表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
案外、世界は優しさでできている  作者: かつを
第二部 商店街編
73/119

見えない“ありがとう” 第1話:頑固なアイロン

こんにちは!

今日から新エピソードです。

「@SHOP」のおかげで、商店街には少しずつ新しい風が吹き始めています。

しかし、その変化にまだ背を向けている人もいるようです。

今回の主人公は、黙々と仕事をこなす、クリーニング店の頑固な職人さんです。

星野文具店の二軒隣にある「鈴木クリーニング」。


店主のきよしさんは、商店街でも評判の腕利きの職人だ。

どんなに頑固なシミも、彼の手に掛かれば魔法のように消えてしまう。

けれど、彼は輪をかけて頑固で、無愛想だった。


「文ちゃん、これお願い」


文が、お気に入りのブラウスをカウンターに置くと、潔さんはそれを一瞥し、伝票を書きながら、ぶっきらぼうに「…ああ」とだけ答えた。

笑顔もなければ、世間話もない。

ただ、彼の鋭い目は、文が気づいていなかった袖の小さな汚れを、すでに見抜いていた。


彼の仕事は、いつも完璧だった。

数日後、戻ってきたブラウスは、新品のようによみがえっている。


「すごい、潔さん! 真っ白! いつもありがとう!」


文が心からの感謝を伝えても、彼は「…どうも」と短く返すだけ。

その背中は、喜びも、達成感も、何も語らない。


その日の夜。


閉店後の店で、潔さんは一人、アイロン台に向かっていた。

蒸気の音だけが、静かな店内に響く。


(…俺の仕事、本当に、客は喜んでるのかねぇ)


感謝の言葉がないわけではない。

でも、それはどこか社交辞令のようで、彼の心には届かない。

日々の仕事は、ただ黙々とこなすだけの、色のない作業になっていた。


彼は、蒸気で曇った窓の外を眺めながら、誰にも聞こえないほどの小さな声で、ため息を一つ、吐き出した。

お読みいただき、ありがとうございます!

新しい登場人物、潔さん。

腕は確かなのに、なんだか寂しそうですね。

彼の心のシワは、どんなシミよりも手強いかもしれません。

この頑固な職人の心を、「@SHOP」は溶かすことができるのでしょうか。

続きはまた明日!

ーーーーーーーーーーーーーー

この物語の公式サイトを立ち上げました。


公式サイトでは、各話の更新と同時に、少しだけ大きな文字サイズで物語を掲載しています。

「なろうの文字は少し小さいな」と感じる方は、こちらが読みやすいかもしれません。


▼公式サイトはこちら

https://www.yasashiisekai.net/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ