立ち上げました。

公式サイトでは、各話の更新と同時に、少しだけ大きな文字サイズで物語を掲載しています。「なろうの文字は少し小さいな」と感じる方は、こちらが読みやすいかもしれません。


今後は、キャラクター紹介や、作中のITシステムの解説なども充実させていく予定ですので、お楽しみに!


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https://www.yasashiisekai.net/

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