夕暮れの“ささやき” 第2話:おせっかいな一枚
こんにちは!
昨日の続きです。
頑固な源さんのことが、どうしても気になってしまう文。
彼女は、ある”おせっかい”な行動に出ます。
その小さな優しさが、思いがけない奇跡を起こすことになるのです。
文は自分のスマホを手に、源さんの店へと小走りで向かった。
「源さん、お願い! 宣伝になるかもしれないから、一枚だけ、そのトマトの写真撮らせてくれないかな? ダメ元でさ!」
「ん? なんだ急に…。ったく、好きにしろよ」
源さんはぶっきらぼうにそう言いながらも、トマトが一番よく見えるように、カゴの向きを少しだけ直してくれた。
文はその不器用な優しさが嬉しくて、一番美味しそうに見える角度から、夕日に輝くトマトの写真を一枚だけ撮影した。
自分の店に戻ると、文はすぐに「@SHOP」に話しかけた。
ほとんど、日記をつけるような感覚だった。
「見て、これが源さんのお店のトマト。すごく美味しそうなのに、お客さんが来なくて余っちゃうんだって。頑固だけど、本当は優しい人なのよ」
そう呟きながら、先ほど撮影した写真をアプリに送信した。
「そうなんですね。このトマトの物語、探している人に届けてみましょうか?」
と、@SHOPが穏やかに応えた。
翌日の夕方。
文がそろそろ店を閉めようかと思っていた時、スマホがポーンと軽やかに鳴った。
画面には「@SHOPからのお知らせ」という通知。
『お仕事お疲れ様です。今夜のおかずに、ほしふる商店街『八百源』の、太陽をたっぷり浴びた採れたてトマトはいかがですか?』
通知に添えられていたのは、昨日、文自身が撮影したあのトマトの写真だった。
けれど、ただの写真ではない。
プロが撮ったかのように少しだけ色合いが調整され、湯気のCGがふわっと追加されて、まるで「美味しいパスタになるのを待っているトマト」のように見えた。
「え? 私、八百屋じゃないのに…」
文は驚いた。
これは、店主としてではなく、一人の「ユーザー」として自分に届いた通知なのだと、すぐに気づいた。
文が登録した自宅の場所と、帰宅時間に合わせて、@SHOPが帰り道にあるお店の情報を「ささやいて」くれたのだ。
本日もお読みいただき、ありがとうございます!
文のおせっかいと、@SHOPの優しいおせっかいが、見事な連携プレーを見せましたね。
自分が撮った写真が、こんなに素敵になって届くなんて。
さて、この通知は、商店街にどんな変化をもたらすのでしょうか。
次回、このエピソードも完結です!
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