情報の“洪水” 第3話:“静けさ”を取り戻した心
賢い「濾過装置」を手に入れた高橋。
彼は、情報の洪水から解放され、思考の「静けさ」を取り戻すことができるのでしょうか。
エピソード「情報の“洪水”」、完結編です。
その日、高橋は、初めて『ワンチーム』が提示した「要点」の通りに、一日を過ごしてみた。
朝一番に、返信が必要な2件の連絡だけを済ませる。
そして、思い切って、メールソフトとチャットアプリを閉じた。
午前中は、誰にも邪魔されず、完全にコーディングに集中する。
驚くほど、仕事が捗った。
昨日一日かけても進まなかった部分が、わずか2時間で完成してしまった。
ふと周りを見渡すと、オフィス全体の空気が、昨日までとは違うことに気づく。
誰もが、慌ただしく通知に反応するのではなく、自分の目の前の仕事に、静かに、深く集中している。
マネージャーの佐藤も、メンバーの進捗をいちいち確認して回るのではなく、腰を据えて、新しいプロジェクトの企画を練っているようだった。
終業時刻。
高橋は、心地よい達成感と共に、PCを閉じた。
あれほど彼を苦しめていた、情報の洪水は、もうない。
心は、凪いだ湖のように穏やかだった。
彼は悟った。この情報化社会における、システムの本当の優しさとは、新しい情報を与えてくれることではない。
むしろ、不要な情報を、責任を持って遮断してくれることなのだと。
『ワンチーム』は、彼の注意散漫な一日を、静かで、創造的な一日に変えてくれた。
それは、高橋の心に、本当の意味での「集中」と「平穏」を取り戻してくれる、何よりの贈り物だった。
エピソード「情報の“洪水”」、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!
システムがもたらす本当の優しさとは、時に、不要なものを「遮断」してくれること。
そんなメッセージが伝われば嬉しいです。
さて、次に彼らを待つ課題は「将来への不安」です。
また明日から、新しいお話が始まりますので、お楽しみに!
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