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案外、世界は優しさでできている  作者: かつを
第二部 商店街編
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あなたの声と、お店の物語 第3話:届き始めた物語

こんにちは!エピソード1、ついに完結編です。

謎のアプリ「@SHOP」に、言われるがままお店の情報を登録した文。

その翌日、彼女の店に、思いがけないお客様がやってきます。

翌日の日曜日。


文はあまり期待もせず、いつものように店のシャッターを開けた。

どうせ今日も、常連の田中さんが新聞を買いに来るくらいだろう。


だが、昼過ぎにチリンとドアベルが鳴った。


入ってきたのは、昨日店の前を通り過ぎていった、あの若い夫婦だった。


「すみません、スマホで見て…。この棚、すごく素敵だなって」


女性が、少しはにかみながらスマートフォンの画面を文に見せた。

そこには、『ほしふる商店街 おさんぽマップ』という地図が広がり、「星野文具店」の場所にピンが立っている。


ピンをタップすると、文が昨日話した「時間をかけて一緒に探す、手紙を書きたくなるお店」という言葉と共に、動画から切り取られた「棚の写真」がいくつも並んでいた。

『万年筆・高級筆記具』『和紙便箋の棚』『子供向けの、わくわくする文房具』…。


「ECサイトみたいに商品が一個一個並んでるんじゃなくて、お店の棚がそのまま見られるのが、なんだか面白くて。宝探しみたいで、来てみたんです」


「え…?」


文は目を丸くした。

夫婦は楽しそうに店内を見て回り、文が自慢に思っていた便箋と、初めての人でも使いやすい万年筆を嬉しそうに買っていった。


その日は、その後も何組か、スマートフォンを片手にした一見客が店を訪れた。


閉店後、文がスマホの「@SHOP」を開くと、穏やかな声がした。


「星野さん、お疲れ様です。今日、あなたのお店に3組の新しいお客様が興味を持ちました。特に『和紙便箋の棚』の画像は、たくさん見られていましたよ。明日も、良い一日になりますように」


自分の声で語ったお店の自慢が、ただ撮っただけの店内の風景が、それを求めている誰かに確かに届き始めた。


文は、まだ人通りの少ない商店街の夜景を眺める。昨日までと同じ景色のはずなのに、なんだか少しだけ、キラキラして見えていた。


謎のアプリとの、不思議な対話が、今、静かに始まった。

エピソード1、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!

文さんの小さな物語が、それを必要としている人に届き始めましたね。

さて、次に彼女の店に訪れるのは、どんな悩みを持ったお客様でしょうか。

次回から、新エピソード「あなたのための“近道”」が始まります。

お楽しみに!

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この物語の公式サイトを立ち上げました。


公式サイトでは、各話の更新と同時に、少しだけ大きな文字サイズで物語を掲載しています。

「なろうの文字は少し小さいな」と感じる方は、こちらが読みやすいかもしれません。


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